まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演/ゲスト:小杉浩史
※この記事は月刊『オートバイ』2022年9月号に掲載したものを再編集しております。
※國魂神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
今回のゲストは気象予報士の小杉浩史さん
気象予報のエキスパートは気さくなドゥカティ好き
僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした〝神社ソムリエ〟として、ゲストのお人柄や願いに合った神社へご案内しているこの連載。今回のゲストは、ドゥカティ乗りの気象予報士、小杉浩史(こすぎひろふみ)さんをお迎えしました!
国家資格である気象予報士試験は、合格率が4~5%という難関です。前職は会社員だった小杉さんは、2012年に気象予報士資格を取得。2015年からミヤギテレビに気象キャスターとして出演中で、ご自身のTwitterでも毎晩、翌日の宮城のお天気を予報されています。
今回の取材の数日後、東北各地で記録的な大雨が降ったのですが、その時の小杉さんはSNSを通じてコンスタントに、宮城県内の正確な気象情報と注意喚起を深夜まで発信されていて、そのプロフェッショナルな姿勢にとても感動しました。
じつは小杉さんと僕は同い年。また、僕も以前はドゥカティ乗りだったので勝手に親近感を抱いていたら、嬉しくも小杉さんも同様だった様子。撮影中もついついLツインエンジンのレイアウトのセクシーさや、ハーレーの乗り心地について語り合ってしまいました。
今回のゲスト
小杉浩史(こすぎ ひろふみ)さん
気象予報士。1984年東京都生まれ。立教大学法学部卒業。一般企業に3年間勤めた後、アルバイトをしながら気象予報士を目指す。2012年3月に気象予報士資格を取得。2015年からミヤギテレビ『OH!バンデス』『ミヤギnews every.』に気象キャスターとして出演している。
小杉さんの愛車 ドゥカティ「スーパースポーツ 950 S」
小杉さんはモンスター400→ST4→SUPERSPORTと乗り継いできた生粋のドゥカティスト。「SSは斜め前から見たタンクのくびれ具合、艶めかしい曲線が好き」とのこと。
小杉さんの…個人の願いは結婚したい!
気象予報士としては…より予報が当たりますように
災害が少しでも減りますように!
神社ソムリエ
佐々木優太&
ハーレーダビッドソン ナイトスター
参拝した神社は1万数千社、受けた御朱印は4000以上。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。愛車のハーレーダビッドソン・XL1200NSが車検中で、今回は下の新型ナイトスターで旅に出発! 左写真は「指で風を読む」図。
ツーリングの目的地は福島県いわき市の國魂神社
走り応えも、ご利益も満足いただける神社セレクト
僕、佐々木優太が神社ソムリエとしてご案内する神社を選ぶ時は、ゲストが希望される範囲内にあることも重要です。今回、小杉さんのご要望は「(在住の)仙台から片道200km以内」という、いかにもツーリング好きライダーらしい範囲(笑)。そこで思い浮かんだのが福島県いわき市の國魂神社でした。
小杉さんの住む仙台からも、僕の住む東京からも片道約200kmの距離です。しかもこの時期の國魂神社は『夏詣』の装いで、色とりどりの風鈴や苔玉で飾られた〝風鈴参道〟が、目にも耳にも涼やか。フォトスポットとしても人気で、多くの参拝者が訪れます。
また、小杉さんの気象予報士としての目標と願いは気象予報の精度向上と自然災害の減少、個人的な願いは良縁でした。國魂神社の裏手には、農業の神様を祀る田神社があり、農業と天候は切っても切れない関係。さらに天候の安定は、災害が減ることにも通じます。しかも國魂神社がお祀りするのは、なんと縁結びの神様なんです!
小杉さんにも「まさか3つの願い全部に合う神社があると思わなかった」と喜んでいただけて、神社ソムリエ冥利に尽きるツーリングとなりました。
國魂神社(くにたまじんじゃ)
福島県いわき市勿来町窪田馬場72
大同元年(806年)、菊多国造(きくたのくにのみやつこ)が出雲大社から勧請して創建したとされる神社。御祭神は出雲大社と同じオオクニヌシノミコトと、スセリヒメノミコト、スクナヒコナノミコトです。また、國魂神社は平成26年(2014年)に浅草神社が提唱して始まった『夏詣』の参画神社。夏詣とは、元旦に新しい年の平穏を願う「初詣」から無事に半年を過ごせたことを感謝し、来る半年の更なる平穏を願う新たな習慣。國魂神社では6月30日~8月28日を『夏詣』期間として、約600個の風鈴や、つりしのぶ、苔玉が参道を彩る「風鈴参道」の実施や、夏詣御朱印や夏詣御守を頒布しています。
御利益の理由
小杉さんだから、おすすめの3つの理由
1.境内社の田神社の御祭神が天候に縁がある
→気象予報の精度アップ祈願にピッタリ
2.現代の神社には珍しく境内に鐘がある
→情報を伝える鐘は予報の“報せ”に通じる
3.「縁結び」で有名な出雲大社と同じ御祭神
→プライベートでの良いご縁につながる
國魂神社の御朱印とお守り
期間限定で頒布される夏詣御朱印は、夏詣の風景が描かれた珍しいクリアタイプ。月替りの御朱印も頒布され、御朱印を受けると國魂神社の御祭神があしらわれた「おまいりまんシール」をいただくことができます。夏詣御守をはじめ、御守の種類も豊富。せっかくなので小杉さんには、ぜひご縁結びの御守をお受けいただきたいと思い、僕からおすすめさせていただきました。
参拝ではココに注目!
農業の安全と五穀豊穣を祈念する田神社(たじんじゃ)
境内社『田神社』の御祭神は農業の神様。農業は天候に大きく左右されるため、気象に関連する神様とも言えます。田神社の前には神様に捧げる米を育てる神田(かんだ、しんでん)が。禰宜の宮川さんが「10月に『どぶろくまつり』という例祭があり、収穫したお米をもとに作るどぶろくと、醸造過程で出る酒粕、奉納された鮭をあえたものを参拝者で奪い合う『粕掴み神事』が行われるんですよ」と教えてくださいました。