文・写真:松下尚司/取材協力:アライヘルメット、ホンダモーターサイクルジャパン、サインハウス
あらゆる道を駆け抜ける「ツアークロス V」のこだわり
3つの力がひとつのヘルメットに。もう、これひとつで良いかも
ここまで数多くの職人たちの手を経てアライヘルメットが作られているということを知って、思い入れが強くなったのは嘘ではないが、そうでなくても長年アライユーザーのワタクシ。最初に買ったフルフェイスはラパイドeの白だったなぁ…。と、今思い出しても昔からアライヘルメットは丸いフォルムが特徴的だ。これが格好良いと思って被っていたが、実はこれがアライの考える『かわす性能』から生み出された形状で、もしもの時に衝撃を中に入れない「たまご型フォルム」を徹底的に研究している。
新作『ツアークロス V』も実はその部分は進化しており、現実の事故での最も衝突が想定される範囲において、少しでも多くの衝撃をかわせるように、より滑らかなフォルムの帽体となった。なかでも特徴的なのがチンガード部分。先代のツアークロス3と比べても丸くなった恩恵でダクト部分も横に大きく取れるようになった。加えて、VAS機構を再設計することでシールドシステムの位置が下がり、より滑らかな面積を増やしている。
実際に使用して2日間ツーリングすると、やはり、アライヘルメットらしい被ったときのしっかりとしたホールド感は独自の安心感がある。そして、何より視野の広さに驚いた。ツアークロス3と比べて値的には数ミリの違いだそうだが、視覚的に感じる開放感は大きく違うと感じた。
また、スタイルチェンジがこのツアークロス Vの大きな特長。高速道路走行時バイザーをつけた状態で走ってもあまり気にならなかったが、その後、外して乗ってみると安定感が違う! もしかすると他のフルフェイスシリーズと比べても、ツアークロスVの方が安定性を感じるかもしれない。
確かに価格帯は上がったかもしれないが、ヘルメットとしての価値はそれ以上に上がっていると言える。
文・写真:松下尚司/取材協力:アライヘルメット、ホンダモーターサイクルジャパン、サインハウス