まとめ:齋藤ハルコ/写真:森 浩輔
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2024年3月号に掲載したものを一部編集して公開しています。
今回のゲストはWGP125cc元世界チャンピオン、現役のオートレーサーで一般社団法人『SSP』代表、青木治親選手
今回のゲスト
青木治親さん
BMW K1600ミッドナイトSSP仕様
1976年3月28日群馬県生まれ。幼少期からポケバイを始める。1995年、1996年とロードレース世界選手権125ccクラスでチャンピオンを獲得。27歳でオートレース選手養成所第29期生となり、2004年にオートレーサーとしてデビュー。川口オートレース所属。現行ランクはA-58。通算勝利数は402勝、通算優勝回数は15回。2019年から一般社団法人SSP代表理事。
BMW K1600ミッドナイトSSPの特徴
神社ソムリエ
佐々木優太
ハーレーダビッドソン XL1200NS
参拝した神社は1万数千社、受けた御朱印は4000以上。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。2024年も大歳神社への『RIDE参拝』にご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
ロードレース界の伝説にして現役オートレーサー登場!
僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした〝神社ソムリエ〟として、ゲストのお人柄や願いに合う神社へご案内するこの連載。今回のゲストは現役オートレーサーであり、一般社団法人『サイドスタンドプロジェクト(SSP)』の代表理事である、青木治親選手をお迎えしました!
治親選手といえば、ロードレース界のレジェンド〝青木三兄弟〟の三男であることは言わずもがな。19歳で日本人として最年少記録となるWGP(ロードレース世界選手権)125クラス王者を獲得し、さらに日本人初の2年連続世界王者獲得を記録するなど、いまだ破られてない偉業を残しています。
2004年にオートレーサーに転向し、今年で現役20周年を迎える治親選手。2019年には、テスト中の事故で半身不随となった次兄・拓磨さんをもう一度バイクに乗せたいという思いから始まった『Takuma Rides Again』企画をきっかけにSSPを立ち上げました。
今回のツーリングには、SSP仕様のK1600Bで登場。極寒の日でしたが、治親選手の明るいお人柄とバイクへの溢れる情熱のおかげで、熱く盛り上がった模様をお届けします!
Side Stand Project(SSP) とは
青木治親さんが2019年に設立した非営利団体の一般社団法人。障がいを抱える人がオートバイを自身で運転するという“夢”を叶えられるような場所づくりと、そして障がい者が健常者と一緒にモータースポーツを楽しめる環境の構築を目指し、定期的な無料体験走行会の開催など(※)さまざまなサポート活動を行っている。
※対象者は「一般社団法 人団法人SSP」が定める規定をクリアした方のみ
ツーリングの目的地は千葉県の安房国一之宮
非営利団体一般社団法人『SSP』の知名度向上、社会認知、協力企業の参入
本職のオートレースで運気を上げたい!
『SSP』の資金難を何とかしたい!
ご利益の理由
青木治親さんだから、おすすめの3つの理由
1.阿波徳島から房総へ旅立ち開拓した御祭神
→選手として複数分野で活躍中の姿に通じる
2.日本のすべての産業の総祖神である主祭神
→事業繁栄や商売繁盛、金運のご利益を期待
3.上の宮の横に下の宮が並び建つ珍しい神社
→横にたつ=“サイドスタンド”と重なる!
安房神社(あわじんじゃ)
千葉県館山市大神宮589番地
その始まりは2670年以上前に遡るとされる安房国一之宮で(安房国は現在の千葉県南部)、明治時代には当時定められた最高位の社格「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」を賜った格式高い神社。上の宮(本宮)の主祭神は日本のすべての産業創始の神様であるアメノフトダマノミコトで、下の宮(摂社)にはその孫であるアメノトミノミコトが祀られています。
上の宮と下の宮が並び建つ安房国一之宮
参拝ではココに注目!
限られた神社だけが許される 十六弁八重表菊紋
古代日本の律令制により定められた朝廷の祭祀を司る組織・神祇官(しんぎかん)から神様への供物を贈られた神社を官幣社と呼びます。わかりやすく言えば、朝廷から維持費が出ていた神社のことをそう呼ぶのですが、安房神社はその中でも最も格の高い官幣大社。朝廷から許された神社だけが社紋にすることができる、天皇と皇室の紋章の十六弁八重表菊紋、通称“菊の御紋”が社紋であることからも、社格の高さが伺えます。
SSPのさらなる発展を祈念!
ちょっと泣けてきちゃった…
「住む場所を変えながら、同じ一族と共にその土地土地を開拓して繁栄させた神様と、ライダーとして、活躍の場を変えながら人が幸せになる挑戦を続けている治親さんの姿が重なります」とお伝えすると、いたく感動してハグを求めてくださいました。喜んでいただけて嬉しい!
安房神社の御朱印
主祭神の子孫にものづくりに長けた神様が多いことから、御朱印にも「匠総祖神」と刻んだ印が。御朱印の受付時間は午前8時~午後5時です。
おすすめの理由は御祭神と語呂合わせ!?
今回、オートレーサーとしての運気向上とSSPの発展を願う治親選手をご案内したのは、千葉県館山市の安房神社です。地域で最も社格の高い安房国一之宮で、境内は四季折々の草花が茂り、白い鳥居が建つ桜並木の参道は春になると多くの参拝者を集めます。
治親選手に合うと考えた最初の理由は御祭神。朝廷祭祀を司った「忌部氏(いんべうじ)」の祖にして、一族と共に奈良から四国・阿波徳島へ、さらに阿波徳島から安房国へと移り住み、その土地土地を開拓した神様です。
阿波徳島から安房国へ場所は変われど同じ〝あわ〟に住み、麻の栽培をはじめさまざまな産業を起こしてその土地を繁栄させた神様の由緒は、ロードレース、オートレース、そしてSSPとフィールドは変われど、10代から現在まで一貫してライダーという職業を続けている治親さんと通じるものがあります。
しかも本宮の〝上の宮〟の横に摂社の〝下の宮〟が建つ安房神社。横=サイド、立つ=スタンドで、語呂合わせからも、治親さんが取り組む『サイドスタンドプロジェクト』へのあやかりを受けられる神社と考えたのでした。