前戦オランダラウンドから1ヶ月以上の期間が空いたSBK2024年シーズン。6月14日から16日にかけて行われた第4戦の舞台はイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリのエミリア・ロマーニャラウンドだ。例年以上に接近戦が展開されている今シーズンだが、今季BMWに移籍したトプラク・ラズガットリオグル(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)が勢いに乗っている。

ドゥカティワークスの2台を従え、ラズガットリオグルが優勝

画像: 好スタートを切ったガードナーをパスし、トップに立つラズガットリオグル。

好スタートを切ったガードナーをパスし、トップに立つラズガットリオグル。

スーパーポールではラズガットリオグルがポールポジションを獲得。2番グリッドにはルーキーのニッコロ・ブレガ(ARUBA.IT RACING - DUCATI)、3番グリッドにはレミー・ガードナー(GYTR GRT YAMAHA WORLDSBK TEAM)がつけた。

ランキングトップのアルバロ・バウティスタ(ARUBA.IT RACING - DUCATI)は5番グリッド、ジョナサン・レイ(PATA PROMETEON YAMAHA)は後方15番グリッドからのスタート。レイは前戦のオランダでポールポジションを獲得して見せるなど復活が期待されていたが、第4戦でも苦戦が続いている。

レース1は気温29度、路面温度44度のドライコンディションの中、21周の決勝レースがスタート。

3番グリッドのガードナーが好スタートを切りホールショットを奪う。ラズガットリオグルは2位、3位にはバウティスタが上がってきた。一方2番グリッドスタートのブレガは4位に後退してしまった。

ガードナーが快調に飛ばすも、4周目のターン8でラズガットリオグルがガードナーを捕らえオーバーテイク。レース序盤にしてトップの座を奪い返す。

トップを奪われたガードナーはそこからペースが上がらず後退。バウディスタとブレガのドゥカティ勢にも捕らえられ、その後もポジションを落としていく。

画像: ドゥカティワークス同士の戦いはルーキーのブレガに軍配。

ドゥカティワークス同士の戦いはルーキーのブレガに軍配。

レースの焦点は2位争いに。バウティスタとブレガのチームメイトバトルは8周目にブレガがバウティスタをオーバーテイクし2位に浮上。このバトルもありラズガットリオグルは独走状態となった。

ブレガに抜かれたバウティスタはフロントタイヤのグリップに苦しみ3位確保に切り替え、上位3台は間隔が空いた状態でチェッカーを目指す。

上位では唯一SC-2(ハードタイヤ)を装着したラズガットリオグルが2位ブレガに1.7秒差をつけトップチェッカー。早くも今季4勝目となった。

2位にブレガ、3位にはバウティスタが入りドゥカティはダブル表彰台を獲得。しかし、2位の座を奪われたバウティスタはラズガットリオグルに逆転を許し、ランキング2位に後退となった。

2024 スーパーバイク世界選手権 第4戦 レース1 結果

画像: レース1の結果、ラズガットリオグルがランキング首位に浮上。

レース1の結果、ラズガットリオグルがランキング首位に浮上。

画像1: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

ラズガットリオグルがトリプルクラウン達成!

日曜日の午前中に行われたスーパーポール・レースもラズガットリオグルの勢いはとどまることなく、わずか10周のスプリントも制し連勝となった。ブレガが2位に入り、こちらもレース1に続き表彰台を獲得、3位にはアレックス・ロウズ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)が獲得し今季4度目の表彰台を獲得している。

ランキング首位の座を奪われたバウティスタは5周目のターン10でマシンがイン側に切り込んでしまい転倒。すぐさまコースに復帰となったが、17位でフィニッシュ。ノーポイントに終わってしまった。

最終レース2はスーパーポール・レースの結果が反映され、ラズガットリオグルがポールポジション、2番グリッドにブレガ、3番グリッドにロウズという並びに。

画像: 3レースとも接触や転倒のないクリーンなスタートとなったエミリア・ロマーニャラウンド。

3レースとも接触や転倒のないクリーンなスタートとなったエミリア・ロマーニャラウンド。

気温28度、路面温度45度のドライコンディションの中、レース2がスタート。2番グリッドスタートのブレガがホールショットを奪いトップに浮上した。ここまでラズガットリオグルの先行逃げ切りで優勝しているだけに、ブレガは序盤からハイペースで逃げにかかる。

ラズガットリオグルが2位、3位にロウズ、4位にアンドレア・ロカテリ、そしてバウティスタが5位にまで浮上していた。

トップを改装するブレガは順調に2位以下にギャップを築いていく。しかし、6周目を過ぎたあたりからラズガットリオグルがギャップを詰めていった。

今大会、ハードタイヤであるSC-2を選択しているのはBMWのみ。このハードタイヤにあったセッティングが功を奏したのか、ブレガに対し一気にギャップをつめたラズガットリオグルが、8周目にブレガを攻略しトップに浮上。またしてもドゥカティからトップの座を奪ってみせた。

トップに躍り出たラズガットリオグルはライバルに影をも踏ませぬ走りを見せトップチェッカー。このエミリア・ロマーニャラウンドを3連勝で終え、完全制圧となった。

2位には3戦連続2位となったブレガ、3位にはロウズとのバトルを制したバウティスタが入った。

ポイントランキングではラズガットリオグルが179ポイントでトップに躍り出た。2位には158ポイントまで伸ばしたブレガがランキング2位に浮上、バウティスタはノーポイントも響き155ポイントで3位に後退してしまった。

画像: 3連勝を達成したラズガットリオグル。お決まりのストッピーを連発!

3連勝を達成したラズガットリオグル。お決まりのストッピーを連発!

次戦はさらに1ヶ月後となる7月12日から14日に行われるイギリスラウンド。戦いの舞台は伝統のドニントン・パーク・サーキットだ。コースの特性上、ラズガットリオグルがドゥカティ相手にギャップを広げるのではないかと予想してしまうのだが、ドゥカティ、さらにはカワサキ、ヤマハの逆襲も期待したいところ。特に母国凱旋となる6度の世界王者、ジョナサン・レイの復活劇があれば盛り上がるに違いない。

2024 スーパーバイク世界選手権 第4戦 スーパーポール・レース 結果

画像2: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

2024 スーパーバイク世界選手権 第4戦 レース2 結果

画像: BMWとドゥカティによる覇権争いになる予感の2024年シーズン。ライバル勢の躍進にも期待。

BMWとドゥカティによる覇権争いになる予感の2024年シーズン。ライバル勢の躍進にも期待。

画像3: resources.worldsbk.com
resources.worldsbk.com

レポート:河村大志

This article is a sponsored article by
''.