胸部プロテクターだけじゃなく下半身も守ろう
ライディングにおけるプロテクションの基本といえば、ヘルメット、グローブ、ブーツのいわば3種の神器。
さらにジャパンライダースなど各種団体の啓蒙活動などにより、胸部プロテクターの普及も着実に進んでる。あと、以前も紹介した頸椎プロテクションなんかも大事。
今回はそれらに続いて、下半身のプロテクション。まずは代表的なアイテムを紹介していくよ。
下半身プロテクターは他にもいろんなタイプがあるよ
下半身プロテクターの中でも、プロテクションするポイントや装着方法などで分けてみた。
腰を保護するインナー
プロテクション機能を持ったスパッツ状のインナー。転倒時に接地しやすい腰の側面を保護するタイプ。腰骨にダメージを受けると大変なことになるので、非常に大事だぞ。
膝を保護するプロテクター
ベルトで取り付ける基本的なスタイルの膝プロテクター。外側には硬度のあるハードシェル、内側には衝撃を吸収するソフトシェルを組み合わせることで、高いプロテクション性能を発揮。パンツの下でも上でも、装着の自由度は高く、3か所のベルトが膝を曲げた時にも浮き上がりを最小限にしてくれる。
オフロード業界ではニーシンガードとも。
膝インナープロテクター
履くように装着するタイの膝プロテクター。インナーなのでどんなパンツにも組み合わせることができるぞ。膝は可動範囲が広いので、ズレ防止のベルトも装備。
じん帯を保護するニーブレース
上記の「膝を外部の衝撃から守るプロテクター」とは違い、膝のじん帯を守るためのもの。膝が可動範囲を越えた動きをしないようにすることで、じん帯の断裂などを防いでくれる。医療機器がその由来だとか。
オフロード走行では非常に重要なアイテム。
ライディングパンツは定番にして王道
プロテクターを内蔵したライディングパンツは、膝プロテクターと同様に定番のアイテム。DFG MOTORCYCLESのトラッカーパンツは、ヴィンテージテイスト溢れる意匠が特長。
膝プロテクターを標準装備しているだけでなく、ケブラー繊維を腰回り裏地に採用することで、転倒時のダメージを大きく減少してくれる。内ももの当て革は、見た目のアクセントだけじゃなくアップマフラー車にも心強い
腰から足首までを保護するインナータイプは万能プロテクター
腰プロテクターと膝プロテクターを内蔵するインナータイプ。好きなパンツと組み合わせることができるのが魅力。
中でも、デイトナの提案する耐切創生地を採用したモデルは、転倒による擦過傷の大幅な軽減が期待できる優れもの。
下半身プロテクターをさらにクオリティアップするアイテムも
プロテクターの厚みや存在感が気になる人には、より薄くて高性能なプロテクターに交換という選択肢も。
SAS-TECHプロテクターは、CEレベル2の防御性能をもちながら、薄くて軽い。個人的にもすごく気になる。
耐切創プロテクターインナーパンツを短パンと組み合わせてアウトドアスタイルにしてみるぞ
下半身プロテクションにも色々なタイプがあるんだけど、自分が導入したのはコレ。耐切創プロテクターインナーパンツ。
同じくヘンリービギンズの耐切創プロテクターインナーが非常に使い勝手が良かったのよね。
なにより良いのはインナーなので、服装が自由にできるってこと。
バイクの乗るときの服装って長袖長ズボンというのが基本じゃん。なので短パンって選択肢はなかったのよね。でも、こいつなら耐切創生地だから普通の長ズボンより遥かにプロテクション性能高いわけで。つまりズボンがなくても十分な防御力があるので短パンでもいけるはず。
で、何がしたいかって、アウトドアの定番になりつつあるレギンス+短パンというスタイルっぽくしたいのよ。トレッキングスタイルの登山タイツ+短パンというイメージでも良いかも。
こういうイメージね
キャンプスタイルだとレギンス、トレッキングだとコンプレッションの登山タイツ、今回はインナープロテクターなので、全然別物なんだけど、見た目のイメージね。
ちなみにバイクでの「十分なプロテクションを確保した上での短パンスタイル」ってのは、結構昔からあって、初期のミニモトレースなんかではよく見かけた。
あとレジェンドFMXライダーのDAICEさんも短パンスタイル。サムネの緑の人ね。
というわけでやってみた。
靴はFOXのボンバーブーツ。ハイカットは安全面も高いし、足首まであった方が見た目的にも好み。オフでもオンでも使いやすくて気に入ってる。
短パンはワークマンで買ったやつ。もうちょい太い方がそれっぽいかも。
またがってみるとこんな感じ。正直、予想以上にスッキリ見えるっぽい。なのにばっちりプロテクションだぜ。
防寒についてなんだけど、撮影時の気温は約13度。インナープロテクターパンツはかなり通気性が良いんだけど、意外と寒さを感じることはなかった。ただ、これは個人差があるからね。
こんなスタイルを試せるのも、プロテクターだけじゃなく耐切創生地があるおかげ。
最高に気に入ってる。
耐切創プロテクターインナーパンツの詳細はこんな感じ
せっかくなので詳細も。
基本スペックは、上半身用の耐切創インナープロテクターを踏襲してる。
膝と腰にはCE規格のプロテクションを装備。そして摩擦や引き裂きに強い耐切創生地をダメージゾーンに採用。
これは尻のあたり。黒いところが耐切創生地ね。
この耐切創部分がものすごく安心感があるのよ。路面を滑ってくとダメージでかいからね。
耐切創じゃないストレッチモデルもあるけど、個人的にはせっかくなら耐切創のタイプがオススメ。
膝カップは位置調整可能。上半身の肘プロテクターもそうなんだけどうまく合わないと気持ちが悪いのよね。購入したらここのセッティングは念入りに。
ちなみに付属の膝カップをSAS-TECの薄型と比較するとこんな感じ。
奥が付属のもので、手前がトリプルフレックス構造の薄型。薄型の軽さ、追従性はすごいよ。ただ、付属の包み込む感じも正直悪くない。
転倒時、最初に接地することが多い腰部分。そもそも腰骨は超重要部位なので、ここの守りは大事。
まとめ
安全装備の選択肢が広がるのはシンプルに嬉しい。今年は耐切創プロテクターインナーパンツ+短パンでSSTRとかキャプツーに行ってみるつもり。
自分のライディングスタイルに合わせた、ベストなプロテクションを選ぶための参考になれば幸い。
レポート:若林浩志