文・写真:山口銀次郎
名古屋樹脂工業
名古屋樹脂工業株式会社は、樹脂の熱成型を主に行うメーカーだ。
真空成型や圧空成型(製法の違いはホームページにて! ちなみに、あの有名な二足歩行ロボットのボディパーツも……)という工法で製品の製造を行っている。
わかりやすい製品といえば、某コンビニチェーンの屋外看板や、新幹線の座席のテーブル(アッパーとロアーで合わせて仕上げられている)等が挙げられる。
今回の展示では、新しく導入した「ツインシート成形機」の機能や、製品特徴を紹介していた。
簡単に説明すると、従来のものは一枚の樹脂の板を型にはめ成形を行っていた。ツインシート形成では、2枚の樹脂板を同時に成形し中空状(もなか状)の製品を仕上げるというもの。
それまでの中空製品は、成形されたそれぞれの樹脂板を、後で張り合わせるといった後加工が必要となっていた。つまり、ツインシート成形機ではその後加工を一切必要とせずに、一気に中空状のカタチに仕上げられるのだ。
同業メーカーでもツインシート成形での製品造りは行われているが、名古屋樹脂工業のストロングポイントは「最大1500mm×3000mmサイズ」の大判の製品にも対応できることだという。
また、中空成形製品のメリットは、一枚物の製品と比べ剛性や強度が高い点が挙げられるそうだ。
なかなか普段の生活で、依頼を出すことがない分野かもしれないが、「ビッグサイズの樹脂製中空成形」の御入用が発生したら、問答無用に名古屋樹脂工業さんに疾走るっきゃない!
五合
株式会社 五合は、自社オリジナルコーティング「ゼロ・クリア塗装」の技術の高さをアピール。ブース内には、その塗装が施されたキャンプ用食器ブランド「アースギア」のアイテムも展示されていた。
ゼロ・クリア塗装は、しつこい油汚れ、たとえば油性マジックで落書きをした後でも、水を吹きかけることによって、擦らずとも汚れを浮き上がらせ除去することが可能だという、魔法のようなコーティング技術だ。
実際にそのデモンストレーションを見ることができた。
塗装面の汚れ(油性マジック)に対し水を吹き付けると、あっという間に汚れが剥がされていく。擦るどころか、勝手に浮き上がっている様子は理解し難い現象だった。
ゼロ・クリア塗装の施工事例といて、洗浄に多くの有機溶剤を必要とする、工場ラインの塗装ブースの機械や、飲食店のシンク回り、なかなか清掃の出来ない建物の外壁やガラス、地下鉄構内の壁面等々多岐にわたる。
清掃に費やす多くの労力と、環境負荷の高い溶剤の使用を考えると、いかに画期的な塗装かということがわかるだろう。
その塗装技術を活かしたキャンプ用食器ブランド「アースギア」の製品は、一般向けに販売されている。野外での食器洗浄が、格段に楽になるだろう。登山家にも愛好者が多いようで、さらに災害時にも役に立つ。シリーズを通して、シンプルであり機能性の高いデザインを採用しているのも見逃せない。