軽くて前室が広くて設営も楽なワンポールテント。設営簡単なんだけど、でも油断すると簡単に歪んじゃう。なんたってメインのペグ4本だけで立ってるからね。そこでデイトナのテント開発担当の方に、最新ワンポールテントであるところのoneティピーを使って、上手で美しい張り方のコツを教えてもらったよ。

軽くて広くてかわいいoneティピーは3シーズン対応の万能ワンポール

こないだ登場した、デイトナのoneティピー。

パンダやソロティピーなんかのソロ向けワンポールテント市場に登場した、新たな逸品ですよ。

デイトナ
neGla(ネグラ)
ワンティピー 32494

amzn.to

そもそも、ワンポールの特長といえば、収納のコンパクトさや軽さとか色々あるけど、なんといってもキャンプツーリングでありがたいのは前室の広さ。軽くて広い、最高じゃん。

逆にワンポールテントのデメリットといえば、天井部分がすぼまってるので、内部がドームより狭く感じるのよ。で、それを解消したのがoneティピー。左右の中央部分がガイロープで引っ張られて、ツノみたいになってるんだけど、それでワンポール特有の弱点を解消してるのね。

左右のツノ部分で、ワンポールの弱点を解消

ツノ部分がどう効果的かというと、デイトナアウトドア公式サイトの画像がわかりやすいので引用させてもらおう。

outdoor.daytona.co.jp

寝てるときにインナー部分が足先とか頭にふわってかかると、すごく気になるじゃん。それを解消してくれるってわけ。

実際には、テントインナーのセンターポール側だけが引っ張られてるので、奥側は通常と変わらない。なのに実際寝てみると、想像以上に広いのよ。サイズがソロティピーより10cm大きいこともあるんだろうけどね。

サイズがほんのり大きい。たかが10cmされど10cm

自分は結構ワンポール好きで、ソロティピとフィールドア240を使ってきたんだけど、もう少し広ければっていう場面がなくもないのよね。

ちなみにソロティピもフィールドア240も一辺240cm。その点、oneティピーは一辺250cm
わずか10cmの差なんだけど、床面積で比較すると、2.4m*2.4m=5.76㎡に対して2.5m*2.5m=6.25㎡と、約1.08倍。ざっくりいうと一割弱も大きいのよ。
なので、実際に使ってみると想像以上にゆとりがある。

ソロ向けワンポールには珍しいフルクローズ仕様

世にあるワンポールテントはメッシュインナーを採用してるのが多いのよ。軽さを追求した結果なんだろうけど、秋のキャンプで山奥とか行くと、寒そうでちょっと気になる。
でもoneティピーはフルクローズ可能でメッシュにもできる3シーズンインナーを採用してる。
なので夏場はもちろん、春や秋の冷え込みにもバッチリ対応。寒いと寝れないからね。

フルクローズインナーなのに重量わずか2.8kg

ソロティピーとかパンダは、メッシュインナー採用で重量がだいたい2.2~2.3kg。対してoneティピーはメッシュにもフルクローズにもできる3シーズンインナーを採用しながらも2.8kgに抑えてる。しかも何気にセンターポールは強度重視な直径19mm(パンダは直径16mm)。
あと、そもそもソロティピーのが10cmでかいから、それを考慮するとさらに軽量さが際立つ。

なんならセンターポールを16mmにするとか、カーボンポールに置き換えるとかすればもっと軽くなるだろうし(カスタムは自己責任でお願いします)

ワンポールテントを美しく張りたい

さて、今回の本題。

ワンポールテントって、基本的にはすごく設営が楽なんだけど、せっかくならピシッと綺麗に張りたいじゃん。
ところが、こだわりだすと意外と難しいのよね。立てた後で調整しようにも、あっちを立てればこっちが立たずで、なかなかまっすぐにならない。

