『SV650』の歴史を調べてみた!
先日、スズキの大型ネイキッドスポーツ『SV650』に試乗し、予想をはるかに上回るスポーティーな走りに心を奪われてしまった私(石神)。あれ以来、SV650のことが気になって仕方ない……。
でも『SV650』ってどのくらい歴史があるんだ?
そもそも「SV」シリーズとして派生してきていたような気がするけど……どれくらいのモデルがあったんだろう……。
というわけで今回は『SV650』、ひいては「SV」シリーズの歴史を調査してみました!
1998 スズキ『SV400 /SV400S』
「SV」シリーズを語るには、このバイクも外せません。
1998年に国内で初めて登場した「SV」シリーズ『SV400』と『SV400S』です。
輸出仕様の『SV600』『SV650S』と車体を共有した兄弟車で、400ccクラスのネイキッドモデルにはなかったアルミトラスフレームを採用。
フレームなど全体の外観は現在の『SV650』に共通するものがありますね。
『SV400S』にはハーフカウルを装備。シートがセパレート化されている点などを含めかなりスポーティーな印象を受けます。
V型2気筒のDOHC4バルブエンジンは当時クラス最高峰のトルク4.2kg-mを発揮し、2気筒ながら最高出力53PSを10500rpmという高回転域で叩き出すスポーツ仕様。
また、乾燥重量159kgという軽さを活かした優れた旋回性や取り回しの良さも『SV400』の大きな魅力でした。
幾度かのマイナーチェンジを施されたのち、2006年に生産を終了。後継モデルとして『グラディウス400』が2009年に送り出されました。
1999 スズキ『SV650 /SV650S』
『SV400 / SV400S』登場の翌年、大型バイク市場に投入されたのが現在の排気量に通ずる『SV650』と『SV650S』。
400と部品はほぼ共通ですが、645ccで最高出力70PSを発揮する90°V型2気筒エンジンと、高剛性かつ軽量なアルミフレームの組み合わせは、街乗りからツーリングまで軽快さと安定感を実現していました。
こちらも『SV400』と同様に、小型のカウリングを備えた『SV650S』もラインナップ。
よく見たら写真のハンドルもセパレートタイプになってる?
……なるほど、『SV650X』はこのポジションにあたるのかな。
ちなみにこのSV650/Sは650ccという排気量なこともあり、当時、国内では影が薄かったそうですが、欧州ではあまりの乗りやすさからメガヒットを記録。今日まで続く『SV650』の礎となったバイクと言えます。
2003 スズキ『SV1000S / SV1000』
2003年に登場した『SV1000』と『SV1000S』の厳密なルーツは『TL1000S』にあたるようですが、一応「SV」の名を冠しているのでご紹介。
『SV1000S』は、Vツインスーパースポーツ『TL1000S』のDNAを受け継ぎ、最高出力94PSを発揮する995ccのDOHC4バルブ水冷V型2気筒エンジンを搭載。
クラッチには過度なエンジンブレーキを抑制する新設計のバックトルクリミッターを採用していました。
SV1000Sは高真空アルミダイキャスト製法を用いた軽量・高剛性のトラスフレームを新たに採用。スリムなエンジンと合わせて軽快さと扱いやすさを両立していました。
外観はエッジの効いたシャープなデザインで、防風効果の高いカウルを標準装備。異形2灯式のヘッドランプもスポーティーなイメージを演出していてかなりカッコイイ!
で、この『SV1000S』をベースにカウルを取り払ったモデルが同じく2003年に登場した『SV1000』。
ネイキッド化に伴いハンドルもアップハンドルに変更され、大型バイク初心者から上級者まで、幅広い層のライダーが楽しめるスポーツバイクとなっていました。
2003 スズキ『SV650 / SV650S』(輸出モデル)
『SV1000 / S』と時を同じくして、2003年に登場した輸出専用モデルの『SV650 / S』は、デザインを『SV1000 / S』と同じにすることで、SVシリーズを統一化しました。
カウル等外装だけでなく、フレームも国内仕様から変更されていますね。
SV650 / Sとしては2代目。こちらも欧州では初代に続き高い人気を獲得していました。欧州ではスズキの代名詞とも言えるほどのバイクで、エントリーユーザーを取り込むための重要な位置づけとなっていたようです。
2016 スズキ『SV650』
そして2016年。現在まで続く現行モデル『SV650』が登場。
アルミを採用していたフレームはスチール製に変更されましたが、個性的なトラス構造は変わらず、前モデルよりもスリムな印象でVツインエンジンの美しさを強調するデザインに生まれ変わりました。
現行モデルではマイナーチェンジにより4PSのパワーダウンが施されましたが、登場時のDOHC4バルブV型2気筒エンジンは76PSを発揮しました。
また、発進時や低回転走行時にエンジンの回転数をわずかに上昇させる「ローRPMアシスト」を採用することで、ストップ&ゴーが多い街中での操作性を向上させ、あらゆるシーンで快適にライディングを楽しめる大型バイクに仕上げられていました。
2018 スズキ『SV650X』
最新の「SV」シリーズモデルとなるのが『SV650X』。
2016年登場の『SV650』にヘッドライトカウルやセパレートハンドル、タックロールシートといったカスタム要素を取り入れ、ネオレトロなカフェレーサースタイルに仕立て直されています。
ちなみに、私も調べていて初めて知ったのですが、オプションでヘッドライト下にフォグランプを装着できるようになっているそうです。
なんというか、ハンドル・ビキニカウル・シートの3点だけでここまで印象が変わるとは……。
(下に続きます)
今回「SV」シリーズの歴史を調べてみて、個人的に現在のスマートで美しい『SV650』も魅力的ですが、初期の頃のスポーティーなスタイルのSVもカッコよく見えました。
皆さんはいかがだったでしょうか?
『SV650S』、『SV1000S』など、想像以上に「スポーツモデル」として進化してきていたことを知ったことで、試乗した際のスポーティーな乗り味にも合点がいきました!
ただ、今も昔もエントリーユーザーからベテラン上級者まで幅広い層のライダーが楽しめる大型バイク、という点は変わらないのが、長年『SV650』が人気を博している大きな魅力かもしれませんね!