2023年9月22日〜9月24日にスペインのアラゴン・サーキットでSBK(スーパーバイク世界選手権)2023年シーズンの第10戦が行われた。連勝街道を突き進んでいたアルバロ・バウティスタ(ARUBA.IT RACING)だが、シーズン折り返し地点からランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)とのポイント差が縮まりつつある。第9戦終了時点で両者のポイント差は57。バウティスタが有利な状況にあるのは変わらないが、同選手権は1大会3レース制であり順位が入れ替わる可能性は十分に考えられる。今大会含め残り3戦、チャンピオンシップ争いの行方はいかに。

リナルディが今季初優勝! バウティスタはまさかの2度の転倒でノーポイント

画像: 2021年のチャンピオンとのバトルを制したリナルディ。

2021年のチャンピオンとのバトルを制したリナルディ。

レース1は気温25度、路面温度35度のドライコンディションの中、18周で争われた。ポールポジションはジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)が獲得、2番グリッドにバウティスタ、3番グリッドはラズガットリオグルと各メーカーのエースが並ぶ。

スタートはレイが蹴り出しよく飛び出すも、ターン2でバウティスタがレイを捕らえトップに浮上。いきなりバウティスタの先行を許したレイだったが、オープニングラップから果敢に仕掛けていく。

後方では、5番グリッドスタートのマイケル・リナルディ(ARUBA.IT RACING)がアンドレア・ロカテリ(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)をパスし4位に浮上し、トップ3を追う。

こう着状態が続いていたトップ3だったが、6周目のターン9でトップを走るバウティスタがまさかの転倒。コースに復帰するも大きくポジションを落としてしまった。

バウティスタの転倒以降、レイとラズガットリオグルがトップ争いを展開。優勝争いはこの2名に絞られたかに思われた。

しかし、3位のリナルディのペースがよくトップ2に接近。残り6周のターン5でラズガットリオグルをオーバーテイクし、勢いそのままにトップのレイも狙っていく。

周回数が残り僅かとなる中、レイとリナルディのバトルが勃発。抜きつ抜かれつのバトルを演じていくが、残り4周のバックストレートで持ち前の直線スピードを武器にリナルディがトップに躍り出た。

トップに立ってからもペースが安定していたリナルディがトップでフィニッシュ。2021年カタルニアGPレース2以来の優勝となった。

2位は残り3周でレイをパスしたラズガットリオグルが獲得。レイは悔しい3位でのフィニッシュとなった。

画像: 不調が続き来季のシートを失ってしまったリナルディ。吹っ切れた彼の走りはチャンピオン2人も敵わないものだった。

不調が続き来季のシートを失ってしまったリナルディ。吹っ切れた彼の走りはチャンピオン2人も敵わないものだった。

まさかの転倒を喫したバウティスタは、ファイナルラップのターン16でも転倒。レース1は痛いノーポイントに終わってしまった。

2023 スーパーバイク世界選手権 第10戦アラゴン レース1結果

画像: リナルディの優勝に沸く中、ラズガットリオグルは堅実に2位を獲得。バウティスタがリタイアしたため、両者のポイント差は37にまで接近した。

リナルディの優勝に沸く中、ラズガットリオグルは堅実に2位を獲得。バウティスタがリタイアしたため、両者のポイント差は37にまで接近した。

画像1: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

レース1でミスを犯したバウティスタが王者の意地を見せ日曜日を制圧

画像: 土曜日のミスを取り返したバウティスタ。

土曜日のミスを取り返したバウティスタ。

日曜日の午前中に行われたスーパーポールレースは、気温21度、路面温度26度のドライコンディションの下、10周で争われた。

レース1同様、ポールポジションからスタートしたレイはスタートを決め、レースをリードしていく。バウティスタとラズガットリオグルが続き、早くも3台による優勝争いが繰り広げられた。

3者とも無理にしかけずこう着状態となっていたが、6周目のターン1でバウティスタがレイに仕掛けていく。レイはバウティスタに抜けれるもすぐに応戦。バウティスタを再度かわして首位の座を明け渡さない。

レイを攻略できなかったバウティスタはラズガットリオグルにパスされ、3位に後退。均衡状態のまま、レイ、ラズガットリオグル、バウティスタの順でレースはファイナルラップに突入する。

3位にポジションを落としたバウティスタだったが、ターン5でラズガットリオグルをかわし2位に浮上。そして強力な加速性能を活かし、バックストレートでレイをオーバーテイクし土壇場でトップにたった。

残り2つのコーナーもクリアしたバウティスタがトップチェッカー。レイは僅差で2位、ラズガットリオグルは3位でのフィニッシュとなった。

画像: 日曜日を制覇したバウティスタ。残り2戦でラズガットリオグルとのポイント差は47とした。

日曜日を制覇したバウティスタ。残り2戦でラズガットリオグルとのポイント差は47とした。

最終レースとなるレース2は、気温24度、路面温度34度のドライコンディションの中、18周で争われた。

スーパーポールレースを制したバウティスタがポールポジションからスタート決めるも、レイがトップに立つ。ロカテリがバウティスタを抜き2位に浮上し、バウティスタ、ラズガットリオグルが続く。

2周目のターン1でロカテリがレイをパスしトップに躍り出る。バウディスタも続き、レイが3位に後退。レース1をノーポイントで終え、巻き返しを図りたいバウティスタはロカテリを攻略しトップに立ち、逃げにかかる。

バウティスタが後続に対しギャップを築いていく中、ロカテリ、ラズガットリオグルのチームメイト同士による2位争いが展開される。ロカテリは2位をキープしていたものの、15周目にマシントラブルに見舞われ無念のリタイア。

これでラズガットリオグルが2位、そして3位にはリナルディが上がってきた。最終的に2位以下に3秒もの差をつけたバウティスタがスーパーポールレースに続き優勝。2位にラズガットリオグル、3位にリナルディが入った。

日曜日ではフルポイントを獲得することに成功したバウティスタだが、レース1の転倒が響き、ランキング2位のラズガットリオグルとのポイント差は47。このラウンドで10ポイント詰まり、1大会で逆転が可能な点差となった。

2023 スーパーバイク世界選手権 第10戦アラゴン スーパーポールレース 結果

画像2: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

2023 スーパーバイク世界選手権 第10戦アラゴン レース2 結果

画像: ドゥカティが1-3フィニッシュ。追う立場のラズガットリオグルだが今回は2位が精一杯だった。

ドゥカティが1-3フィニッシュ。追う立場のラズガットリオグルだが今回は2位が精一杯だった。

画像3: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

レポート:河村大志

This article is a sponsored article by
''.