文:太田安治/写真:赤松 孝、南孝幸/モデル:平嶋夏海
アルパインスターズ「SMX-1R v2ベンティッドブーツ」テスト&レポート
履き脱ぎのしやすさに夏場の快適性をプラス
仕事柄、高速道路のSAなどではライダーの装備をチェックしているが、夏場はスニーカーの比率が高い。転倒時の保護性能、ペダルの操作性ではライディング用ブーツかシューズが間違いなく優れているが、日本の夏の暑さを考えると通気性のないフットウエアを選ぶ気にならないのも判る。だから僕が暑い時期に履いているのは、アルパインスターズのローカットライディングブーツSMX-1R・v2ベンティッドだ。
メイン素材は耐摩耗性と耐久性に優れたマイクロファイバーで、多くのベンチレーションホールを設けることで通気性を確保。スニーカーのタンに該当する部分も通気性のあるナイロン素材を採用しているから、走行中は外気が入って熱気が抜けていくことを体感できる。
目の粗いナイロンメッシュ生地のようにスカスカに風が抜けるわけではないが、外気温32℃の猛暑でも蒸れは感じなかった。逆にソックスとの組み合わせにより、真冬以外はカバーできるという利点もある。
アルパインスターズはブーツの製作からスタートした企業だけに履き心地の良さはさすが。幅広ベルトによって足の甲とのフィット性が高く、ペダルの操作感がダイレクトに伝わってくるし、サイドファスナー式で履き脱ぎも素早く行えるから普段使いでもストレスを感じない。
注意点はサイズの選択。僕はスニーカーなら25.5cmだが、このブーツは26.5cmでちょうど良かった。ヨーロッパ製のシューズは足の幅が狭めなので、通常履いているシューズより1〜2サイズ大きめを選ぶことを強く推奨する。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
ベンチレーションホールの径が小さいので通風性が高いようには見えないが、走行中の換気性能は充分。ただし「アジア地域の夏用」として、もっと涼しい仕様があってもいいだろう。サイドファスナーのタブももう少し大きいほうがつまみやすい。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南孝幸/モデル:平嶋夏海