文:太田安治/写真:南 孝幸
クシタニ「アクアジャケット」テスト&レポート
レインウエア不要の防水性と換気性能を備えたツーリング向け万能ジャケット
年間を通じて走るライダーなら、季節に応じたアウターを用意しておきたい。防寒性能の高いウインタージャケットと真夏向きのメッシュジャケットは求める機能が決まっているので選びやすいが、3シーズン用ジャケットは選択肢が豊富なだけに迷ってしまいがちだ。
僕は雑誌や動画の撮影用に複数のジャケットを用意してあるが、プライベートでは防水ジャケットを着る頻度が圧倒的に高い。バッグかシート下にレインウエアのパンツだけ入れておけば急な雨にも慌てず、荷物もかさばらないからだ。
とはいえ防水性能の高い生地は通風性がほとんどないので、外気温が20℃を超えると暑くるしく感じるのも事実。そこで僕が普段使いしているクシタニのアクアジャケットを紹介しよう。
表地は軽量なポリエステルで、素材の耐水・透湿機能に撥水加工をプラス。浸水しやすい前合わせ部分は三重構造になっていて、袖丈と着丈も長め。過去のツーリングで何度も雨に遭遇したが、土砂降りの中を1時間走ったときにヘルメットを伝って落ちた雨粒によって首まわりが少し濡れただけ。レインウエアと同等の防水性を実証済みだ。
活用頻度の多い装備が上腕部と背中の上部にある開閉式のベンチレーター。走行風が上腕部から入って上半身全体の熱気を背中から排出してくれるので、走行中は外気温30℃でも暑さを感じない。
生地に張りがあるので着た瞬間はゴワ付きを感じるが、移動中はストレスなし。天気の変化が多いツーリングだけではなく、通勤通学にも適した仕上がりだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
雨中の高速連続走行を想定して、両サイドのポケットに胸ポケットと同じ止水ファスナーを採用して欲しい。前合わせがWファスナー仕様なら30℃超えでも快適に着られそう。「ロードアドベンチャージャケット」に進化させてください。
文:太田安治/写真:南 孝幸