まとめ:斎藤 ハルコ/写真:松川 忍
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2024年6月号に掲載したものを一部編集して公開しています。
今回のゲストは全日本ロードレース選手権JSB1000に参戦中の水野涼さん
水野選手の目標・お悩み
レースや自身の活動を通じて、オートバイの楽しさを一人でも多くの人に伝えたい!(目標)
オートバイの迫力・爽快感よりも危険なイメージが先に来る現状を変えたい(お悩み)
レースのプロだけど公道は2度目の新人です!?
僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした〝神社ソムリエ〟として、ゲストのお人柄や願い・目標に合う神社へとご案内しているこの連載。38回目のゲストは、全日本ロードレース選手権に参戦中のレーシングライダーである水野涼選手です!
2023年まで11年間、ホンダのライダーとして活躍してきた水野選手ですが、今シーズンは二輪レース界のレジェンドライダー・加賀山就臣さんが率いる「ドゥカティ・チームカガヤマ」に移籍。しかも2022年、2023年のスーパーバイク世界選手権チャンピオンマシンであるドゥカティ製ワークスマシン、パニガーレV4Rでの全日本チャンピオン獲得に挑戦中とあって、大きな注目を集めています。
今回の開運ツーリングでも、マシンは当然ながらドゥカティ。ですが水野さん、大型二輪免許を取得して数ヵ月とのことで、一般公道を走るのは今回が2回目だったとか。ディアベルV4をセレクトした理由は「せっかくなのでレーサーとは違う街乗り仕様のバイクに乗りたかったのと、見た目の格好良さ! 」とのことで、直進性の良さと高速道路の快適な加速感に笑顔を見せていました。
今回は水野選手が今シーズンにかける想いや、プロライダーとして見つめる未来についてもしっかりお聞きしたので、スペシャルトークもお楽しみください!
ツーリングの目的地は群馬県の前橋東照宮
モダンな社殿は歴史ある本殿を遺すため
寛永元年(1624年)、徳川家康公の孫にあたる大名・松平直基公が幕府から最初に賜った領地の越前勝山城内に創建。その後、松平家は120年の間に10回も領地が変わりましたが、そのたびに奉遷(御神体を移すこと)されました。
現在の本殿は江戸時代中期に前橋城に入城した松平家が、大洪水で城を流され、分領地の川越へ避難していた時に造営されたもの。令和3年には歴史ある本殿を後世に遺すことを目的に「令和の大改修」が行われ、新しい形の神社として生まれ変わりました。
\ 水野さんだから /
おすすめの3つの理由
1.天下統一した家康公と勉学の道真公が御祭神
→つねに学び、王者を目指す水野選手に最適!
2.雑に接すると祟る強い妖怪をお祀りしている
→ていねいに参拝して強力なパワーにあやかる
3.本殿を新しい拝殿で囲む新しい在り方の神社
→バイク=危険の古いイメージをアップデート
ご案内したのは、神社ソムリエの〝推し神様〟が鎮座する神社
水野選手をご案内したのは群馬県の前橋東照宮。前橋東照宮は天下統一した徳川家康公と、学問の神様で知られる菅原道真公、安産の信仰で知られる木花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)と長壁様(おさかべさま)の四柱をお祀りしています。まず、つねに周囲に学ぶ姿勢を持ち、日本王者を獲得した後に世界のトップを目標とする水野選手には、家康公と道真公にあやかっていただきたいと考えました。
そして前橋東照宮は、まるで美術館のようにモダンな拝殿の中に、江戸時代に造られた歴史ある本殿がすっぽり包まれた、かつてない佇まいの神社です。歴史や伝統のイメージを持つ方も多い神社ですが、大切な神様がやどる場所という不変の真理を守りながらも、じつは時代や人々の変化に合わせどんどん新しく変わっていく面があります。それを体現する前橋東照宮なら、「バイク=危険」という旧来のイメージを変えていきたいと願う水野選手へのご利益が期待できます。
さらに御祭神の長壁様は、日本でも最強部類の力を持つ女性の妖怪という伝説があります。粗末にすると祟るほどの強い力を持っていますが、逆に言えば、きちんとお祀りすれば最強の守り神になってくださるということ。さまざまな御縁があり、長壁様は僕の〝推し神様〟なのですが、その推し神様の力で水野選手の挑戦を後押ししたいと考えたのでした。