安心してください! そんな悩みを解決してくれる技術が新しく出ました! 今回はHONDAから新しく登場したクラッチレバー操作不要の「HONDA E-Clutch」という電子制御クラッチのメディア試乗会に参加してきましたので、ツーリングライダー目線でお伝えします!
E-Clutchって何?カブみたいな感じ?DCTと違うの?
私は技術的な難しい話は苦手なので、凄く簡単にご紹介します。
HONDAのクラッチというとカブシリーズに搭載の「自動遠心クラッチ」や、CRF1100L Africa TwinやRebel1100に搭載されている「DCT」をまず思い浮かべます。自動遠心クラッチはクラッチ操作不要で初心者の方でも操作がしやすく乗りやすい、DCTもクラッチ操作不要でオートマチックだけどマニュアルバイクのような変速感を楽しめる機能です。
そして今回試乗するHONDA E-Clutchもクラッチ操作が不要です! 自動遠心クラッチやDCTと違うのはクラッチレバーが従来通り装着されているということ。クラッチレバー操作をするのもしないのもライダーが選べるけど、シフトペダルの操作は必要となります。
え? それならE-Clutchなしの普通の車両で良くない? って思われませんでしたか?「どういうことなんだろ?」と、私も思いました! まぁそんな事言わずに・・・試乗してみようじゃないか!
HONDA E-Clutchの見た目はどんな感じ?
HONDA E-Clutchは右側のクランクケースサイドカバー部にユニットが追加されています。標準モデルと比べると、どのぐらい張り出しているのか比較してみましょう。
左が標準、右がHonda E-Clutch搭載車両。比べて見ると結構張り出してるな・・・これは運転してても気にならないんでしょうか? 次はポジションチェックしてみよう!
実際にバイクに跨ってみると、足も当たらないし自分の足で張り出し部分も見えないので気になりません。気になるとしたら降りてバイクを眺めた時に「なんか出てるな?」と思う事でしょうか。
走り出しは? 坂道発進は? 実際に乗ってみた感想
まず最初にニュートラルから1速に入れるのにクラッチを握らずにシフトダウンするのが緊張しましたが、いざクラッチレバーを握らずアクセルをじんわり開けていくとスムーズに発進。一度走り出すと、もう普通のクイックシフターが付いたバイクと変わりません。ただクイックシフター付きのバイクは1速から2速にアップする時は「ガコンッ」と衝撃があるのが殆どですが、Honda E-Clutchが付いたバイクはその衝撃が全くありません。
そして気になる坂道発進。0キロ発進でも本当にエンストしないで走り出してくれる! いや、これは凄い! と何回も同じ事を繰り返していましたが、何回やってもエンストしない。DCTの時は低速だと「ガガガッ」と振動がありましたが、これはスムーズに走り出してくれます。これは低速走行で転回する時も同じで嫌なガタ付きもないので、人間が操作する半クラッチの感覚で走行ができます。
実は最初に坂道で停まった時にいつもの癖でクラッチを握ってしまい、その後はギアが入ったままクラッチを離してエンストをする・・・という初歩的なミスをしました。Honda E-Clutchが作動しているモードであればギアが入ったままクラッチを離しても問題ないのですが、クラッチを握ると一時的にHonda E-Clutchが解除されるので、普通のMTバイクと変わらない操作をしなくてはなりません。
クラッチ操作が染み付いている方は、意識が薄くなるとついついクラッチを握って混乱する場面もあるかも知れないですね・・・。
Honda E-Clutch、買う? 買わない?
正直試乗するまでは普通のMT車でいいじゃんと思っていた私ですが、一度乗ってしまうとその便利さに感動! 絶対にエンストしない、というのは初心者の方にも凄く有り難いのではないでしょうか? 私自身バイクに乗りたての頃は発進時のクラッチ操作がうまくできずにエンスト→バランス崩す→立ちごけの流れが多くあり「バイク怖い・運転技術に自信ない」でしばらくバイクを離れた時期もありました。だけどその悩みを解決してくれるのがHonda E-Clutch!! バイクに慣れるまで、このシステムに頼るのもありかも知れません。
そして標準車とHonda E-Clutch装着車の金額差は5万5000円。私はこのバイクを買うのか・・・?買わないのか・・・?
・・・買います! だって楽だから。きっとクラッチ操作もバイクの楽しみの一つだ! という方もいらっしゃるでしょう、その通り私もそう思います。だけど渋滞時のクラッチ操作は何も楽しくないし、むしろ修行でしかないです。だったらHonda E-Clutchに頼って楽したい。この取材の翌日に大渋滞の首都高をバイクで走行中に思ったのは「Honda E-Clutch欲しいー!!」でした。
このシステムはオンオフで切り替える事ができるので、ツーリングの行き・道中はオフにして、帰りの疲れた時はオンにするのが一番理想的だな、と思いました。
DCT搭載車用はクラッチレバーが元々ありませんが、Honda E-Clutch搭載車は標準車と同じくクラッチレバーがあります。なので自分の感覚でゆっくり走りたい時には、通常通りクラッチを握って半クラッチ操作もできるのでUターン時も安心ですよね。
今はCB650RとCBR650Rの2台のみのラインアップですが、これから様々な排気量のバイクに展開されたら良いですよね。大排気量も欲しいですが、250ccなどの小排気量にも展開されてきたらもっとバイク人口が増えそうだなと、未来にワクワクしたRurikoでした。