文:太田安治/写真:盛長幸夫/モデル:平嶋夏海
ヨシムラ「ステンガードセット」テスト&レポート
ステンレス製エキパイの焼け色除去に「変色抑止コーティング」をプラス
現在のオートバイはステンレス素材のマフラー(エキゾーストパイプおよびサイレンサー)を装着している車種が多い。スチール(鉄)素材に比べると錆の発生がごく少なく、塗装やメッキといった表面仕上げの手間とコストも抑えられるからだが、酸化によって徐々に黄色っぽくなり、高熱にさらされるエキパイ部分は茶色くなってしまうという弱点がある。
この焼け色はコンパウンド(研磨剤)が配合されたケミカルを使えば磨き落とせるが、酸化の程度によってはかなりの体力と時間が必要。僕が試した中ではヨシムラの『ステンマジック』の効果が特出していて、軽く塗り延ばして拭き上げれば、みるみる黄ばみが取れる。ただし酸化を止めることはできないから、どんなに美しく仕上げても、時間が経てば再び徐々に変色していく。
その救世主となるのが、約1000℃に耐える被膜を形成して変色を抑制するコーティング剤の『ステンガード』。ステンマジックで焼け色と汚れを除去してから、ステンガードを塗布して24時間自然乾燥。もう一度塗布と24時間の自然乾燥を繰り返せば施工完了。雨中走行で汚れた場合も高圧洗浄機の使用を避けて水道水で手洗いすれば、約6カ月は効果が持続するという。
エキパイの変色を「味」と感じる人もいるだろうが、鈍い銀色の輝きが好みという人には絶対にお勧めだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
「施工して24時間乾燥」を2回繰り返す必要があり、ステンガードの液剤も開封後一週間以内の使い切りという条件があるので、決してお手軽とはいえない。価格ももう少し安いといいのだが…。
文:太田安治/写真:盛長幸夫/モデル:平嶋夏海