最高の天気での岡山大会

画像1: 最高の天気での岡山大会

鈴鹿サーキットでF-1が行われている9/23~24の週末。
全日本ロードレースは岡山国際サーキットで第7戦が行なわれています。岡山は木曜~金曜の事前走行では、ドライコンディションをベースに時々降ったり止んだり--それでもきょう土曜日は日差しこそ強かったものの、気持ちのいい秋晴れに恵まれました。

サテ本誌イチオシのJP250クラスですが、第2戦鈴鹿2&4と第5戦もてぎ2&4で開催がなかったため、これが5レース目。ご存じのように、JP250は国内ライセンス/国際ライセンスの混走ですから、各レースふたりのウィナーが誕生します。これをまとめてみると

①もてぎ大会     国内:荻原羚大/国際:千田俊輝
②SUGO大会     国内:荻原羚大/国際:千田俊樹
③筑波大会      国内:荻原羚大/国際:小室 旭
④オートポリス大会  国内:高橋 匠/国際:横江竜司  という状況。

画像: 岡山国際サーキットは2コーナーに、このシケインが新設されて2シーズン目になりますね

岡山国際サーキットは2コーナーに、このシケインが新設されて2シーズン目になりますね

そして、総合参考ランキングトップの荻原羚大(ベスラレーシングTEC2 & YSS)が、前戦オートポリス大会を欠場し、この岡山大会から復帰して、いきなりのポールポジション! しかもコースレコードのおまけつきです。
「オートポリスは、今年はアジアタレントカップにも参戦しているので、ちょっとタイミングが合わずに欠場してしまいました。最終戦の鈴鹿大会もタレントカップと日程がかぶって出られないんです。だから、出られるレースは精一杯走りたい」と荻原。
ここまでの3戦、開幕戦もてぎでこそ国際ライセンスの千田に敗れましたが、SUGO大会→筑波大会と、国際ライセンスを蹴散らしての総合優勝。いまJP250でいちばんスピードのある選手です。

画像: 23年のアジアタレントカップにも招待される荻原羚大 オートポリス戦を欠場しての岡山出場

23年のアジアタレントカップにも招待される荻原羚大 オートポリス戦を欠場しての岡山出場

荻原に続いて予選2番手につけたのは、国内ライセンスクラスランキング2位につけている野村唯人(SHIN ライディングサービス)、3番手に横江竜司(TEAM TEC2 & モトテックR4 & YSS)がつけました。予選4番手は高橋 匠(bLUcLU ノリック&ネクストプロジェクト)、5番手に久川鉄平(bLUcLU Webikeチームノリック)が入り、ここまでが1秒以内。このあたりのトップ争いが予想されるレースでした。

画像: 前戦オートポリス大会を勝った横江竜司 若手ライダーたちの高い壁になっています

前戦オートポリス大会を勝った横江竜司 若手ライダーたちの高い壁になっています

土曜午後に行なわれた決勝レースでは、まず荻原が先頭でモーターサイクルシケインに飛び込むと、横江、久川、高橋、千田、野村が続く展開。ストレートの伸びはやはりホンダCBR250RRが速く、YZF-R3は+50ccの排気量アドバンテージで、低回転を使うエリアや上り区間が速いですね。

周回を重ねていくと、徐々に隊列がばらけ始め、トップグループ3台と、4番手以下の集団が5-6台、という分かれ方になってきます。そのトップ3を占めたのが、横江、荻原、野村の3台でした。
この3台は、やはり速い区間と遅い区間がまちまちで、荻原と野村がCBR、横江はR3をライディング。レースは荻原と横江がひっぱるんですが、すきを見て野村がぐいぐい間に入ってくる、見ていてシビれる展開となっていきました。

