2024年3月8日〜10日に開幕したMotoGP2024年シーズン。Moto3ではベテラン勢がステップアップしたこともあり、2024年は若手たちによるチャンピオン争いが繰り広げられることになる。開幕戦では昨年鮮烈なデビューを果たし、ルーキーながら最多勝を記録したダビド・アロンソが優勝。続く第2戦ポルトガルではフル参戦3年目のダニエル・オルガドが持ち前の勝負強さをみせた。

今年は2~3年目のライダーがアツい! 若手たちによるチャンピオン争いが開幕

ジャウマ・マシアと佐々木歩夢のチャンピオン争いとなった2023年シーズン。マシア、佐々木、デニス・オンジュのランキング上位3名がMoto3クラスを卒業したことで、今年は同クラスでのキャリアが3年以内という若手たちによるチャンピオン争いとなる。

そんな中、チャンピオン候補筆頭が昨シーズン、ルーキーながら4勝を挙げ、ランキング3位を獲得したアロンソだ。第9戦イギリスGPで後方からのスタートだったアロンソは次々にポジションを上げていき、トップ集団に追いついてからはベテラン勢とのバトルを制しGP初優勝を達成。

第11戦と第12戦で連勝、第17戦でも優勝し、チャンピオン争いを繰り広げていたマシアと佐々木よりも多い勝ち星を挙げ、ルーキーながらランキング3位でシーズンを終えた。

今季もAspar Teamから参戦するアロンソだが、マシンがGASGASからCFMotoに変更。マシンが変わったにも関わらず、開幕戦ではいきなり優勝したアロンソはチャンピオン争い筆頭といっても良いだろう。

画像: 2年目のアロンソが開幕戦で優勝。昨年の最多勝男がタイトル獲得に向けて最高のスタートを切った。

2年目のアロンソが開幕戦で優勝。昨年の最多勝男がタイトル獲得に向けて最高のスタートを切った。

そんなアロンソに次いでランキング5位に入ったのがオルガドだ。2年目のシーズンだった2023年に飛躍を遂げたオルガドはシーズン前半で3勝をマーク。しかし、シーズン中盤から後半にかけて失速してしまい、チャンピオンには届かなかった。

アロンソ同様、オルガドもチームはTech3と変わらないが、マシンはKTMからGASGASにスイッチ。カラーリングも一新したオルガドは開幕戦を2位で終えている。

オルガドに次いでランキング6位に入ったイヴァン・オルトラも昨シーズンに初優勝を含む2勝をマークし一皮剥けたライダーで、ランキング9位だったホセ・アントニオ・ルエダも今シーズン注目の1人である。

これらのライダーに共通しているのが世界選手権の下にあるジュニアカテゴリーであるFIM CEVやRed Bull MotoGP Rookies Cup、European Talent Cupでチャンピオンに輝いていることだ。今年は例年以上にMoto3常連のベテランたちではなく、熾烈なジュニアカテゴリーで1番を獲得してきた活きのいいライダーたちによる世界チャンピオンをかけた戦いになる。昨年とは違ったバトルが見られるはずだ。

佐々木がMoto2クラスへステップアップ、鳥羽海渡はスーパースポーツ世界選手権へ戦いの場を移したことで、今年は古里太陽、鈴木竜生、山中琉聖の3名の日本人ライダーが継続参戦する。

古里はHonda Team Asiaから継続参戦。開幕前のテストでは今季からタイヤサプライヤーがピレリに変わったことにより合わせ込みに苦労していたという古里だったが、開幕戦では力強い走りを披露。決勝では3位に入り、自身初の表彰台を獲得している。

日本勢では最も世界選手権のキャリアが長い鈴木は、Leopard Racingから佐々木が在籍していたLiqui Moly Husqvarna Intact GPに移籍。新チーム、そしてマシンが変わった鈴木だったが、開幕戦では7位に入りまずまずのスタートを切った。スピードに定評のある鈴木にとっては予選での上位進出も期待したいところだ。

山中はAspar TeamからMT Helmets MSIに移籍。前年はマシンやチームとの相性がよくないこともあり苦しい一年となったが、今年は心機一転新しいチームでの参戦となる。開幕戦では転倒リタイアに終わるも、昨年以上の成績に期待したい。

オルガドがルエダを抑え今季初優勝!

予選ではクラス2年目のルエダが獲得。予選で速さをみせているジョエル・ケルソが2位、ランキングトップのアロンソが3位につけた。

開幕戦で好調だった日本勢だったが、今大会に関しては苦戦。山中の17番グリッドが予選最上位で、鈴木が20番手、古里が21番手と後方からのスタートとなった。

決勝ではポールシッターのルエダが好スタートを切ってトップでレースを引っ張っていく。スタートを決めたオルガドが2位に浮上、以下先行。アロンソ、ケルソと続いた。

先頭のルエダはトップに立つも集団から剥け出すことができず、 トップグループは縦長の集団に。大きな動きがない中、6周目にアロンソが動く。2位のオルガドを抜きルエダの背後につき隙をうかがうも、オルガドに2位のポジションを奪われてしまう。集中力を欠いたのか、アロンソは9周目にブレーキングミスを犯しオルトラにも抜かれ4位に後退してしまった。

後退したアロンソだったが、すぐにリズムを取り戻しポジションを回復。トップのルエダをパスしトップに浮上した。先頭に出たアロンソは後続を引き離すべくペースを上げていく。

画像: ルエダを従えオルガドがトップチェッカー。開幕戦のリベンジを果たした。

ルエダを従えオルガドがトップチェッカー。開幕戦のリベンジを果たした。

しかし、オルガドがアロンソを残り5周でオーバーテイク。一時ポジションを落としたルエダもアロンソを攻略しオルガドに迫っていく。

オルガドとルエダの一騎打ちとなったファイナルラップ。ルエダはオルガドの真後ろまで詰めるも仕掛けるまでには至らずそのままの順位でフィニッシュ。

オルガドがトップチェッカーを受け今季初優勝となった。2位にはルエダ、3位にはアロンソとのバトルを制したオルトラが入っている。

日本勢は鈴木が13位でポイントを獲得。古里は18位で入賞ならず、山中はオープニングラップに転倒を喫してしまいリタイアに終わっている。

画像: オルガド、ルエダ、オルトラとスペイン勢が表彰台を独占した。

オルガド、ルエダ、オルトラとスペイン勢が表彰台を独占した。

2024 Moto3 第2戦ポルトガルGP 決勝結果

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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