文・写真:西野鉄兵/モデル:カナイメグ
現代的な装備をまとっても“マット”らしさは変わらない
2016年にイギリスのバーミンガムで誕生し、日本では2019年からピーシーアイにより輸入販売が開始されたマットモーターサイクルズ。
2023年までは空冷単気筒エンジンを搭載した250cc・125ccモデルをさまざま展開してきました。共通していえるのは、どの車種もまるでノーマルには見えないこと。創業者はもともとカスタムビルダーで、スタイリングやディテールへのこだわりは並々ならぬものが感じられます。シンプルな機構と、かっこいいデザインが支持されてきました。
そういったメーカーだっただけに2024年のニューモデル「DRK-01」は、衝撃的でした。新開発の水冷DOHCエンジンを搭載! さらに倒立フォークを備え、フロントのディスクブレーキには4ピストンキャリパーを採用するなど、性能面をアップグレードさせたのです。
空冷エンジンは古き良きオートバイ然としたスタイリングと相性が抜群。水冷エンジンでは見た目の味わい深さを表現するのは難しいものです。
「DRK-01」はマットモーターサイクルズの新境地といえるでしょう。従来の空冷モデルを知る人なら、「マットだ!」とすぐに分かる仕上がり。だけど既存の車種とは明らかにコンセプトが異なります。
水冷エンジンを空冷に見せかけるようなことはせず、ラジエーターの存在もはっきり主張し、巧みにまとめ上げています。
またLEDの灯火類も上手く活用。ノーマル状態には決して見えないという、マットモーターサイクルズならではのこだわりは、水冷エンジンになっても変わっていません。
実車を間近で見ると各部の仕上げが美しく、黒のしまりも効いていて高級感たっぷりでした。
シート高は791mm。身長160cmのカナイメグさんが跨ったところ、両足つま先がしっかりと接地しました。ポジションはアップライトで、気楽に乗れそうです。
今回の撮影車両は「DRK-01 250」ですが、原付二種の「DRK-01 125」もラインナップ。それぞれこのカラー以外に2色ずつ用意されています。
文・写真:西野鉄兵/モデル:カナイメグ