画像: スタートから2周目 62横江が97荻原をかわしますが、引き離すまでには至らず

スタートから2周目 62横江が97荻原をかわしますが、引き離すまでには至らず

「予選が終わって、大体こんな展開になるだろうな、ってかんじでしたね。(荻原)リョータは速いし、(野村)ユイトは金曜の走行から急に速くなっちゃってるし(笑)。R3はコース中盤の少し上ってる区間が速いんですけど、やっぱりストレートでCBRに抜かれちゃうんです」とは横江。

荻原が前、それを横江がかわすと、野村がトップに立つ、なんて攻防が続いてのラストラップ。荻原→横江→野村の順でファイナルラップに入りますが、この1コーナーで横江がトップに浮上します。
「1コーナーでは予選までCBR勢にさんざん抜かれてたから、オレがんばりました! あそこでトップに立って、ずっと抑えていかないと勝てない、そういう戦略でした」(横江)

画像: 62横江YZF-R3、97荻原と8野村がCBR250RR 3人とも速いところが違うのが面白い

62横江YZF-R3、97荻原と8野村がCBR250RR 3人とも速いところが違うのが面白い

横江の背後にピタリとつく荻原。やや横江が離しかけたかな、と思っても、バックストレートで荻原がスリップへ。そのまま上り区間に入るのですが、やはり後ろにベたづけされるとR3のよさが現れない! そして岡山国際サーキットの終盤区間、ダブルヘアピンから最終コーナーで、もうひとつの勝負が待っていました。

「レース中に見ていたら、横江さんのR3は、最終コーナーでマシンが暴れてて、加速しないシーンがあったんです。だから勝負はここだ、って。たぶん何人か抜け出して、それでも引き離せないレースになると思ったから、ここを勝負ポイントの一つにしていたんです」とは荻原。

「そう、オレのR3はあの下りの右→右でリアがあばれてちょっと失速しちゃう。だから最終コーナーをトップで立ち上がってからは、からだ伏せて行けぇぇぇぇ、って祈ってました」(横江)

画像: ストレートエンドでは97荻原が62横江をパスしますが、横江は進入でインをつく! こんな攻防の連続でした

ストレートエンドでは97荻原が62横江をパスしますが、横江は進入でインをつく! こんな攻防の連続でした

しかし、最高速に勝るCBRの荻原、野村に迫られ、フィニッシュライン寸前で荻原→(0秒1)→野村→(0秒024)→横江の順でフィニッシュ。0秒024の中に3台という、おそらくJP250クラス史上最高の接近戦でした!

その3人から遅れること9秒7差の4番手以下は、これも超接戦で久川→高橋→田中啓介(bLUcLU GBSレーシング)→千田→飯高新悟(キジマKISSレーシング)→アクス・ タイヨウ(bLUcLUチームJPドッグファイトレーシング)の6人がフィニッシュ。この6人も、約1秒の中でのフィニッシュでした。

画像: 国際ライセンスクラス優勝の横江(左)、国内ライセンスクラス優勝の荻原。ふたりの年齢差、なんと30歳!

国際ライセンスクラス優勝の横江(左)、国内ライセンスクラス優勝の荻原。ふたりの年齢差、なんと30歳!

この大会には出場していませんでしたが、カワサキの4気筒250ccモデルNinja ZX-25Rの本格参戦や、ヤマハYZF-R3の台頭、KTMのニューRC390もほホモロゲートをうけるなど、新しい展開が見え始めた2023年のJP250。いよいよ残すところはあと1戦、最終戦・鈴鹿大会は10/14(土曜日)が決勝レースです!

画像: 国際クラス表彰台は左・2位田中、中央・優勝の横江、右が3位の千田

国際クラス表彰台は左・2位田中、中央・優勝の横江、右が3位の千田

画像: 国内クラス表彰台は左が2位の野村、中央は優勝の荻原、右は3位の久川

国内クラス表彰台は左が2位の野村、中央は優勝の荻原、右は3位の久川

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写真/小縣清志・中村浩史 文責/中村浩史

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