スーパーカブといえばやっぱり箱。収穫コンテナやホムセン箱を装着してきたけど、いよいよ最強のバイク専用ボックスであるところのGIVIのトップボックスを付けちゃおうかと。ただ、スーパーカブ110やクロスカブ、ハンターカブには専用のフィッティングがラインナップされてるけど、古いカブにはない。なので、取り付けに工夫してみたよ。

スーパーカブ90に実際に装着

装着といっても超簡単。仮締めしつつ取付位置を決定。案配が良ければ本締めするだけ。

製品の説明書を見ると、取り付けの注意点は以下の4点。

①ベース接地面に対して、キャリアの接地面が2/3(66%)以上確保されていること

②4ヶ所で固定できること

③六角穴付きボルト→ワッシャ→スクエアワッシャ→ベース→波型プレート→ワッシャ→ナイロンワッシャの順番で取り付けること

④本締めのトルクは10Nm

あると便利なM6ナット×4

ただ、位置決めが非常に重要なので、あらかじめM6のナットを4つ用意しておくのがオススメ
位置決めに使うだけなので、適当なナットでOK。

画像: あると便利なM6ナット×4

最終的には③の通りにワッシャやナイロンナットを使って本締めするんだけど、ナイロンワッシャは指で締められないから位置決めがちょいと面倒なのよ。
そこで仮締め用のナットね。

普通のナットで位置決めから仮締めまでやって、その後に一本ずつワッシャを入れつつナイロンナットに置き換えていくとはかどるよ。

あくまで位置決め用なので最終的に付属のナイロンナットに置き換えるのを忘れないよう、ご注意を。

取付位置を決めよう

さて取り付け位置。とりあえず、より締結力の高いポイントを探して、そこから微調整していこう。

あてがってみたところ、前側は問題ないんだけど、後側が悩ましい。
カブのキャリアって後側ステーがでっかくて、上手く掛かるポイントが少ないのよ。試行錯誤の結果、こうなった。

画像1: 取付位置を決めよう

後側の掛かり方がちょっと納得いかないけど、ベースを力いっぱい動かそうとしても大丈夫だったし、4カ所で支えられてる感じなので良しとしよう。

画像2: 取付位置を決めよう

実際に車体に装着したらこう。ド真ん中なので、安定感バッチリ。

画像3: 取付位置を決めよう

実際にE43NTL-ADVを装着するとこんな感じ

とりあえず装着してみた。

画像1: 実際にE43NTL-ADVを装着するとこんな感じ

見た目は良いけど、シートへの距離がやや狭いかも。

ちなみにキャリアを車体につけたままだと、クリアランスが相当少ないので装着がやや大変。

画像2: 実際にE43NTL-ADVを装着するとこんな感じ

キャリアを外すことに抵抗なければ、外したキャリアにベースを装着して戻すという選択肢もアリ。

ホンダ純正ラゲージボックス取付アタッチメントを参考に
取付ステーを自作してみる

とりあえず付属品だけで問題なく装着出来た。とはいえ、カブのキャリアの形状にクセがあって、あまり装着の自由度がないのよね。

自分的にはもう少し後側に装着したいので、色々考えてみた。
最終的に、ちょいと取付ステーを自作してみようかと。とはいっても、ややこしいものじゃないよ。

注意

これ以降で解説する「自作ステーでの取り付け」は、メーカーによる指定の取付方法とは異なります。もし同様の手法を使われる場合、トラブルや不具合については、くれぐれも自己責任でお願いします。

ホンダ ラゲージボックス取付アタッチメントを参考にステーを考えてみる

参考にしたのた、ホンダ純正のボックス取付アタッチメント。
カブのキャリアは横方向への取付金具に対して相性が悪いんだけど、これは縦方向に長い板で固定する方式。

そこで思いついた。似たような感じでモノロックベースの取付ピッチに合わせた板を作れば、保持力も稼げるし、自由度も高いんじゃないかと。

キャリアを裏面から見た時にこうなるイメージね。

画像1: ホンダ ラゲージボックス取付アタッチメントを参考にステーを考えてみる

実際に作る前に、家にころがってたベニヤを切り出して試作。

画像2: ホンダ ラゲージボックス取付アタッチメントを参考にステーを考えてみる

キャリアとベースに、試作板を組み合わせて穴の位置を決めるよ。

画像3: ホンダ ラゲージボックス取付アタッチメントを参考にステーを考えてみる

そうして最終イメージが完成。

画像4: ホンダ ラゲージボックス取付アタッチメントを参考にステーを考えてみる

ホンダ純正の取付ステーが厚み約3mm、幅約19mmだったので、それよりちょっとだけ大きくして厚さ3mm、幅22mmのスチールフラットバーにした。
ただ、ホンダ純正ステーをよくよく見てみると鍛造っぽい。それを踏まえて厚さ4mmくらいにしても良かったかも。

