ランキングトップのA.バウティスタがRace1で貫禄の優勝
伝統のTTサーキット・アッセンで行われた第3戦。土曜日に行われたRace1では、今季も好調のバウティスタが強さを見せつけた。予選でポールポジションを獲得したバウティスタだったが、予選でアタック中にレコードライン上で減速をしたことで3グリッド降格のペナルティが科されていた。
このペナルティにより、予選2番手だったレイがポールポジション、予選3番手のラズガットリオグルが2番グリッド、予選4番手のアレックス・ロウズ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)が3番グリッドに繰り上がり、バウティスタは4番グリッドからのスタートとなった。
スタートで3番手に上がったバウティスタだったが、オープニングラップの最終コーナーでロウズにパスされ4位に後退。しかしすぐに抜きかえし2位に上がったバウティスタはトップのレイとラズガットリオグルの2台の背後に接近。
5周目の最終コーナーでラズガットリオグルをパスしたバウティスタが2位に浮上。トップのレイに照準を合わせる。そしてバウティスタは9周目のターン6でレイをもパスし早くもトップに立った。
ペナルティを受けたバウティスタだったが、最終的には2位レイに3秒もの差をつけトップチェッカーを受けた。2位にはレイ、3位にはラズガットリオグルが入り、各メーカーのエースライダーが表彰台を分け合った。
4位争いを繰り広げていたロウズ、スコット・レディング(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)、アンドレア・ロカテッリ(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)のバトルは、後方から追い上げてきたアクセル・バッサーニ(MOTOCORSA RACING)を加えたバトルに発展。
11周目のターン1でレディングがミスし、そこからペースが上がらず順位を落としていく。集団を抜け出したバッサーニとロカテッリの一騎打ちとなり、残り2周で2台は接近。そして最終ラップのターン5でロカテッリがバッサーニを抜き、4位でチェッカーを受けた。
2023 スーパーバイク世界選手権第3戦アッセン レース1結果
日曜日もバウティスタ×ドゥカティが他を圧倒し3レースとも完全制覇
Race2の前に行われたスーパーポールレースでもバウティスタの速さは衰えを知らなかった。わずか8周で行われるスーパーポールレースは2番グリッドスタートのレイが好スタートを決めトップに浮上する。しかしオープニングラップの最終コーナーでバイティスタがトップの座を取り戻すと2台は超スプリントレースで接戦を繰り広げていく。
トップバウティスタと2番手レイはテールトゥノーズの状態で周回を重ねるが、残り2周でバウティスタがスパートし、一気にレイとの差を引き離していく。結果トップの座を譲ることがなかったバウティスタが連勝、2位はレイ、3位にラズガットリオグルが入り、4位にはバッサーニとのバトルを制したロカテッリが入っている。
そして迎えたRace2は曇り空の中、気温18度、路面温度29度というコンディションで行われた。バウティスタがトップで1コーナーをクリアすると、3番グリッドのラズガットリオグルが2番グリッドのレイを1コーナーでパスし2位に浮上。
レース序盤、トップ3台は順位を入れ替えながら周回していくが、6周目のターン9でレイがスリップダウンし転倒、まさかのリタイアとなってしまった。
これで優勝争いはバウティスタとラズガットリオグルの2人に絞られる。後方では3位バッサーニと4位ロカテッリによる表彰台をかけたバトルが勃発。8周目にロカテッリがバッサーニを攻略し3位に浮上した。
一方トップ争いはバウティスタが8周目にファステストラップを叩き出し一気にラズガットリオグルを引き離していく。これまでの2レースと同じパターンでバウティスタが3連勝を達成し、ランキングでも2位以下にポイント差をつける結果となった。また、この優勝により、ドゥカティがSBKで通算400勝を達成。バウティスタも通算40勝目ということもあり、記録ずくめのレースとなった。
2位にはラズガットリオグルが入りランキング2位を堅守。そしてラズガットリオグルのチームメイトであるロカテッリが連続の3位表彰台を獲得し、ランキングでも3位に浮上している。4位バッサーニ、5位ドミニク・エガーター(GYTR GRT YAMAHA WORLDSBK TEAM)、6位レミー・ガードナー(GYTR GRT YAMAHA WORLDSBK TEAM)と、ヤマハ勢が安定して上位フィニッシュを果たしている。
2023 スーパーバイク世界選手権第3戦アッセン スーパーポールレース結果
2023 スーパーバイク世界選手権第3戦アッセン レース2結果
レポート:河村大志