MSRとは
1969年に創業したアメリカのアウトドアブランド。創業時から高性能山岳系ギアの開発を行ってて、その技術力は折り紙付き。山岳系だけあって、タフな環境に耐えうる高水準な性能と、軽量さはMSRならでは。
詳しくは公式サイトを見てね。
オートバイのキャンプツーリングだと、エリクサーシリーズの知名度が高いんじゃないかな。
MSRのバックパッキングテントシリーズの中でも、居住性が高くて値段も抑えめ。
ダブルウォール構造で前室も十分に確保されてる快適サイズなのに、収納サイズが48cm×15cmで最大重量が2160gと超コンパクト。
もう少し広さが欲しい人ならエリクサー2という選択も。末尾の数字は想定使用人数ね。わかりやすい。エリクサー2だと寝室の幅が約1.5倍で、さらに前室と同サイズの後室も装備。でも収納サイズが51cm×17cmで総重量2770gと、これまたコンパクト。
ちなみにスーパー・カブカブ・ダイアリーズ第1回の雪中キャンプでもカブ仲間がMSR使ってた。
めちゃめちゃコンパクトで軽量なのに前室もしっかりとあるし、UL系にも快適系にもオススメできる素晴らしい一張り。
MSR ハバハバ バイクパック
そんなMSRからバイク(自転車)向けテントとして新たに登場したのが「ハバハバ バイクパック」。
バハバハじゃなくてハバハバね。XLRとかのアレはBAJA。こっちはHubbaHubba。
ぐぐってみたところ、第二次世界大戦下における米兵のスラングで「いいぞー」とか「行け行けー」みたいな意味らしい。
調べてたらペリー・コモ(20世紀を代表するアメリカの大物シンガー)の曲で、もろにA Hubba Hubba Hubbaってのがあった。この曲が1945年らしいので、終戦頃に流行ってた言葉なのかも。
名前で脱線しちゃったけど、そもそもMSRのバックパッキングテントシリーズに「ハバハバ シールド」というこれまた名作テントがあるのよ。
MSRのバックパッキングテントの中でも代表的な一張りで、エリクサーに近い居住性をもちながら、収納サイズが46cm×10cm、総重量1110g(ハバハバシールド1)という高性能テント。
参考までに二人用のハバハバ シールド2だと収納サイズは46cm×11cmで総重量1470g。
二人用でも、エリクサー1よりコンパクト軽量なのよね。さすがMSRを代表するテント。
そんなハバハバシールドをベースに自転車での使用を追求して新しく作り上げられたのが、今回の主役である「ハバハバ バイクパック」。
テントサイズはハバハバ バイクパック1(一人用)とハバハバ バイクパック2(2人用)の2種類。
で、これが単純にハバハバ シールドにバイク用って名前を付けただけじゃないのよ。
収納幅は驚きの36cm
特に注目なのが収納サイズ。ハバハバシールドの46cmに対してバイクパックは36cmと10cmも短くなってるのよ。
ハバハバ バイクパック1 | ハバハバ シールド1 | |
収納サイズ | 36cm×17cm×11cm | 46cm×10cm |
総重量 | 1380g | 1110g |
どれくらい小さいか、ナルゲンボトルと比較するとこんな感じ。
ハバハバ シールドと収納幅が違うということは、つまりフレーム自体が専用設計になってると思われる。全長を短くすることで、ドロップハンドルにも無理なく装着できるってことね。
この短さなら、ハンターカブのハンドルにも着くんじゃないかな。ウィンカーの移設は必要になりそうだけど。もしくは、キャリアの横に引っ付けれそう。それくらい小さい。
ハンドルマウント用パーツが秀逸
上の画像だと普通にハンドルに装着されてるけど、なんもなしでハンドルに装着するとテントがハンドルにめり込んでしまて操作性が悪くなりそうじゃん。
そこでハンドル装着用のスペシャルパーツも付属してるのよ、これね。
収納袋に取り付けることで、ハンドルとの隙間を作ってくれるスペシャルパーツ。これ、オートバイのキャリアサイドとかに引っ付けるときも便利な気がする。
充実のギアポケット
内部にはギアポケットが設けられてる。ギアポケットにコードを這わすことで、物干しにもなてるのね。ギアを乾かすことを前提としたつくりは、さすがサイクル用って感じ。もちろん、オートバイのキャンプツーリングでも便利でしょ、これ。
スマホとかメガネをいれるポケットも別に設けられてるよ。これ、快適キャンプには割と必須装備ですよね。
シュラフを干すのも安心よ
個人的に気に入ったのが、フライ上部に物干しロープを装着できること。
キャンプの朝って、シュラフやグランドシートなんかを干すことで撤収が楽になるんだけど、割と風で飛んでいきがちなんですよね。そこで物干しロープを使ってシュラフや衣類をフライ上部に止めておくことができるってワケ。
インナーとフライ
インナーの構造はMSRならではの、ダブルY字で頂点に短いフレームを組み合わせる、軽量で居住性の高い構造。白い部分は10Dポリエステルマイクロメッシュなので、イメージとして3シーズン向け。
このインナーにフライを被せるシンプルな構造。シンプルだけに設営も簡単そう。
なによりも、フライとインナーの距離感が凄く良い。結露防止のためにも、ここの隙間の量は非常に重要だもんね。
まとめ
決して安いテントではないけれども、そのスペック、快適性は圧倒的。テントの使いやすさって、キャンプツーリングの楽しさに大きく影響するだけに、MSRのハバハババイクパック、覚えておいて損は無いよ。
レポート:若林浩志