DFG ナビゲーターショートブーツ
というわけで今回の主役はコレ。オフロードブランドのアイテムだけあって、ツーリングだけじゃなく林道とかの未舗装路での軽い走行にも対応してくれそうな、シーンを選ばないプロテクション高めなブーツ。
ちなみに自分が使ってるのは牛革仕様。
ちなみにお手入れ簡単で財布にも優しい合皮仕様もあるよ。
プロテクション性能はもちろん相当なものだし、足首も良く動くしツーリングとかでも使いやすい万能選手。
で、公式サイトには簡易防水って書いてあるのよね。こういう感じで防水メンブレンを挟み込んだ3レイヤー構造。
ナビゲーターショートブーツの簡易防水は、結構凄かった
簡易防水というくらいだから、正直そこまで期待してなかったんだけど、実際使ったらこれがめっちゃ高性能だった。
こないだSSTR2023に行ったんだけど、帰路で思い切り雨に降られたのよね。
結構な大雨の中、200km以上走行したわけ。帰宅するころには、カッパも微妙に浸水するレベル。
なのに、帰宅したら全然靴下が濡れてなくてめっちゃびびった。防水性能半端ないじゃん。
しかも、防水性高いと足が蒸れるのはある程度仕方ないんだけど、靴下はまるでドライで蒸れない。透湿性もかなりある感じ。
その後、SSTRの汚れを落とす間もなく、雨上がりの未舗装路を走っちゃったのよね。
どれくらいの状況かというと、こんな感じ。
革部分に泥水がしみ込んでるし、結構悲惨な感じ。
バイクの汚れっぷりも参考までに。洗車行かなきゃ。
ちなみに、結構な勢いで水や泥に入ったけど、今回もきっちり防水で守られてて、靴下はドライなままだった。凄い。
この浸水防止の部分も凄く効いてる感じ。
簡易防水というにはあまりに防水能力が高すぎるし、足元が快適すぎるから透湿性も凄そうだなと思ってメーカーであるところのダートフリークに確認してみた。
それによると、防水性の目安である耐水圧は8000mm。透湿性は8500mmg/mm2。
バイク用のレインウェア、つまりカッパの場合、だいたい防水性10000~20000mmくらいで、透湿性は8000~10000gくらい。それだけみると耐水圧8000はちょっと劣るように見えるかもしれないけど、デイトナの完全防水靴下は耐水圧8000mmだけど、半端なく防水だったのよ。
思うに、レインウェアは薄手の生地で雨を受け止めるけど、ナビゲーターショートブーツの場合はレザーと組み合わせることで、受ける水圧が下がる=防水能力が高くなってるのかもしれない。
耐水圧と透湿性については過去記事を参考にしてね。
お手入れの前にレザーについて
さて、実際にレザークリーナーを使う前に、レザーについての蘊蓄を。深い世界なので、最低限ね。
普通のレザーと起毛(スエード・ヌバック)の違い
革にはいろんな種類の仕上げがあるのよ。で、レザーブーツを洗う時に影響ありそうなのは、起毛した革とかどうか。
革の仕上げとして代表的なのはこんな感じ。
ヌメ革/鞣(なめ)しをしただけの状態。仕上げ加工を行っていないもの。
オイルレザー/オイルを含ませた仕上げ加工。
ヌバック/革の表側(銀面)を起毛※させたもの。
スウェード/革の裏面(床面)を起毛※させたもの。
ベロア/スウェードの中でも毛足の長いもの。
※起毛というのは、サンドペーパーなどのやすりで表面を荒らすことね。
ヌメ革はレザーウォレットとかで使われてたりするやつね。レザーブーツの場合は、オイルレザーが主体で、そのほかには起毛系のヌバック・スウェードあたりがありそう。
さて、ナビゲーターショートブーツはどうかというと、触ってみるとほのかに起毛しているような感触。
ただ見た目はそこまで起毛されていないようにも見える。
どうにも気になるので拡大撮影してみたのが、これ。
左にあるのは縫い目の部分。表面をみた感じだと革の裏側(床面)で軽く起毛されてるって判断して良いんじゃないかな。
ちなみに、ナビゲーターショートブーツに使用されているのはカウハイド。生後2年以上たった雌牛で、革の厚みや耐久性に優れているうえ、使い込むことで柔らかくなじむ、いわばバイク用レザーの定番。
起毛にも対応しているレザーウオッシュ シューズ用がオススメ
レザーブーツの清掃用品
