マラソンステージ2日目のステージ4。アル・サラミヤ > アル・ホフフへ至るルートはリエゾン332km、スペシャルステージ299kmと短めで、ナビゲーションが難しいとの事前情報。ただし、大幅にルートミスしたライダーはあまり見受けられなかったようだ
道を切り開き、なおかつ速いナチョ
「ステージの先頭はナビゲーションの負担があって不利、それを補うために道を切り開いたライダーにボーナスポイントが与えられる」というダカール独自のシステム。このボーナスを最もうまく利用しているのが、ホセ・コルネホだろう。全ステージあわせて8分と、最もボーナスを稼いでおり、さらにステージ4では6番スタートの利を最大限活かしてスパートをかけるとステージ優勝・総合トップに踊り出た。コルネホの強さは、先頭スタートであっても巧みなナビスキルでそれほど順位を落とさず、さらに後続に譲ることなくボーナスを狙えることだろう。ある意味、今年のダカールで最も必要なスキルを備えたライダーと言えるかも知れない。コルネホは「スピードの速いコースで、体力は消耗しづらいように感じた。ナビゲーションは難しいセクションがいくつかあったので、集中力を維持する必要があったね。最初は小さなミスもあったが、その後は速めのペースでさらにプッシュしたよ」とコメント。
また、チームメイトのリッキー・ブラベックはステージ4でケビン・ベナビデスとボーナスポイントを争い、ステージ2位に。3位にはステージ3でステージ優勝を得たケビンが入り、2日連続の好成績を残している。これまで首位だったロス・ブランチはステージ4位で総合2位に踏みとどまっており、トップ争いは僅差が続く状況だ。
ステージ順位
総合順位
池町佳生、総合85位で淡々とレースをこなすものの…
砂丘の難易度なども上がってきているが、無難にベテランらしい走りで順位をあげてきた池町佳生。このステージ4では16分のペナルティが惜しい。大きくタイムを落とすことは無かったが、ステージ87位で総合85位の結果となった。昨年ダカールラリー二輪部門ではテスト不足で導入されなかったデジタルロードブックが今年は試験的に導入されているが、上位ライダーのみ従来通りの紙とデジタルから選択することが出来る。池町のような一般のライダーはデジタルロードブックを使わなければならない。タブレット機器のようなロードブックなのだが「今日はこのタブレットがうまく機能してくれなくてルートミスしてしまった。片手でタブレットを操作しながら砂丘を走らされたんですよ! しかもトップスピードは150km/hくらい出てるんです。おまけにGPSも機能しなくてウェイポイントを逃してしまった。ゴール後に抗議したので安心していたんですが、あとでリザルトを見たらペナルティがしっかりついていました」と怒りを隠せない様子。
「マラソンステージ初日のステージ3は、すごい砂丘でした。2km先からスタックしているライダーがみえるほど巨大なんです。砂丘は誰も走っていない状態だと固く締まっているのですが、僕らが通るころには柔らかくほぐされたあとなので、450で全開にしても全然のぼらないんですよね。参りましたよ! 今日のステージ4もハイスピードな展開で、2〜3箇所いやな石が転がってる涸れ川が20~30kmくらい続いているような最悪な路面がある感じです。ルート自体は短かかったのでビバークには余裕を持って着きました。
だんだん身体もダカールに慣れてきて、調子自体はいい感じですよ。僕はラリーになるとグリップを強く握りすぎてしまって、指に血がまわらず小指が真っ黒になって感覚が無くなってしまうんですが、今回ももう真っ黒ですね(笑)」
ステージ5は一見簡単そうに見えるものの、早朝スタートで体力的に厳しいステージになるだろうとのこと。問題はステージ6−7、延々砂丘が続くエンプティ・クォーターで48時間マラソンステージ。本ダカール最初の山場を迎える。