日本グランプリ開催は今週末!

1995年に、史上最年少で全日本トライアルチャンピオンを獲得、96年には世界選手権トライアルに参戦を開始し、そのアクセルの開けっぷりの良さから、スペイン語でいう「スロットルON」=ガスの愛称を重ねられ「フジガス」と呼ばれていた藤波貴久。
いや、2021年いっぱいで現役生活を引退したから、本来は藤波貴久さん、と表記するべきなんだろうけれど、まだまだ選手のオーラを漂わせているから、ここでは藤波、と記します。ご了承ください。

画像: 最強チャンピオンチームの監督、藤波貴久 スペインで熱狂的な人気のあるトライアルで、外国人が最強チームの指揮を執っている、というスゴい状況にいるのだ

最強チャンピオンチームの監督、藤波貴久 スペインで熱狂的な人気のあるトライアルで、外国人が最強チームの指揮を執っている、というスゴい状況にいるのだ

「とはいえ、現役を引退して3年が経ちますからね。体だってふた回りくらい大きく、重くなっちゃった(笑)」という藤波。三重県四日市出身、ちょっと関西なまりのある語り口はずっと変わらない、2004年世界トライアル選手権チャンピンにして、現在はチャンピオンチーム「レプソルホンダ」の監督だ。

「今はチームの本拠地があるスペイン・バルセロナに住んでいます。選手時代からは、生活のサイクルがガラッと変わりましたね。昔はレースのことを考えるのを中心に生活していたのが、今はトレーニング、ジムワークをしなくなっちゃいました(笑)。テストライダーとしても契約してもらっているので、マシンテストやニューパーツの試走なんかはするんですが、それでも現役ライダーたちが走るようなコースやセクションはもう走れませんし。その分、チームマネージャーの仕事をするようになったし、それはチーム運営のことを考えたり、スケジュール管理やレースやトレーニングに対する移動の段取り、チームトラックのデザインなんかも僕の仕事。現役時代より自宅にいる時間も少なくなりましたね」

画像: 現役時代の藤波の走り 「体力テストでは、引退するくらいまでずっとベストの状態を伸ばしていけていたんですよ。トニーだって今、まだまだ体力が落ちてるなんてことないんです」(藤波)

現役時代の藤波の走り 「体力テストでは、引退するくらいまでずっとベストの状態を伸ばしていけていたんですよ。トニーだって今、まだまだ体力が落ちてるなんてことないんです」(藤波)

1980年1月生まれの藤波は、今年44歳。日本人で初めてワールドチャンピオンを獲得した2004年はもう20年前、24歳の頃だ。もちろん、いまだに2輪/4輪を問わず、モータースポーツの最高峰クラスでワールドチャンピオンになったのは、藤波ただひとりだ。

「結局、21年シーズンいっぱいで現役を退きましたが、それが41歳のころ。トライアルって、長く続けられるスポーツだって思われていますが、僕が異例に長かったんです。24歳でチャンピオンを獲って、そのあとは30歳前くらいから『いつ引退するんだよ』ってよく言われていましたから、やっぱり異例に長い選手生命だったんですね」

画像: 日本グランプリに出場する、レプソルホンダのガブリエル・マルセリ(左)、トニー・ボウ(中央)、そして藤波貴久監督

日本グランプリに出場する、レプソルホンダのガブリエル・マルセリ(左)、トニー・ボウ(中央)、そして藤波貴久監督

今は、変わらず最強チームであり続けるレプソルホンダの監督として、トニー・ボウ、ガブリエル・マルセリという、ふたりのスペイン人ライダーを率いる立場。
ボウは、言うまでもなく世界トライアルの「帝王」であり、スペインの「至宝」とも呼ばれるグレートチャンピオン。2輪モータースポーツで、いちばん多くのタイトルを獲得しているライダーで、07年にレプソルホンダに加入して以来、Xトライアル(インドア)とトライアルGP(アウトドア)あわせて34連覇を達成。24年もここまでXトライアルを4戦全勝している。
マルセリは19年にトライアル2クラスのヨーロッパチャンピオン、世界タイトルも獲得したライダーで、22年にレプソルホンダに加入して、今シーズンが3年目のシーズンになる。

「トニーは、もちろん偉大なチャンピオン。34連覇もしているライダーに何をアドバイスするんだ、なんて思うでしょうが、それでも僕が修正してあげられることはたくさんある。実はトニー、時々お尻ひっぱたいてやらないと、ちょっと気を抜いちゃうことがあるんです(笑)。それを、彼は僕の言うことだから、って聞いてくれるんです。リスペクトしてくれているのがわかるんですよ」

ボウがグレートチャンピオンなのは間違いないとして、ボウにしてみたら藤波は6歳年上の、07年にチーム入りした時からの先輩ライダーであり、先に世界を獲ったチャンピオン。ライダーとしての気持ちを一番よくわかってくれているチームマネージャーであり、アドバイザーだ。

画像: グレートチャンピオンにアドバイスを送る藤波 「トニーも僕をリスペクトしてくれているから、やりにくいことなんてなんですよ。それにしても34連覇なんてね、まだまだ記録は伸びるかもですよ」

グレートチャンピオンにアドバイスを送る藤波 「トニーも僕をリスペクトしてくれているから、やりにくいことなんてなんですよ。それにしても34連覇なんてね、まだまだ記録は伸びるかもですよ」

「そうですね、僕はライダーの気持ちが一番よくわかる監督なのかもしれない。今ライダーがこういう状況にいる、どう声をかけたらいいのか、そっとしてあげた方がいいのか、ライダー側の気持ちもよくわかりますから。そういう意味で、今チームはすごく上手く回っていると思います」

そして今週末の5/18-19には、トライアルGPの開幕戦「大成ロテック」日本グランプリがモビリティリゾートもてぎで開催される。インドアのXトライアルはしばしインターバルに入って、アウトドアのトライアルが開幕するのだ。

画像: インドアのXトライアル第4戦で1-2フィニッシュを果たしたレプソルホンダ この光景が、またもてぎで見られるか

インドアのXトライアル第4戦で1-2フィニッシュを果たしたレプソルホンダ この光景が、またもてぎで見られるか

「Xトライアルは、トニーが4戦全勝、ガブリエルがランキング2位でインターバルを迎えられます。5/4のスイス大会でも、今シーズン2回目の1-2フィニッシュを決められましたからね。トニーはランキングのリードをさらに広げて、ガブリエルは目標にしていたランキング2位に返り咲きました。ライダーふたりともいい状態で日本グランプリを迎えられると思います。トニーは間違いなく世界最高レベルにあるし、ガブリエルはどんどん進化して、いよいよ優勝に手が届くところまで来ています。僕らの目標は常に1-2フィニッシュ。もてぎでもいいパフォーマンスを見せられると思いますので、ぜひ現地に足を運んで、応援お願いします」

画像: 2024 Hertz FIM トライアル世界選手権 開幕戦 大成ロテック日本グランプリ 5月18-19日 in 栃木県モビリティリゾートもてぎ 詳細はhtps://www.mr-motegi.jp/wctrial/へ

2024 Hertz FIM トライアル世界選手権 開幕戦 大成ロテック日本グランプリ 
5月18-19日 in 栃木県モビリティリゾートもてぎ 詳細はhtps://www.mr-motegi.jp/wctrial/へ

2024 Hertz FIM トライアル世界選手権
開幕戦 大成ロテック日本グランプリ
5月18-19日 in 栃木県モビリティリゾートもてぎ
詳細はhtps://www.mr-motegi.jp/wctrial/へ

写真/Honda 文責/中村浩史

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