画像: 西野編集長のパンダテント。パースがついたかのような斜めっぷり。

西野編集長のパンダテント。パースがついたかのような斜めっぷり。

斜めから見ると普通に見えても。

インナーの位置が左右でかなり違ってる。実用上は倒れなければ問題ないけど、気になるよね。

ネットを調べても、五角錐型とかのワンポールについては張り方の記事があるけど、オーソドックスな四角錘型のテントについては見つからなかった。

で、oneティピーもツノ部分は変形だけど、基本的には四角錘。その開発者なら上手に張るコツを知ってるはず、ということで実際に上手に張ってもらってきたよ。

というわけでデイトナの森山さん、よろしくお願いします。

フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

よろしくおねがいします。

最初にフライを広げるんですが、その時になるべく綺麗な四角形になるよう、丁寧に広げてください。

この時点で勝負は始まってるわけですね。

画像1: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

この時点でフライが斜めになっていたりすると、ペグの位置も良い位置に決まらないんですよ。

設営する場所が平らであるかというのも大事ですね。

斜めだったりでこぼこだったりすると、よくわかんなくなりますもんね。

おお、見事に四角い。

画像2: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

ペグを固定するためのループですが、調整幅を最大にしておきます。

画像3: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

それはなんとなくそうしてました。ペグを打つときってフライをピンと伸ばして張った方が良いんですか?

デイトナ
森山さん

あまり張りすぎると、センターポールが立てれなくなってしまうので、ややゆるめで大丈夫です。
ゆるすぎると、調整がきかなくなるので、ややゆるめです。

これくらいです。

画像4: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

なるほどなるほど。

デイトナ
森山さん

四隅をペグダウンしたらフライの入り口を開けて、センターポールを立ててください。

画像5: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

センターポールを立てたら、全体をチェックしてゆるい部分や張りすぎている部分がないか、確認してください。

例えばここは問題ない感じです。

画像6: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

こちらはややゆるいですね。

画像7: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

ペグ固定用のループを使って、だいたい同じくらいの張り具合になるよう、調整してください。

画像8: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

普通ならここでインナーを取り付けますけど、oneティピーはここからがキモですよね。

デイトナ
森山さん

そうですね、内部を拡大するためにガイロープで左右の面を引っ張ります。

理想としてはガイロープをなるべく遠い位置にペグダウンすることで、より美しく張ることができます。

なるほど、じゃあ設営するときに左右ガイロープの逃げを考えて位置を決めるのも大事ですね。

デイトナ
森山さん

区画サイトの広さや、フリーサイトであれば他の方との兼ね合いもあると思いますので、なるべく長くという感じで。

今回は広さに制限がないので、自在がガイロープの1/3くらいの場所にくるように調整してペグダウンします。

画像9: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

なるほど、自在の位置を大まかに決めておくことで、左右の張り具合もだいたい同じになるわけですね。

ツノも綺麗に出てる。

画像10: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

ペグダウンしたら微調整をして、フライは完成です。

すごい、まっすぐだ。

画像11: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

画像処理で歪みをとったりしてない撮ったままなのに、めっちゃ綺麗に張れてる凄い。

影のせいで錯覚起こすといけないからガイド引いてみた。

画像12: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

完璧だ。

お次はインナーですね。

デイトナ
森山さん

インナーの取り付け順番としては、まず天井部分のバックルを装着します。

画像3: ワンポールテントを綺麗に張るコツを、oneティピーを使ってテント開発者に教えてもらうぞ〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.230〉

次に奥側にあるリングに、インナーの棒状留め具(トグルストッパー)をつなげてください。

画像4: ワンポールテントを綺麗に張るコツを、oneティピーを使ってテント開発者に教えてもらうぞ〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.230〉
画像5: ワンポールテントを綺麗に張るコツを、oneティピーを使ってテント開発者に教えてもらうぞ〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.230〉

そしたら、手前側のバックルでフライとインナーを接続します。

インナー側にも調整ありますが、これは短めと長め、どっちが良いんですか?

デイトナ
森山さん

インナーに関しては、あまりシビアにならなくても大丈夫です。
フライが綺麗に張れていれば、インナーに接することはまずありませんので。

インナーとフライがひっついてると結露したときに大変ですもんね。

デイトナ
森山さん

フライの下からインナー四隅のループを出して、フライを固定しているペグにひっかけて固定します。

画像13: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

次に、インナー及びフライの左右中央後部中央をペグダウンします。

画像14: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ
画像15: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

最後に各部をあらためて調整をして完成です。

画像16: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

センターポールの位置も調整。

画像17: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

すいません、調整してるとこ見て気になったんですが、センターポールをテント中央に配置できてるかって、どうやって判断するんですか?

