ハンターカブに限らないかもだけど、デザインされたパーツっていくつかあるじゃないですか。ヒールガード部分のドリルド風凹モールドとか、エアクリーナボックスのメッシュ風凸モールドとか。中でも気になったのが右クランクケースカバー部分にある黒いパーツ。ホンダロゴとかメッシュ風凸モールドがあるけど、真っ黒なのでわかりにくい。今回はそこを塗装してディテールアップを図ってみるよ。

Rカバーインナープロテクターをディテールアップしたい

ハンターカブの右サイドカバーにあるこのパーツ。シルバーベースのエンジン周りの中に、真っ黒なアクセントになってるけど、よくよく見るとメッシュとHONDAロゴが凸モールドで表現されてる。

画像1: Rカバーインナープロテクターをディテールアップしたい

ステップを外す時に干渉するので一度外してみたところ、結構硬質な印象だったので簡単に塗装できる気がしたのよ。
とはいえ、失敗するとアレなのでもういっこ純正を買って試してみるよ。

パーツリストによるとパーツ名はRカバーインナープロテクターで品番は11370-K2E-T00
あらためて手に取ってみると、樹脂パーツの定番であるPP(ポリプロピレン)よりもやっぱり固め。

あわよくばプラモとかに使われるPS(ポリスチレン)だったりすると、塗装が楽で最高なんだけど。

画像2: Rカバーインナープロテクターをディテールアップしたい

裏を見てみるとPA6という見慣れない記号。嫌な予感。

画像3: Rカバーインナープロテクターをディテールアップしたい

PA6を調べてみると、ナイロン6とかポリカプロラクタムっていうものらしい。
wikiみてもややこしくて良くわかんないけど、要するに150度までの耐熱性を持ち、引張強度、弾性、耐摩耗性、光沢にすぐれてる、という特長だとか。

PPとかPETとかABSとか、樹脂ってとにかく塗装のハードルが高いんだけど、じゃあこのナイロン6はどうなのか。
ざっと調べてみた感じ、ナイロン6に関してはそこまで塗装のハードルは高くないみたい。ただ、ナイロン66とかナイロン11、ナイロン12とかはまたわかんないけど。
ちなみに染めQは、プライマーなしでもナイロンへの塗装可能だとか。

ただ、塗ってから剥がれてくるのは悲しいので、一応プライマーを探してみよう。プライマーってのは、いろんな役割があるけど、今回は対象と塗料の密着性を高めるために使うイメージね。

PA6に塗装してみる

画像1: PA6に塗装してみる

とりあえずプライマーさえ定着すればあとは何とかなるはず。
ぐぐってみると、タミヤからナイロン/PPプライマーなんてのが出てた。実に狙い通り。しかも安いし。
PPにも対応してるってことは今後も使えそうですごく良いね。

タミヤ(TAMIYA) メイクアップ材 ナイロン/PP用プライマ

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ちょうど天気の良い夏日に届いたので、さくさく塗ってみるよ。
この手のものってなるべくしっかり乾燥させたいから、暑い日にはもってこいなのよね。

画像2: PA6に塗装してみる

調子にのって厚塗りしすぎた気がする。もっと薄く塗って乾かしてを繰り返した方が良かったかも。

メッシュ風凸モールドの内側にムラがでそうなので、ついつい吹きすぎちゃうのよね。

画像3: PA6に塗装してみる

さて、日に当ててプライマーを乾燥させてる間に次はベースの黒をなににするか。
プラモ用のラッカースプレーで塗ろうかと思ったけど、ちょうど染めQの黒が余ってたので、これで塗ることにするよ。

画像4: PA6に塗装してみる

染めQ単体でもナイロンへの塗装可能なんだから、なんか相乗効果でうまくいくんじゃないかな。とはいえ、溶剤同士で悪影響出たら怖いのでしっかり乾かしてから塗っていくよ。

染めQテクノロジィ(Somay-Q Technology) 多用途塗料スプレー 無し 70ML ブラック

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画像5: PA6に塗装してみる

へっこんでる部分にも黒を載せたいので、向きを変えて何度も吹きまくったよ。
おかげで表面がイマイチ汚い。とはいえ、乾けば何とかなるでしょ。黒だし。

画像6: PA6に塗装してみる

さて、あとはHONDAロゴとメッシュモールドを銀色で塗るだけ。
染めQの成分はアクリルなんて話を聞いたことがあるので、その上から塗るとなるとラッカーとかはエナメルはまずいかもしれない。
なので、水性塗料のシタデルで塗っていくよ。