さて、レザーブーツを洗うには専用クリーナーが必須。適当な洗剤とかでやると、革が傷んじゃうからね。ホームセンターとかでも靴用レザークリーナーってのは販売されてるんだけど、大抵の商品は起毛に対応してないのよ。
そこでこれ、デイトナのレザ-ウオッシュ シューズ用。こいつはなにが優れてるかって、普通の革だけじゃなく起毛革にも対応してるのよ。
なのでナビゲーターブーツみたいな、「やや起毛されてる革」とかでも悩まずに使える。起毛専用とかで使い分けなくてよいのは、めっちゃ楽なのよね。
弱酸性なので、革にやさしい。
アルカリはタンパク質を溶かしちゃうからね。色落ちや縮を抑えた専用合成洗剤で洗浄しつつ、皮革保護材などの働きでレザーに栄養補給。革を保護しつつ洗浄と除菌をしてくれるというもの。
あと、カビの除去もできるよ。革って油断するとすぐカビるから、ありがたい。
というわけで洗浄液というよりは、シャンプー&トリートメントみたいな感じ。
起毛革にも対応してるし、とりあえずこれ使っとけばOKよ。
よりお手入れ簡単なレザーウオッシュスプレーも
こちらのレザーウオッシュ スプレーも起毛に対応してる。上記のシューズ用よりもお手入れ簡単。ただ今回は汚れが凄いので、シューズ用を使うよ。スプレーは日々の気軽なお手入れ用に良さそう。
仕上げ用
綺麗に掃除出来たらレザークリームで撥水性能を高めるよ。ただ、クリーナーとちがってこちらは起毛革には対応してないので注意。
起毛の場合は革の風合いが変わるのよね。なんせ起毛つうてもやすりかけてるだけだから、クリームで毛足がまとまっちゃったりするってわけ。自分は使うけど、あくまで自己責任で。
さてレザーブーツをクリーニングするよ
必要なものはこんな感じ。絶対必要なのは柔らかめのブラシと拭き上げ用のウェス。あと、洗浄液を作るための容器。ブラシはセリアで売ってた靴用のやつ。
まずは水200mlにキャップ5杯分のレザーウオッシュを混ぜて洗浄液を作るよ。
洗浄液をブラシにつけて、優しく洗うよ。なんせ泥水被ってるから隅っこまで丁寧に。
一通り綺麗にしたら、水で軽くすすぐのだ。
そしたら乾いた布で拭き上げ。
めっちゃ綺麗になった。愉快。あとは、風通しの良いところで陰干しするだけ。くれぐれも直射日光で乾かさないようにね。
ウオッシングの模様はコチラ。
綺麗になったらレザークリームを塗るよ
充分に陰干ししたら完成なんだけど、自分の場合は革の風合いを出していきたいのでクリームを塗っていくよ。ただ、ナビゲーターショートブーツの場合、そこまで派手な起毛ではないとはいえ、一応起毛革だと思われるので人にはお勧めしないよ。
オイルレザーの場合はガシガシ塗ろう。汚れも付きにくく、かつ落としやすくなるはず。
使い方は、布に付けて塗り広げるだけ。レザークリームとしてはかなり柔らかめな印象。昔はKIWIのクリームを愛用してたんだけど、あれは塗り広げるのが大変で指に直接つけたりしてた。
それに比べて、こいつは簡単に広がるし、めっちゃ扱いやすい。
革は天然素材だから均質じゃないのよね。なので、塗りこんでいくと陰影が強調されて、よりレザー感が出てカッコ良くなるのよ。
木工で、木目を出すためにオイル塗る感じ。
完成。上がクリームなしで、下がクリームを塗った状態。色味が濃く出てくるのよね。
完成
というわけでクリーニング&注油完了。めっちゃ綺麗になってスッキリ。
泥水がしみ込んで、イヤな感じのムラになってた部分も綺麗に馴染んでる。
クリーニングする前は、これね。汚れもエイジング的な感じなら良いんだけど、泥で臭くなったりとか、シャレにならないからね。
起毛革以外の人は磨きたいよね
ナビゲーターショートブーツや軽い起毛なので、マット気味なエイジングで育てていこうと思う。
ただ、オイルレザーの人はせっかくクリーニングしたら磨きたいじゃん。
ちょうどデイトナのライドアバイクチャンネルで磨き動画がアップされてたので、美しく仕上げたい人はこちらを参考にしてね。
まとめ
レザーを洗うというと敷居が高いかもだけど、雨水とかに濡れた時はぜひクリーニングを。雨水って汚いからね。お気に入りのレザーブーツをより良い状態で長持ちさせよう。
レポート:若林浩志
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