これまで巡った神社の数は1万数千社の佐々木優太が、バイク好きのゲストをお迎えして神社へご案内するこの連載。今回は漫画家のきらたかしさんが登場です!
まとめ:齋藤ハルコ/写真:井上 演
※この記事は月刊『オートバイ』2022年12月号に掲載したものを再編集しております。
※玉村八幡宮境内での撮影は、特別な許可を得ています。
画像: 初のヤンマガ連載開始のギャラでTMAXを買いました(きらたかし) 今度はオフロードの楽しみ方を教えてください!(佐々木優太)

初のヤンマガ連載開始のギャラでTMAXを買いました(きらたかし)

今度はオフロードの楽しみ方を教えてください!(佐々木優太)

きたたかし×佐々木優太 開運ツーリングトーク

お話を聞けば聞くほどオフロードに行きたくなります!?

佐々木優太(以下佐々木) きらさんは神社でたくさん写真を撮られてましたね。やはり漫画の資料として、写真を撮ることを心がけているんですか? 僕は「神社は斜めから見ると格好いい」と思うので、その角度からの撮影をイチオシしちゃいましたが(笑)。
きらたかし(以下きら) 斜めからが格好いいのはバイクやクルマも一緒ですね(笑)。いつどんな資料が必要になるかわからないので、わりとどこに行っても写真は撮るようにしてます。

佐々木 今回は宮司のご厚意で、通常は神楽の奉納時にしか使わない神楽殿に上がらせていただいたり、本殿の造りや修復の歴史についてもご説明いただきましたが、たとえば拝殿の壁に描かれた神獣の絵を見る時とか、漫画家であるきらさんは、どの辺から見ていくのかがすごく気になったんです。僕なんかが絵を見る時は、どうしても表情や動きが最初に目に入るので。
きら 僕も最初はやっぱり全体のイメージを見て、そこからあらためて細かい顔の描き方とか、色ののせ方とかを見ますね。今回みたいに歴史がある絵だと、描いてから何百年も経って色があせてる部分も含めて威厳を感じられるというか、ありがたみがあるので。玉村八幡宮の絵はかなりきれいに色が残ってて、顔料もすごくいい物が使われてるんだろうなと思いました。
佐々木 まず顔料について気がつくのが、「ああ、やっぱり絵を描かれる方の感想だな」って思いました。
きら 特に青の顔料って、色があせずに残るようなものは、日本画家の中でもかなりお金がある人しか使えなかったらしいんですよ。

佐々木 なるほど。もうひとつ素人質問ですが、漫画家さんの描く絵って、基本的に色をのせないですよね?
きら そうですね。一般的な漫画雑誌とかに載る作品は白黒で描きますね。
佐々木 でも頭の中では、全部の絵の色がちゃんと決まってるんですか?
きら 決まってます。ちょうど今、2021年ヤングマガジンに載せた白黒の漫画を、フルデジタルで全部着色して、電子出版するための作業をしてるとこなんです。日本人って漫画を見る能力にすごく特化してるので、白黒で読んでも頭の中でフィルターがかかってカラーになるんですけど、実際にカラーで見るとより画面の情報量が増えるので、さらにすごい空気感とか風情が出せるようになるんですよね。なので漫画は、これからフルカラー作品がすごく増えてくると思うんですけど。
佐々木 へ~、面白い! きらさんの次作もフルカラー予定なんですか?
きら どこで連載するとか詳しいことは何も決まってないですけど、勝手にカラーで描き始めてはいますね。
佐々木 それは気になりますね! ちなみにバイク漫画をまた描いたりはされないんですか? 同じ乗り物でも、クルマに比べてバイクは描く手間がすごいかかると聞きましたが…(笑)。
きら すごく手間がかかります(笑)。だからRIDEで東本先生が毎月あれだけの新作を描かれてるのは、本当にすごいなぁと思いますね。

画像: きたたかし×佐々木優太 開運ツーリングトーク

佐々木 そう聞くと、簡単に「バイク漫画を描いて」と言えなくなりますね(笑)。ちなみに今はきらさんはフルデジタルで漫画を描かれてて、これまでの作品も大多数が電子書籍で読めますよね。僕は『単車野郎』とか『DART野郎』とかバイクエッセイのイメージが強かったもので、今日もオフ車でいらっしゃると思ってたんです。
きら 今日はいろいろ迷ったんです。でも高速を走るし、結構距離も乗るから、何があるかわかんないガンマ500とかで行くのは止めようと(笑)。このTMAXはヤングマガジンで『赤灯えれじい』の連載が始まった時、そのギャラで初めて買ったバイクなんですよ。
佐々木 現行のTMAXと比べると、フォルムがちょっと丸みを帯びてて、かわいいですよね。
きら 僕はフロントの顔が好きです。シート下の収納にヘルメットも入らないから見た目より不便だし、メンテナンスもなかなか行き届かないけど、ずっとダラダラ乗り続けてますね。

佐々木 じつは僕、年齢を重ねるごとにクルマもバイクもオフが格好いいと思うようになってきてて。オフでもどこでも走れるオンロードって格好いいじゃないですか。クルマだと今は、ジープのラングラーが欲しいですし、バイクだったら、大型二輪のオフロードにめちゃめちゃ興味があるんですよ。
きら それは絶対乗ったほうがいいですよ! ちゃんとしたオフロードコースで対向車を気にせず走ると、全力で汗かいて、全身運動で走ることがこんなに楽しいのかって感じられるんです。当然バイクは汚れるんで、洗車して、整備して…という流れも必然的にしなくちゃいけなくなるから、タイヤ交換とかも自分でできるようになりますし。オフロードで遊ぶと、バイクと戯れる感覚をすごく味わえるんですよ。

佐々木 普段僕がひとりで神社巡りをする時は、じつはハーレーで行くのがまずムリなんです。対抗車とすれ違うのも難しい一車線の山道で行くような場所が多くて、交通量が少ないから路面は砂利や落石がいっぱい。そもそも山の中って、晴れてても薄暗くて湿ってるじゃないですか。そういう山の神社は駐車場もだいたい砂利ですしね。
きら そういう時こそオフロードバイクです! 途中に枝分かれした面白そうな道があれば「ちょっと行ってみようかな」ってできるから、そういう面でも断然楽しめますよ。普段の街乗りでも、すごく便利に使えますし。
佐々木 お話を聞いてると、どんどんオフ車に乗りたくなってきますね。まずは今度、オフロードの楽しみ方を教えてください! そして次は〝オフロードバイクじゃなきゃ行けない〟開運ツーリングに行きましょう!(笑)

今回の食事処
Riders Cafeうさぎ小屋

画像18: 漫画家・きらたかしさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

玉村八幡宮からバイクで約15分。「若いライダーが来やすいように」と500円のワンコインメニューが豊富で、ハーフ&ハーフやトッピングのリクエストなど、わがままオーダーにも対応してくれる懐の深いカフェです。

群馬県佐波郡玉村町大字五料205-2

画像19: 漫画家・きらたかしさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】
画像20: 漫画家・きらたかしさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

まとめ:齋藤ハルコ/写真:井上 演
※この記事は月刊『オートバイ』2022年12月号に掲載したものを再編集しております。
※玉村八幡宮境内での撮影は、特別な許可を得ています。

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