まとめ:齋藤ハルコ/写真:井上 演
※この記事は月刊『オートバイ』2023年6月号に掲載したものを再編集して公開おります。
※亀有香取神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
川隅美慎×佐々木優太 開運ツーリングトーク
バイクに乗った状態で刀を持った殺陣をいつか実現したいです(川隅美慎)
美慎さんの話を聞いてるとめっちゃ舞台が見たくなります(佐々木優太)
舞台にバイクを出すのって、じつはなかなか難しいんです
川隅美慎(以下川隅) お世辞とかじゃなく、今日は本当にめちゃくちゃ楽しかったです! 全部運命に導かれたかのように説明してくれるので、すごい…って圧倒されました(笑)。
佐々木優太(以下佐々木) それが神社ソムリエの仕事ですから(笑)。
川隅 参拝の仕方を、そうする理由と一緒に教えていただいて、すごく良い経験になりました。あと、舞台は上演前にキャストみんなでお祓いを受けるんですけど、その時に主役が代表して玉串(神事に使う榊の枝)を受けるんです。その作法もみんな見様見真似でやってると思うので(笑)、自分が主役をやる時には、今日佐々木さんに教わった正式な作法でビシッと玉串を受けて、「おおっ」と思わせたいですね。
佐々木 きっと周りの皆さんはもちろん、神主さんも「うわっ、この人デキる!」となるはずです(笑)。美慎さんは毎年たくさんの作品に出演されてるのに、今回「この先もちゃんと仕事を続けていけるのか?」的な願いだったので、僕は謙虚やな~と思ってて。
川隅 おかげさまでいろんな作品に出させてもらえるようになってきましたけど、不安はやっぱりありますよ。結婚もしましたし、ちゃんと仕事が続けられなくちゃ怖いじゃないですか。
佐々木 そうだ、ご結婚おめでとうございます!(※この取材の2日前に美慎さんは結婚を発表されました)奥さんとタンデムとかされるんですか?
川隅 いや、二輪免許自体は取ってから結構長いんですけど、僕の技術的にちょっとまだできないです(笑)。
佐々木 そもそもですけど、なんで初めての愛車がSR400だったんですか?
川隅 理由はいろいろありますけど、父親が昔乗ってたのは大きいですね。父親は最初はめっちゃカスタムして乗ってて、その後に純正SRをまた改めて買って、純正のままずっと乗ってたんです。
佐々木 美慎さんのSR、カスタムは?
川隅 いつかはやりたいけど、どこから始めたらいいのかわからなくて。
佐々木 特にSRはアフターパーツが豊富だし、どんなスタイルにでもできるから、まずどこから始めるか悩みますよね。ちなみに、タイミングが合えばツーリング行こうとか言い合えるような、バイク好きの俳優仲間はいるんですか?
川隅 いますいます。でもタイミングが合わない(笑)。同じ作品に出てれば結構タイミング合うんですけど、別作品だと休みの日が全然違いすぎて合わないから、うまくいかないですね。
佐々木 あと、もう一つの願いが「いつかバイクに乗って戦うシーンをやりたい」でしたが、映像のお仕事も、もっと増やしていきたいってことですか?
川隅 いや、映像もありがたいけど、いちばんやりたいのは舞台ですね。
佐々木 でもステージ上にバイクに乗って登場できる人なんて、それこそ矢沢永吉さんか、長渕剛さんかってくらい限定的じゃないですか(笑)。
川隅 そうですね。僕が舞台『東京リベンジャーズ』に出させていただいた時も、マイキーのバイクをどう出そうか、演出家さん達が悩んでました。
佐々木 たしか舞台上は、エンジンをかけること自体が消防法的に厳しいんですよね。美慎さんが舞台が一番好きなのは、どうしてなんですか?
川隅 やっぱり〝生〟ってことですかね。言い方は悪いけど、毎日同じことやるから、やっぱめっちゃ飽きるんですよ(笑)。でも、最後は絶対「あ~やって良かった!」って思える。そういう中毒性が舞台にはあります。
佐々木 殺陣が得意なのは、もともと身体能力が高かったからですか?
川隅 僕、身体能力は全然普通です。
佐々木 え、じゃあ、自分の殺陣の才能に気づいたのはどういう流れで?
川隅 自分で言うのもなんですけど、めちゃくちゃ努力しました。僕、小学生からダンスやってて、高校生ぐらいの時は「俺はダンスが上手い」と思って調子乗ってたんですよ。でもこの世界に入ったら、上には上がめちゃくちゃいて「ここでは天下取れない」と悟ったんです。その頃、殺陣を始めて「このジャンルならライバルが少ない」と思ったのは大きいですね。当時、エンタメ寄りの殺陣に特化した人って、それこそ早乙女太一さんぐらいだったんです。そこからすごい勉強しました。
佐々木 殺陣は複雑な段取りが何百とありますよね。絶対失敗できないし、まして舞台はたとえ相手が失敗しても途中で止められないじゃないですか。
川隅 実際に当たるのは全然あるし、マジで切られてちょっと出血ということもあります。アクシデントといえば僕、初めて出たミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで、初日に刀が折れたんです。
佐々木 えっ! どうするんですか!
川隅 殺陣中にポキって折れて、しかもその後みんなが僕に斬りかかってくる場面だったんです。だから一旦動きを止めて、それから折れた刀身を拾って「ゔぁぁぁぁ!!」って叫びながら斬りかかっていきました。初日だったんで、お客さんも「え、これは演出? アクシデント? どっち?」って。
佐々木 あ~、何度も通って観る熱心なお客さんでも、初日だとそれがどっちか判断できませんもんね。それが舞台は毎日違うってことなんですね。
川隅 そうですね。やってることは一緒なんですけど、初日と千秋楽では全然違うものになってます。
佐々木 うわぁ、めちゃくちゃ美慎さんの舞台が見たくなってきました。
川隅 ぜひぜひ! まだ情報が解禁されてないものが多いけど、この先もいろんな作品が決まってるので、ぜひ観に来てください!
佐々木 行きます! そしていつか、舞台上でバイクでの殺陣シーンが実現することを楽しみにしてますね!
今回の食事処
Touring Point
東京都足立区保木間4-50-13
各地からバイク好きが集うライダーズカフェ。気さくなオーナー&スタッフさんが暖かく出迎えてくれます。いつもRIDE集会でお世話になってる皆さんの行きつけのお店でもあり、偶然の再会にビックリ! 「ここは全部が美味いよ!」との太鼓判通り、僕たちが食べた全てのメニューが美味しかったです!
まとめ:齋藤ハルコ/写真:井上 演
※この記事は月刊『オートバイ』2023年6月号に掲載したものを再編集して公開おります。
※亀有香取神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。