排ガス規制対応の影響は街中では体感できず。だけど150ccのバイクにとって、ある意味いちばん過酷な高速道路では、さすがに違いが感じられるんじゃないか?

最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

もともと低~中速重視のロングストローク設計なエンジンだけあって、排ガス規制による弊害は街中ではほとんど感じられませんでした。

まぁ、最高出力なんていうのは『そのバイクの最高速領域』とか『峠でレッドゾーン直前までブン回す』みたいなシチュエーションでこそ違いが出るものですから。ある程度の排気量のバイクになると公道走行ではあまり意味を成しません。

しかし……ジクサー150の場合は『大いに関係アリ』なんです。

画像1: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

2023モデルのジクサー150は最高出力13馬力。従来型に比べて1馬力のパワーダウンとなっています。

ちなみに従来型の場合でも、低~中速重視のエンジン特性をベースにスズキは割り切った考えかたをしていて、平地でメーター読みだと115km/h前後が最高速付近という印象。下り坂とかトンネル内だともうすこし伸びることもありますが、実質はそのあたりです。

画像2: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

ただ、この数字で勘違いしてはいけないのが『スズキはジクサー150で最高速を伸ばそうと1ミリも考えていない』ということ。

この時速115kmは『レッドゾーン直前で115km/hになるように狙って設定している』のであって、115km/hという範囲に的を絞った上で“パワーをどうやって発揮させるか”にスズキは注力しています。

このあたりの発想は、実は3代目の新型『隼』と同じ。

画像3: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

隼の場合はリミッターが作動する時速299kmという範囲に的を絞って『その中でどうパワーを出していくか?』が重視されています。それゆえ2代目より最高出力は劣るにも関わらず、2代目以上のスポーツ性を手に入れているんです。

それを置き換えると、ジクサー150は『メーター読み時速115kmの範囲内でエンジンパワーを使い切る設計』ということになります。なので最高速そのものを論ずるのは、このバイクにとって意味がありません。だって、そうやって作ってないんだもん。

画像4: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

ただし、高速道路でもほぼ最高速レベルの走りになってしまうというのは事実です。

150ccのロングストローク設計の空冷単気筒エンジンなんだから当然といえば当然ですが、今回はその『過渡特性』的な部分に対して、体内のスズキセンサー感度を上げていきます。

画像5: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

で、感想ですが。たぶんだけど、違いはある。

高回転域での伸びが従来型より若干マイルドになった……ような気がする。だけど新東名高速の平地部分で、メーター読みだときっちり115km/hまで届きます。

ひょっとしたらゼロ発進から時速115kmまでの到達時間を計測したら差が出ているのかもしれません。だけど体感的にわかるレベルじゃないし、この違いを感じられるとしたらスズキ車ばっかり乗ってる私(北岡)を除けば、従来型ジクサー150オーナーくらいじゃないかな。

画像6: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

微々たる差、と言ってしまって良いかと思います。

少なくともこのバイクを『下道ツーリングの達人』として考え、高速道路は混雑する都市部を脱出するための手段として捉えている人にとっては、違いなんて無いも同然でしょう。

実際、高速道路をトップギア5速/7000~8000回転付近でマイペースにクルージングするぶんには従来型も2023モデルも同じです。のんびり平和で快適そのもの!

画像7: 最高出力1馬力ダウンが影響するとしたら高速道路しかない

仮にこのバイクがトップエンドのパワーで勝負するタイプだったら、なんらかガッカリしたかもしれませんが、少なくとも『スズキ流』のコンセプトが徹底されているジクサー150にとって1馬力ダウンは『実質、影響なし』と判断しました。

そうなると後は燃費性能だが……

(下に続きます)

きちんと『一般的なシチュエーションでの燃費』を計るために、この後はワインディングへ。

いや、ジクサー150でワインディングを走るのが楽しいから、わざわざ高速道路に乗ってまで峠へ行く訳じゃないんだからね?

あくまで燃費計測のため。個人的にこのバイクでワインディングを走って『バイクの練習をしたい』だなんて、ぜんぜん思ってないんだからねっ!?

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