デイトナ
森山さん

インナーにループがありますので、それをセンターの目安にするとわかりやすいですよ。

画像6: ワンポールテントを綺麗に張るコツを、oneティピーを使ってテント開発者に教えてもらうぞ〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.230〉

このループにセンターポールを通せば間違いないですが、設営の難易度があがるので目安として使用していただく程度でも大丈夫です。

oneティピー完成。さすがです。

画像18: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

デイトナ
森山さん

最初に綺麗に広げて、正方形を意識してペグダウンしていけば、全然難しくないですよ。

初めてキャンプに持っていくときは、事前に試し張りを1-2回しておけば、簡単に張ることができると思います。

正直、見てたら自分も次はもっとうまく張れる気がしてきました。ツノ部分もハリがあって良いですね。

画像19: フライを綺麗に広げるのが最大のコツ

上手な張り方の模様を動画で

画像: ワンポールテントの綺麗な張り方 youtu.be

ワンポールテントの綺麗な張り方

youtu.be

oneティピーを題材にワンポールテントの美しい張り方でした。

ところでスーパーカブは入るのかな

ここからは蛇足。

以前もやったけど、せっかくだからスーパーカブ90を入れたいんですよね。

デイトナ
森山さん

頑張れば入るとは思いますが、人間が出入りできなくなるんじゃないですか?

そこなんですよねー。でもマエヒロは割と余裕だったんですよね。

数値的には、こんな感じでマエヒロより全然余裕あるし。
スーパーカブ90ならなんとかなるんじゃないかなー、と。

画像1: ところでスーパーカブは入るのかな

どうしても気になるので、ちょっと頑張ってカブを格納してみます。
うまくいかなかったら無かったことにすれば良いし。

注意

地面にスタンドがめりこむなどして、バイクが倒れてくる危険性があります。特に就寝時にバイクが倒れてくると危険ですので、対策を行うもしくは就寝時にバイクを出しておくなどの対策を怠らないようお願いいたします。

画像2: ところでスーパーカブは入るのかな

入ったわ。
頭から突っ込んで、リア側を持ち上げてぐいっとやれば、入りはする。

真横から見ても飛び出してない。

画像3: ところでスーパーカブは入るのかな

入れるコツはマエヒロの時と一緒で、サイドスタンドを寝室側にすることとハンドルを出口側に向けて切るのがコツ。というか、そうしないとハンドルが引っかかって収まらない。

このコツ、いつか誰かの役に立つことはあるのだろうか。

画像4: ところでスーパーカブは入るのかな

問題のテントに出入りできるかどうかだけど、一応は可能。不可能ではないって感じ。

画像5: ところでスーパーカブは入るのかな

キャンプ中の雨とかでバイクを緊急避難させたいなら全然アリ。でも、特に緊急の用がなければ無理に入れなくても良いかな。なにかと大変だし。

ちなみに出入りも楽じゃないけど、入った後にファスナーを締めるのが相当きつい
ただ、このoneティピーはダブルファスナーになってるので、それを活用すれば割と何とかなる。ティッシュボックスのティッシュみたいな気分になるけど。

入りにくさって、文字で書いてもどれくらいなのかわかりづらい気がしたので、お見苦しいですが一応動画も。お目汚し失礼いたします。

画像: oneティピーにカブ90を入れて出入りできるのか www.youtube.com

oneティピーにカブ90を入れて出入りできるのか

www.youtube.com

中から見るとこんな感じ。

画像6: ところでスーパーカブは入るのかな

クリアランスはこれくらい。せっかくの前室なのに、物を置くスペースはあんまり。そもそも置いたところで取るのが大変。

oneティピーは寝室も広いので、寝室に結構な量の荷物を置くことはできるけどね。

画像7: ところでスーパーカブは入るのかな

まとめ

以前紹介したマエヒロはドーム型ツーリングテントの決定版という印象だったけど、oneティピーもワンポール型ツーリングテントとして、ベストなチョイスだと思う。

250cmという大きさやツノによる内部の拡張がめっちゃ効いてるのよね。前室も寝室も広くて超快適。ツノ部分の張り出しもかわいいよ。あと忘れちゃいけない収納性。収納サイズが170*170*435mmなので、シートバッグにも楽々入るぞ。

レポート:若林浩志

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