歩道は走れません! の潔さがスズキらしい電動モペット
スズキがパナソニックサイクルテックと共同開発した新ジャンルの折り畳み電動モペッド『e-PO(イーポ)』がナンバーを取得し、具体的に公道での走行調査を静岡県浜松市中心で行うとスズキから発表がありました。
まずはおさらいですが、この折り畳み自転車にしか見えない乗り物は、自転車ではありません。完全なる原付一種(50ccのバイクと同じ扱い)となります。
なので、最近よく聞く「特定小型原動機付自転車(以下特定小型原付)」のように歩道を走ったりすことは一切できません。ただ、ここで『それじゃ意味なくない?』と思うのは早計。ちょっと考えてみてください……
まず、このe-POは原付一種となるので50ccバイクと同じく車道を時速30kmで走ることができるのがメリット。フル電動でそれだけの速度を出せるモーターを搭載しています。特定小型原付は車道でも時速20kmまでなので、ここは大きなアドバンテージ。
ちなみに自転車と同じく「人がペダルで漕いで走らせることもできる」のも、実際はかなり助かる部分です。
電池切れの不安が少ない
私(北岡)は過去にいくつか電動コミューターに乗ったことがあります。その時にいつも感じていたのがガス欠ならぬ電欠というかバッテリー切れの恐怖に他なりません。
実際に乗ってみるとわかるのですが、こういうのってバイクでガス欠寸前の状況に陥った時と同じく、内心でかなりソワソワするんです。正直、電池切れに怯えて走るしかなくなります。
バッテリーが終わったら、あとはもう押して歩くしかない……はっきり言いますが私ならそれは嫌です。
だけどe-POの場合、最悪バッテリーが終わっても、万が一故障しても(走れるのは車道のみですが)自転車として漕いで家まで帰ることができる! これは本当にありがたい……
まぁ、電池や動力系などは電動アシスト自転車のノウハウを持ったパナソニックサイクルテックとバイクメーカーのスズキが開発に携わっているので「故障の心配」はあまり無さそうですが……
そして使用されるリチウムイオンバッテリーはパナソニックサイクルテックの電動アシスト自転車に実用化しているものを採用。信頼性もあるうえに、すでに広く売られているものであることから、バッテリー自体のコストが非常にリーズナブルです。
写真では16Ahのバッテリーを搭載していますが、参考として現在のこのバッテリーの価格はパナソニックサイクルテックのメーカー希望小売価格ですら4万9000円(10%税込)なんですよ?
電動バイクのバッテリーって異様に高価なイメージしかないんですが、さすがはスズキ、目の付け所が違う。これなら「予備も買おうかな?」って思えるし、バッテリーが劣化しても再購入というイメージが持てます。
しかもこれ「折り畳み式」でしょう?
見た感じだと普通の乗用車にだって積めそうだから、アウトドアや旅行などに出かけるときは持ち出しもできる。出かけた先で乗り物がある便利……想像するだけでワクワクです。
ガソリンエンジン搭載車にはない気軽さで、遊びにだって使えそう!
普段は原付バイクとして日常にフル活用。万が一バッテリーが終わってもちゃんと家まで帰れる安心感。そのうえでレジャーにも使えるとなると……
これ、ひょっとしてけっこう良くない?
(下に続きます)
実を言うと私は最初「e-PO」に対して懐疑的でした。なんなら同時発表された『e-チョイノリ』のほうが魅力的に見えてました。だけど知れば知るほどに『これ日常のアシとして最強なのでは?』と思うようになっています。
なので是非とも実用化して欲しい!
ぶっちゃけますが実際に販売されるようになったら『真面目に欲しいぞ!』 って思ってますので……
お願いしますよ、スズキさん!