穴部分については、貫通穴じゃなくネジ穴にすることで、取り付けを楽にするって狙いね。
穴が3か所あるのは、取り付け位置を前寄りと後寄りで選択できるようにしようかと。

スーパーカブ90用取付ステーを作っていくよ

充分考えたので実際に作り始めるよ。まずは必要なもの集め。

使用するもの
・フラットバー(厚さ3mm✕幅22mm×長さ400mm)
・金切のこぎり
・電動ドリル
・下穴用5mmドリル刃&M6タップ
・切削油
・鉄工やすり
・革手袋

塗装をする場合
・ディスクグラインダー
・黒皮剥き
・金属用プライマーサーフェイサー

これが主役。フラットバー。
厚さ3mmなので、金ノコでも普通に切断できるはず。全長200mmだから、400mmを購入しておけば一回切るだけでOK。
ちなみに黒皮ってのはサビ防止の酸化被膜、いわゆる黒錆ね。

フラットバーをカット

さて、材料が揃ったら作業開始。

おおよそ半分になるように切断位置をマーキング。大体で良いんだけどね。どうせそんな正確に切断できないし。

画像1: フラットバーをカット

切る前に準備。
万力とかでフラットバーを固定しないと、切断が難しくなるそうな。ぶるんぶるん揺れると切るのが大変になるらしいのよ。

画像2: フラットバーをカット

ネットで調べたら、部材に対して角度をきつくした方が切りやすいらしい。

画像3: フラットバーをカット

5~10分くらいで切断完了。

画像4: フラットバーをカット

ネジ穴を掘ろうう

なんも目印がないと、ドリルが滑って位置が決まらないのでポンチでマーク。ただ、ポンチマークでも滑っちゃうときは、細いドリルで下穴開けると良いらしい。

画像1: ネジ穴を掘ろうう

穴の位置はそこまでシビアにならなくても大丈夫。なぜならGIVIのスクエアワッシャは長穴になってるので、結構融通が効くのよ。

画像2: ネジ穴を掘ろうう

さて穴あけ。
タップドリルというのを買ってみた。穴あけとネジ切りとバリ取りが一回でできるらしい。
便利すぎて夢のようだ。

画像3: ネジ穴を掘ろうう

そうそう、ドリルを使う時は、切削油はマストだよ。定期的に注油してね。

予定では一発で穴が開いてネジも切れるはずだったんだけど、ネジを切るあたりでガッって止まった。手持ちのドリルのパワーでは掘り切れない模様。

仕方ないのでタップの要領で、頑張ってドリルを手で回した。しんどい。
ボール盤やもっと強力なドリルがあれば良いんだろうけど、自分みたいな弱いドリルだと普通にドリルとタップは別にした方が良いね。

