オルガドがポールポジション獲得!佐々木は4番グリッドを確保しライバルマシアに先行
日本勢は古里太陽(Honda Team Asia)、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)、山中琉聖(Gaviota GASGAS Aspar Team)の3名がQ1から出走。佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)はすでに予選Q2進出を決めている。
3名ともセッション前半ではタイムをあげることができず、Q2進出圏内の4位以内に入れていなかったが、古里がラストアタックで大幅にタイムを詰め3位でQ2に駒を進めた。一方、鳥羽は10番手、山中は11番手と振るわず、Q1敗退となってしまった。
ポールポジション、そしてタイトル争いの行方に注目が集まる中、Q2がスタート。マッテオ・ベルテッレ(Rivacold Snipers Team)やデニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)がトップタイムを出す中、佐々木はセッション終盤に2番手につける。
しかし、ライバル勢もタイムを更新し佐々木は4番手に後退。最終的にダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech3)がポールポジションを獲得した。
2番手にディオゴ・モレイラ(MT Helmets - MSI)、3番手にはオンジュが入り、佐々木は4番手。トップ3は逃したものの、ライバルのマシアが10番手で予選を終えたことを考えると十分な結果と言えた。
マシアが今季5勝目を挙げタイトル獲得
16周の決勝レースはオンジュがフライングしてしまったことによりダブルロングラップペナルティが科され大きく後退。オンジュを除いた上位勢は予選の並び通りのままオープニングラップを終え、グループを形成していく。
1km以上のロングストレートが特徴のカタールでは、毎周順位を入れ替えながらのバトルが続く。佐々木を筆頭に、モレイラ、オルガドが続き、順位を上げてきたマシアも4番手につけトップグループに加わってきた。
先頭グループに入ったマシアは佐々木を執拗にマーク。右から左に切り返すターン6では佐々木のインに入るとあえてクリッピングポイントを外し佐々木を2度に渡ってアウト側に追い出した。
マシアに追い出された佐々木は一気にポジションを10番手付近にまで落としてしまうが、冷静にポジションを上げていき、再び先頭グループに追いついていく。
オルガド、マシア、佐々木など上位7名で形成されたトップ集団はホームストレートをホームストレートを通過するたびにポジションが入れ替わる激しいバトルを展開。
そこに伏兵、マシアの僚友であるエイドリアン・フェルナンデス(Leopard racing)が追いついてきた。フェルナンデスは佐々木の前に出るとわざとペースを下げ佐々木を抑え込んでいく。この露骨なチームオーダーにより佐々木はトップ争いから脱落。トップ集団との差が一気にひらいてしまった。
チームメイトのサポートによりライバルを退けたマシアはトップを守り切り優勝。今季5勝目を挙げ、2023年のMoto3チャンピオンとなった。2位はダビデ・アロンソGaviota GASGAS Aspar Team)、3位にはダブルロングラップペナルティを受けたにも関わらず上位に上がってきたオンジュが入った。先頭集団がバトルを繰り広げ、レース全体を見てもラップタイムが異常に遅かったことも要因の一つだろう。
佐々木は最後まで懸命に走り6位でフィニッシュ。チャンピオン争いを最終戦まで持ち込ませることができなかったが、驚異的な安定感を武器に今大会までマシアを苦しめた。失うものがない最終戦では念願の今季初優勝を期待したい。
その他の日本人ライダーは、鳥羽が8位、古里が14位で入賞。山中が21位でレースを終えている。
2023 Moto3 第19戦 決勝結果
レポート:河村大志