画像7: PA6に塗装してみる

シタデルは筆でも塗りムラが出にくいし、発色良いし、まじ最強なのよ。今回使ったのはLEADBELCHER。ちょっと重ための銀色。

21-28 シタデルカラー LEADBELCHER

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唯一の弱点は、ちょいと高いことくらい。こういうセットで買うのがオススメよ。

ウォーハンマー エイジ・オブ・シグマー ペイント+ツール画像をクリックして拡大イメージを表示

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しっかりと乾燥させた染めQの上にシタデルで筆塗りしていくよ。メッシュ部分が厄介と思ったけど、意外と余裕だった。
バイクの中では小さいパーツだし、多少はみ出しても気づかないと思うけど一応丁寧に頑張るよ。

画像8: PA6に塗装してみる

塗れましたー。
以前、小さいフィギュアで頑張ったおかげか、全然余裕だった。

そういえば、周辺の金属カラーもついでに黒になった。

画像9: PA6に塗装してみる

せっかく塗ったからには、簡単にはがれて欲しくないのでクリアーを吹いておくよ。
ウレタンクリアを吹きたいんだけど、少量サイズがないのよね。手持ちで一番きれいなクリアを贅沢に吹くのだ。

画像10: PA6に塗装してみる

今気づいたけど、このMr.スーパークリアって溶剤系だからラッカーとかアクリルじゃないのかな。なんなら「水性塗料の上から吹くことはできません」って公式サイトに書いてあった。

塗っちゃったものは仕方ないので、このままいくよ。
というわけで完成。うん、黒くて銀色って感じ。

画像11: PA6に塗装してみる

Rカバーインナープロテクターの交換

単体で見る分にはなかなか良い感じ。では実際に装着してみるよ。
交換に必要なのは8mmのボックスレンチだけ。

Rカバーアウタープロテクターを締結してる3本のボルトを外せば、交換できるよ。

画像1: Rカバーインナープロテクターの交換

アウタープロテクターを外せばインナープロテクターも一緒に取れる。

画像2: Rカバーインナープロテクターの交換

ちなみに、アウタープロテクターを外してもちゃんとHONDAロゴがあるのよね。

画像3: Rカバーインナープロテクターの交換

試しにインナープロテクターなしでアウタープロテクターだけ戻したらこんな感じ。立体感出て良い感じかと思ったけど、HONDAのロゴが少々見切れてる。

画像4: Rカバーインナープロテクターの交換

ではあらためて塗装したRインナープロテクターを装着。
情報量は増えてディテールアップとしてはばっちりうまくいった。
ただ、こうなんというか、銀色がエンジンまわりの色と合いすぎてて、収まりが良すぎててちょっとつまんないかも。
せっかく塗ったんだからもっと目立ってほしい。

画像5: Rカバーインナープロテクターの交換

アップで見るとこんな感じ。
実は銀単色では目立たないかと思って、シタデルレイヤーっていうハイライト用の色でロゴやメッシュ部分にハイライト入れたのよ。全然わからんね。

画像6: Rカバーインナープロテクターの交換

日陰に入れて上から覗いたらこんな感じ。あれ、こうしてみるとなかなか良いかも。

画像7: Rカバーインナープロテクターの交換

塗装前との比較

せっかくだから塗装前後で比較してみよう。これが塗装前。黒い。

画像1: 塗装前との比較

塗装後。こうしてノーマルと比較すると結構派手になってるね。ノーマルの雰囲気でディテールアップしたかったので、これはこれで全然気に入ってる。

画像2: 塗装前との比較

まとめ

材質がナイロンってわかった時はどうしたものかと思ったけど、意外と簡単に塗れてよかった。メッシュに貼り変えたり、メッシュの隙間を抜くことも考えたけど、結果的には塗りだけでも満足できたよ。
エアクリーナーボックスにあるメッシュのモールドもなんとかしたいな。

レポート:若林浩志

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