ラズガットリオグルが他を寄せ付けない走りで完勝
土曜日のレース1は気温21度、路面温度30度のドライコンディションで行われた。予選ではラズガットリオグルが得意のドニントン・パークで速さをみせポールポジションを獲得。2番グリッドにルーキーのニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)、3番グリッドには母国凱旋となるスコット・レディング(Bonovo Action BMW)が入った。
スタートではポールポジションから飛び出したラズガットリオグルが早くも逃げにかかる。今季最上位グリッドからのスタートとなったレディングが2位に浮上し、ブレガとバトルを繰り広げていく。
ここまで不調が続いていたレディングが2位争いを引っ張るも、7周目のターン9でブレガにインを突かれオーバーラン。接触を避けるためにランオフエリアに逃げるも3位に後退してしまった。
2位集団は接近戦ながらこう着状態が続いたが、レース折り返しの13周目にアレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)がレディングを捕らえ3位に浮上した。こちらも母国凱旋となるロウズは勢いそのままに2位のブレガに接近。
残り10周となったところでロウズがメルボルン・ヘアピンでブレガをオーバーテイクし2位まで浮上した。しかし、ロウズの前をいくトップのラズガットリオグルはすでに5秒以上のマージンを築いていた。
今週末、ようやくトップ争いを繰り広げることができていたレディングだったが、残り4周でまさかのメカニカルトラブルが発生。コース脇にマシンを止める事態となり、痛恨のノーポイントとなってしまった。
後方からのスタートとなったアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)は5位までポジションを上げ、レディングのリタイアもあり4位に浮上。レース後半からペースを上げたバウティスタは3位を走るチームメイトのブレガも攻略し3位にまでポジションを上げた。
ラズガットリオグルは影をも踏ませぬ独走でトップチェッカー。前戦に続き優勝を果たし、4連勝となった。2位にロウズ、3位にはバウティスタが入り表彰台を獲得した。
ブレガは4位、5位には苦戦が続いていたジョナサン・レイ(Pata Prometeon Yamaha)が入り、復調の兆しを見せる結果となった。
2024 スーパーバイク世界選手権 第5戦 レース1 結果
圧倒的! ラズガットリオグルが優勝し6連勝達成
日曜日の午前中に行われたスーパーポールレースでもラズガットリオグルが優勝。全長が短いサーキットで10周の超スプリントレースで2位以下に4.8秒もの差をつけての圧勝だった。
2位にブレガ、3位にはレイが入り、ヤマハに移籍して初となる表彰台を獲得してみせた。
最終となるレース2はイギリスらしい曇り空の中、気温21度、路面温度26度のドライコンディション。サイティングラップではバウティスタがターン12で転倒を喫し、グリッドでの修理を強いられた。アクシデントがあったバウティスタだったが、レースには間に合った。
レース1同様、レース2でもスタートを決めたラズガットリオグルがトップでターン1を通過。以下、ブレガ、レディング、ロウズ、レイの順で周回を重ねていく。
ラズガットリオグルが逃げる中、5周目にはロウズがレディングをオーバーテイクし3位に浮上。しかし、そこからは各ライダー単独で走行となり、大きな動きは起きなかった。
7位まで後退したバウティスタだったが、徐々にポジションを上げていき5位に浮上。しかし、相性の問題もあり追撃はここまで。
ドニントン・パーク・サーキットでは一切の隙を与えることなく、ラズガットリオグルが優勝。前戦に続き2度目のハットトリックで6連勝を決め、今季9勝目となった。
これまで接近戦をものにしてきたラズガットリオグルだが、今回は3レースともに先行逃げ切りでの優勝。マシンやチーム、セッティングなど全てが噛み合っての圧勝劇だった。開幕戦時点では混戦のままチャンピオン争いが行われるかと思われたが、ここへきてラズガットリオグルとBMWのパッケージが頭ひとつ抜け出している印象だ。
2位にブレガ、3位にロウズが入り、レディングが今季最高位となる4位を獲得した。
次戦はチェコのモストで行われる第6戦で、今季初の連戦となる。第3戦オランダのレース2からの7連勝となったラズガットリオグルはさらに連勝記録を伸ばすのか、はたまたライバル勢が一矢報いるのか。チャンピオン争いにさらなる展開が見られるのかに注目だ。
2024 スーパーバイク世界選手権 第5戦 スーパーポール・レース 結果
2024 スーパーバイク世界選手権 第5戦 レース2 結果
レポート:河村大志