「隼」の木製フィギュア、塗ってみた
以前当サイトでご紹介したスズキのアルティメットスポーツモデル「隼」をモチーフにした木製フィギュア。
あまりの出来の良さに感心していましたが、それを見た編集部の北岡センパイからこんな提案が。
「これって、色付けたらもっとカッコよくなるんじゃない? できる??」
「そのくらいお茶の子さいさいっすよ!」
なぁんて安請け合いして、作業開始。
用意したのは模型などのホビーを嗜む方にはお馴染み、タ〇ヤのスプレー缶4色。
プラモデル用なので、木製の面にしっかり乗るか不安はありますが、アクリルガッシュ(水性絵具だけど、乾くと水に溶けなくなるぞ! 広い面をキレイに塗りたいときにオススメだ!)の刷毛塗りよりは綺麗に仕上がるのではと予想。
アクリルガッシュはあとでクリア塗るのも大変だし、昔使ったエアブラシもしまい込んでしまってどこにあるかわからないし……
ということで早速(前回の制作時の失敗に備えて)もう1セット隠し持っていた木製フィギュアに色を塗っていくぞ!
今回の木製フィギュアは組み立ててしまった後だと、内側を塗るのが非常に難しくなるので、組み立てる前にある程度大きな塗装は済ませてしまいます。
やるとなったらとことんやるタイプなので、変に妥協はしたくない!
大きな塗装パートは3つ。
フレーム等の外装とマフラー、ヘッドライトのシルバー。それから外装カラーです。
今回は私が一番好きな『隼』のカラーリングである、「サンダーグレーメタリック/キャンディダーリングレッド」に塗っていこうと思います!
ホワイト&ブルーも綺麗ですが、白色をしっかり乗せるのは大分骨が折れそうですし、誤って色の濃いパーツがはみ出た場合に修正が大変そう……。
サンダーグレーメタリックはガンメタリックを、キャンディダーリングレッドはメタリックレッドを使用します。
ということで、シルバーで塗装するマフラー部分とガンメタリックで塗装する外装パーツのみ先にランナーから外し、それぞれカラーごとの印をつけておきます。
外したパーツは分からなくならないようにランナーに付いている時と同じように並べておくと安心。
手始めに外装パーツに試し塗り。
スプレー塗装の際はなるべく遠くから吹き付けるのがムラなく塗るポイント。
といっても、今回の面は木なので、どうしたって薄く塗ると質感が残りますが……。
ただ、分厚く塗りすぎるとレーザー加工してあるロゴやスリットが消えてしまうので注意したいポイント。
で、試しに塗ってみたものがこちら。
やはり一回の塗装ではうまく色が乗らなかったですが、2、3回に分けて吹くと思ったよりいい感じに。
ちなみに、スプレー作業はなるべく埃っぽくない場所、かつ周囲が汚れても問題ない場所で行おう!
スプレーにより噴霧された塗料は意外と空中を舞って周囲を汚します。お気に入りの洋服なんかも脱ぎ捨ててから作業するのがオススメです!
今回は自宅の風呂場で作業。
こんな風に段ボールの中にチラシ等を敷き、パーツを並べて塗っていきます。
乾くまでにある程度時間がかかるので、シルバーとガンメタリック、ブラックのパーツを交互に重ね塗りします。
シルバーとガンメタリックで塗るパーツを取り外したら、あとはブラックのみなのでランナーに着けたまま塗っちゃいます。
……全部外して両面塗るのは流石に気が狂いそうだし、パーツもごちゃごちゃになりそうなので。
そんなこんなである程度大きな面の塗装が完了!
……にしても……。
家中がシンナー臭えぇぇぇぇっ!!!!
スプレー作業やる時は更なる換気が必要か……。
ちなみに、この後帰宅した兄弟にぶち怒られたのは別のハナシ。
シンナーの臭いに鼻が慣れ切ったころには塗装も乾いたので第2フェイズに入ります。
次の作業は色の塗分け。
ひとつのパーツに2色以上ある部分を塗っていきます。
まずはフロントフォーク。
フロントフェンダーの一部とパーツが一体だったので先にガンメタリックに塗ってしまいましたが、フォーク自体のカラーはブラック。
ということで、ガンメタリック部分にキレイにマスキングしてから、ブラックの部分を再塗装。
マスキングテープを張って、上からブラックで塗装すると……
じゃん!
ピシッと綺麗に仕上がりました!
お次はカウルのメタリックレッドを塗っていきます
ここはマスキングテープでカッティングするより筆の方が速そうなので、筆塗りしていきます。
最大の難関はカウルにでかでかと貼られた「隼」ロゴ。
できうる限り丁寧に作業してもやはり多少はみ出す……。
もっとちゃんとした筆を用意するべきだったか?それに、淵まで綺麗に塗れないのがもどかしい……。
よし、作戦変更。
はみ出す前提で塗って、後からはみ出した部分を地のガンメタリックで修正していきます。
スプレーで塗った部分と筆塗りした部分に多少差が出てしまいましたが、まぁ許容範囲と思って諦めましょう。
そしてリアカウルの小さな「Hayabusa」ロゴや、タンクの「SUZUKI」ロゴはもう捨てます、細かすぎて今の準備じゃちょっとムリ!
プラスチックの綺麗な面なら墨入れができたかもですが、木面は上手くいきそうにないですし。
というか、重ね塗りでタンクの「SUZUKI」ロゴ塗膜で消失してたわ、うっかり。
何はともあれ、ようやく塗装パーツが出そろいました。
後は前回同様組み立てるだけ!
前回のようなパーツをへし折るヘマをしないよう、慎重に組み立てます。
組み立て中、はじめに塗っておくことが出来な箇所も筆でペイント。サイドは塗料が乗りにくいので、塗って乾かしてを繰り返します。
そうして前回よりもテンポよく組立は完了!
……したのですが、この結合部分の塗の残し、というか色の違いがどうしても気になる……。
ええい、ここまで来たらとことんやるぜ!
最後の仕上げに、結合部のツメの側面を丁寧に塗っていきます。
そうして完成したものがこちら!
どうでしょう?
けっこうカッコよく塗装できたのではないでしょうか?
遠目からは元の木製フィギュアの雰囲気は全く感じないですね。
なんとなくコレ、と選んできた塗料でしたが、意外とホンモノのイメージが出てると思う!
でもこれ……
…………
……………………
もしかしなくても、圧倒的蛇足だった?
うん、やはりウッドフィギュアはあの木製の雰囲気を楽しむものだな!
色の無いモノに、想像の中で思いおもいのカラーを見るのが魅力的な製品なのでしょう。
そう思うとやはり、今回の行動は完全にその良さを真っ向からぶち壊しに行く行為だったかもしれません(汗)
まぁでも、もう塗ってしまったし出来栄え自体は気に入っているので、この子も自宅の玄関の賑やかしにするとしましょうか。
(下に続きます)
今回は本当に「なんでやった?」って企画になってしまいましたが、それでも手を動かして何かを作るのは、童心に帰ることができて楽しい!
……色は塗らなくて良いかもしれませんが、『隼』の木製フィギュアは組み立てて楽しい、飾って嬉しい魅力的なアイテムです!
ただ、挑戦する方は是非前回の組立記事をご覧ください!
……油断してるとポッキリやっちゃうかもなので(笑)
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】