画像4: ネジ穴を掘ろうう

バリを取って出来上がり

最後に、金ヤスリで全体のバリを取って完成。バリが残ってるとケガするからね。

画像: バリを取って出来上がり

塗装をする場合

これで完成でも良いんだけど、削った場所から錆びてくるとイヤなので、塗装をするよ。

酸化被膜を剥がすのはちょっとめんどい

そこで問題になるのが黒皮。ミルスケールとも呼ばれる酸化被膜ね。
これ、サビ防止になって良いんだけど、塗装には向いてないらしい。

というわけで、酸化被膜を全部剥がしてから塗装するよ。

酸化被膜の除去方法は、「物理的に削り取る」もしくは「強い酸とかの薬液につける」のどっちか。薬液は後処理が大変なので、物理で頑張ることにする。

ヤスリで頑張ればいつかは除去できるけど、ディスクグラインダーがあればペーパーつけて削れば簡単。

画像: ヂスクグラインダー。バイクカスタム界隈ではサンダーと呼ばれることが多いよね。なんでだろ

ヂスクグラインダー。バイクカスタム界隈ではサンダーと呼ばれることが多いよね。なんでだろ

ちなみに酸化被膜部分はさくさく削れるけど、鉄部分にあたると火花が出るので気を付けてね。

画像: 酸化被膜を剥がすのはちょっとめんどい

塗装は金属用プラサフで

無事に除去できたら塗装。メタルプライマーを塗ると良いんだけど、プライマーサーフェイサー、いわゆるプラサフにすれば色も塗れて一石二鳥。どうせ黒にするつもりだし。

画像1: 塗装は金属用プラサフで

手元にあった模型用のプラサフが「金属用プライマー含有」って書いてあったのでこいつを使おう。
なお、結果としてはがれやすかった。模型用じゃなく普通に金属用にすべきだった。

吹いてみたらやたらと表面が汚い。でもプラサフとかサフって、乾くとなんとかなりがちなので、僕はプラサフを信じる。

画像2: 塗装は金属用プラサフで

ほっといたら綺麗になった。信じて良かった。

画像3: 塗装は金属用プラサフで

自作ステーでGIVIベースを装着してみる

まずはキャリア中央に設置

縦方向に装着するので、後側から差し込むように入れるよ。

画像1: まずはキャリア中央に設置

で、位置を合わせて仮止め。

画像2: まずはキャリア中央に設置

裏側はこんな感じ。

画像3: まずはキャリア中央に設置

箱を付けるとこんな見た目。キャリアの中心あたりに装着できるようにしたよ。

画像4: まずはキャリア中央に設置

この位置だったら、付属アイテムだけで装着したのとほぼ同じわけで。
せっかく作ったからにはこれだけじゃ終わらないよ。

やや後ろ目に装着

取付位置を変更できるよう、穴を3つにしたので活用していくのだ。
使うネジ穴を変えて、やや後ろ目に装着。

画像1: やや後ろ目に装着

箱を付けるとこんな感じ。これでもかなり乗車姿勢は楽になったし、特に問題は無し。

画像2: やや後ろ目に装着

付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

やや後ろ目になって乗りやすくなったけど、できればもうちょい後にしたくなってきた。
なんでかっていうと、モノロックは積載量が3kg。なので、テントとかの重量物はトップケースに入れず、キャリアに直接装着したいのよね。

とはいえ、自作ステーでこれ以上後ろに設置しようと思うと、キャリアの構造上、固定力に不安がでてくる。

取り付け状態を真横から見ると、これまではこういう感じで装着されてた。弧の内側2ヶ所で締結してるから、前後にも動きにくいはず。

画像1: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

ただ、これ以上後ろに下げると、こういう感じで、前に向かって傾きが出来ちゃうのよね。
この留め方だと前側に滑っていっちゃう気がする。

画像2: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

そこで、付属の波型プレート。こういう風に自作ステーと併用すれば、しっかり保持されるはず。

画像3: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

横から見るとこんな感じ。

画像4: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

波形ワッシャーは、パイプ部分への保持力が高いので、お互いに真価を発揮できるはず。というわけで装着。

画像5: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

前側は自作ステー。左右への移動については問題なく抑えられてる。
キャリアの形状のせいで自由度の低い部分なんだけど、弓状に力がかかってるので、前後への移動に対しても支えられてるはず。

画像6: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

後側は波型プレートの本領発揮。がっちり掛かってる。

画像7: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

トップケースを付けると、こう。めっちゃ乗りやすくなった。

画像8: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

荷物を載せる前方スペースも確保。こんな感じで、重量物は前方の隙間に載せるという計画ね。

画像9: 付属波型プレートと自作ステーを併用して、さらに後方に

最後に本締めをお忘れなく

さて、位置が決まったら本締め。まず上側にワッシャを入れるよ。

画像1: 最後に本締めをお忘れなく

ステーにネジを切ってあるので、とりあえずは固定されてるけど、万が一に備えてトップケース付属のナイロンワッシャも重ねて取り付けるよ。冗長性というやつですね。安心感アップ。

画像2: 最後に本締めをお忘れなく

まとめ

というわけでGIVIトップケースE43を納得できる装着にできたので、めっちゃ満足。収穫コンテナとかも気に入ってたけど、さすがバイクせんように開発されてるだけあって、使い勝手が凄い。あと、脱着簡単なのもめちゃくちゃ便利ね。

モノロックシリーズは値段も結構お手ごろだし、最高にオススメよ。

レポート:若林浩志

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