ベイヤーがポールポジション獲得! 佐々木も続きHusqvarna Intactがワンツー
3月に始まったシーズンも19戦を消化し迎えた最終戦バレンシアGP。予選Q1には古里太陽(Honda Team Asia)と鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)が出走、佐々木と山中琉聖(GasGas Aspar Team)はQ2進出を決めている。
Q1からの予選出走となった古里はセッションを通してトップタイムを維持。ラストアタックでホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)とアロンソの先行を許すも古里はQ1を3番手で終えQ2進出を決めた。
一方、鳥羽はQ2圏内となる上位4名に入ることができず7番手でQ1敗退に終わっている。
ポールポジションが決まるQ2では優勝を狙う佐々木が序盤からトップに立つ。そんな佐々木を上回ったのが僚友のコリン・ベイヤーだった。
各車ラストアタックに入るもベイヤーのタイムを更新することができずセッションは終了。佐々木が2番手につけ、ハスクバーナの2台が予選をワンツーで締め括った。
佐々木にとっては悔しさの残る結果となったが、優勝を狙えるフロントローを確保。2番グリッドから優勝を目指す。3番手にはデニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)が入った。
日本勢では山中が10番手、Q1から上がってきた古里が16番手で予選を終えている。
佐々木が今季初優勝! Moto3クラス3勝目を挙げ、Moto2クラスにステップアップ
決勝前のサイティングラップではポールポジションのベイヤーがハイサイドを喫し転倒。インドネシアでの佐々木の転倒を思い出すアクシデントだったが、ベイヤーに怪我はなく、無事にスタートを切ることができた。
20周の決勝は佐々木がホールショットを奪いトップに浮上。しかし、ベイヤーがトップを奪い返し、佐々木は2番手でレースを進めていくことになった。
ベイヤーはルーキーらしからぬ走りを披露。一時タイムが落ちるも10周を過ぎたあたりからペースを戻し、中盤になっても先頭を引っ張っていく。
7台で構成されたトップ集団だったが、終盤に差し掛かると佐々木、イヴァン・オルトラ(Angeluss MTA Team)、アロンソ、ベイヤーに絞られた。
ベイヤーがラインを膨らんでしまうミスもあり、佐々木がトップに浮上。しかしペースが上がらず逃げ切ることができぬまま、4台が接近した状態でファイナルラップに突入する。
佐々木は速いラップを刻むことができずにいたが、アロンソやオルトラが2番手争いを繰り広げたこともあり、トップをキープ。コーナーでも隙を与えない走りを見せた佐々木は最大のオーバーテイクポイントである最終ターン14も抑えきりトップチェッカーを受けた。
佐々木にとっては念願の今季初優勝、そしてMoto3クラス最後のレースを有終の美で飾った。1週間前に悔し涙を流した佐々木だったが、最高の形でシーズンを締めくくることとなった。
2位はアロンソ、3位は第4戦以来の表彰台獲得となったオルトラが入った。
山中は10位、古里が11位でポイントを獲得、来年WSS(スーパースポーツ世界選手権)に戦いの場を移す鳥羽は20位でMoto3最後のレースを終えている。
2023 Moto3 第20戦 決勝結果
レポート:河村大志