トライアンフの新スクランブラー1200発表、マジなダート仕様はそのままに電子制御が充実

フロント21インチ、45mm径の本格的フロントサスペンション。コアなオフロードファンに「これならダートで走れる」と言わしめたスクランブラー1200が、フルモデルチェンジされた

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オフロードを本気で走れる“スクランブラー”がさらに進化

1963年の名画『大脱走』でスティーブ・マックイーンが鉄条網をジャンプして越えたシーンは、トライアンフ TR6が起用されている。マックイーンは今も続くISDE（インターナショナル・シックスデイズ・エンデューロ）の前身ISDTにも参戦していて、さらにはTR6にはISDT向けの足回りが組み込まれていたと言うから、あの大ジャンプも難なくこなせたわけだ（撮影で実際に飛んだスタントマンはマックイーンの友人でもあったバド・イーキンズだけど）。では、そのTR6を継承するスタイルをもった現代のトライアンフ・スクランブラーはどうなのか。実は、2019年に登場した旧モデルの頃から「マジでダートを走れるスクランブラー」と評価も高く、中にはJNCCに出ているライダーがいるほど。

その本気のダート向け仕様は、このたびフルモデルチェンジされた新型スクランブラー1200のスペックにも現れている。前後21−17インチのホイールに、45mm径のマルゾッキ製サスペンションを装備し、車体のウェット重量は229kg（XEは231kg）とこのクラスのモデルにしては軽量だ。ライディングモードに「オフロード」が設定されているのも、本気ダート仕様である証拠。旧モデルからフレームからエンジンまでアップデートされており、最高出力​​90PS (66 kW) /7,000rpm、最大トルク110Nm/4250rpmは歴代最強のスペックとなった。

ラインアップはスクランブラー1200Xと、1200XEの2パターン。スクランブラー1200XEのほうが、足回りのセッティングを中心によりオフロード向けに仕上がっており、フロントサスペンションはホイールトラベル250mm、シート高870mmとエンデューロレーサー並。フロントブレーキもXが310mm径ニッシン製2ピストンのところ、XEは320mm径ブレンボ製4ピストンとハイスペックである。なお、ローシートを組み込めば1200Xは795mmまでシート高を下げられる模様。

充実の最新電子制御

フルモデルチェンジされたスクランブラー1200シリーズの目玉は、オーセンティックな見た目ながら満載された電子制御デバイスの数々。あらゆるリーンアングルで最適なトラクションが得られるよう、コーナリングABS、コーナリングTC（トラクションコントロール）を装備しているのをはじめとして、スロットルレスポンスなどを設定できるモードが、「スポーツ」、「ロード」、「レイン」、「オフロード」、「ライダー（個々に設定）」の5つも用意されている。

これら電子制御の状態を伝えるのはフルカラーTFTメーター（XE。XはTFT/LCDハイブリッド多機能メーター）で、表示方法もシーンにあわせて3タイプからチョイスできるように。最新のアドベンチャーバイクに勝るとも劣らない最新装備を手に入れている。

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