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全7戦で争われる全日本モトクロス選手権は、舞台をふたたび開幕の熊本へ移して第5戦、つまり後半戦へ突入。前戦の名阪スポーツランドから4週のインターバルを経て開催された。IA2はジェイ・ウィルソンがここまで全勝、タイトルに王手をかけている

これが強者の姿、富田に往年のチャンピオンの姿が重なる

画像1: これが強者の姿、富田に往年のチャンピオンの姿が重なる

今年のヤマハは滅法強い。AMAではスーパークロス450クラス、250クラスウエスト、そしてプロモトクロスの450クラスを制覇している。一足遅く日本のシリーズ戦も後半に入ったが、IA1はやはりヤマハファクトリーの富田俊樹が目下ランキングもトップで絶好調だ。

九州大会はIA1クラスは3ヒート制。通常30分+1周の2ヒート制が、15分+1周の3ヒートで行われる。総走行時間は短いものの、短いインターバルを挟んで全開走行を3本こなすのはタフなラウンドだと言える。体力がなければ3ヒートとも好成績でまとめることは難しいし、序盤のスタートダッシュが効かなければ追い上げも難しい。だが、1ヒートで獲得できるポイントは通常と同じなので、ここで一気に巻き返せるチャンスだとも言える。IA1でランキング2位に立っている能塚智寛はここが踏ん張りどころ。ポイント差が開いてしまっていたトップの富田との差を縮められるとすればこの九州ラウンドなのだ。だが、レースはそう甘くは無かった。

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ヒート1、トップで飛び出したのはなんと前戦名阪の前に負傷で欠場していた大城魁之輔だった。開幕の熊本でIA1ルーキーながらヒート優勝をもぎ取った大城が、ここでも瞬発力を見せる。これを追ったのは、富田。2周目まで大城と富田のバトルは続いたが、大城があとから「後ろから富田さんがラインを変えて迫ってきて、プレッシャーをかけ続けられ負けてしまいました。悔しいですね」と振り返る通り、富田に序盤でトップを譲ることに。大城はそれでも富田を逃すまいと追うものの、富田のペースはじわじわ上がっていく。何か富田にミスがあれば追いつくこともできただろうが、ミスを誘発するようプレッシャーを与えられる距離には近づけない。富田は悠々とまず1勝をあげた。まるで勝ちパターンがわかっているかのようだった。

画像3: これが強者の姿、富田に往年のチャンピオンの姿が重なる

ポイントランキング上、富田を打ち負かす必要がある能塚はヒート2で勝負に挑むものの、富田は早々に盤石なペースで周回しトップを譲らず。その後のヒート3でも能塚は2番手を走る渡辺祐介につかまり、最終ラップまでプッシュするもののミスを誘われ転倒。8−3−4という成績で、1−1−1とパーフェクトウィンを飾った富田との差を拡げてしまった。

画像4: これが強者の姿、富田に往年のチャンピオンの姿が重なる
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富田は「前戦で下田丈が来て圧倒的な差を見せつけられて……まだまだ目指す先があるんだということを実感しました。このインターバルではそういう圧倒的な走りを目標に練習してきたので、今日の結果は嬉しいです。ただ、本当はレース中にトップに立ってからもう少し後ろを離しておきたいなという欲もありました。ランキングはこの九州大会で十分引き離せたので、あとは冷静さを欠かなければ大丈夫だろうという実感はありますね」と語る。これを追うべき能塚は「トッチくんとはIA2時代にもタイトル争いをしていて、すごく強かったのを思い出しました。成田さんがいた頃みたいだな、とも思いました。成田さんが強かった頃に一緒に走っていた人はこういう気持ちだったのかなって。スタートが出られずなかなか序盤にトップまでいける展開ができず苦しい戦いが続いています。去年まではトッチくんとバトルできていたけど、一歩抜けられたような感じがします」と話し、あらためてこのシーズンの富田の強さを噛みしめた。

全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し

画像1: 全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し

IA2のヤマハの強さはIA1以上である。今季はオーストラリアからヤマハ若手の育成や、新世代のステアリングダンパーであるEPSの開発のためにやってきたジェイ・ウィルソンが開幕から負け無しの全勝を続けている。IA2の見所はこの強いジェイに誰が最初に土をつけるかだが、転倒を喫したオフロードヴィレッジでさえ追い上げてパーフェクトウィンをものにするという圧倒的な強さを見せつけている。だが、今回は予選で中島漱也が他を2秒ほど引き離すラップタイムを出していること、予選では浅井亮太がジェイを上回ったことでついにストッパーが現れたかと期待された。さらにはジェイにとっても、この九州大会はパーフェクトウィンでチャンピオンが決定するという局面でプレッシャーもある。チャンスだった。

しかし、その期待はヒート1で露と消えた。ジェイはスタートをトップ3でキメてからオープニングラップでトップに立ち圧勝。2番手にあがってきた鳥谷部晃太を従えて後半はペースを落とす余裕すらあった。ヒート2もほぼ同じ展開だ。

画像2: 全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し
画像3: 全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し
画像4: 全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し
画像5: 全勝でチャンピオンに。ジェイ・ウィルソン強し

「ちょっとチャンピオンを意識してナーバスになっていたけど、ここHSR九州はとても素晴らしいトラックで楽しめたよ。ストレート勝ちでチャンピオンになれたことはとても嬉しく思っている。ヤマハファクトリーチームと、EPS開発チームのおかげだね。タイトルは獲れたけど次戦から450に乗るってわけにはルール上いかないだろうから、最終戦まで250に乗るつもりでいる。僕のメインの目的はあくまでEPSの開発なので、そこにフォーカスすることになると思う。実のところEPSの開発はうまくいっていて開幕から大きな変更はしていないよ。マディやハードパックやスリッパリーな路面にサンドと、いろんなシチュエーションでレースしてきたから多くの情報を吸い上げることができたと思う」とジェイは語る。

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