野球でいえば最少得点差の投手戦!

画像: 野球でいえば最少得点差の投手戦!

急な天候の崩れもなければセーフティカーの介入も赤旗中断もなし、トップチームに急にトラブルが襲い掛かることもなければ、1チームが易々と独走することもない、実にヒリヒリした展開の鈴鹿8耐でした。
特に、セーフティカーが入らなかった8耐は何年ぶりだろう、という印象が強いですね。それほど各チームがしっかり走り、戦術通りのレースができたチームほど上に行く、という内容の、実に見ごたえのある玄人好みのレースだったかもしれないですね。

画像: 3位に入った#12ヨシムラSERT MOTUL 青腕章は渥美心

3位に入った#12ヨシムラSERT MOTUL 青腕章は渥美心

耐久レース、特に鈴鹿8耐といえば、アクシデントや転倒劇はつきものですが、もちろん転倒してしまったチームがあるにせよ、上位陣には驚くほどポジションに影響するようなアクシデントがないレースでもありましたね。
白熱した時間帯といえば、鈴鹿8耐の戦績を左右する、スタート1時間目。#37BMWモトラッドがホールショットを奪うと、オープニングラップのうちから#1YARTニッコロ・カネパがトップに浮上。これを逃がすまいと#2DUCATIチームカガヤマ水野涼、#30Team HRC高橋巧がかわるがわるトップに浮上。

この争いを制したのがTeam HRC高橋で、2スティント目にはいよいよ現役MotoGPライダー、ヨハン・ザルコが登場。ザルコはここまで、一発の速さこそないものの(それでも初鈴鹿&初CBR&初ブリヂストンタイヤで2分06秒084をマーク!)決勝レースでは恐るべき確実性を披露。まだ開始1時間が過ぎただけの混雑する鈴鹿サーキットで、ラップタイムを2分07秒~08秒でピタリと揃えてみせました。一発の速さはもちろん、この「確実性」も速いライダーの条件。MotoGPライダーの底力を見せつけられた気がしました。

画像: スピードは見せたものの、ワンマッチワークスチムには及ばず! #1YARTはチャンピオンシップリーダーで最終戦へ

スピードは見せたものの、ワンマッチワークスチムには及ばず! #1YARTはチャンピオンシップリーダーで最終戦へ

各チーム1回目のピットインが落ち着いたころから、やはり#30Team HRCがハイペースをキープ。驚くべきことsに、1回目のピットストップの時間差で1周だけ#12ヨシムラSERTにトップを明け渡した28周目以外は、このあとずっと#30Team HRCがトップをキープ。最終的に#30Team HRCは220周していますから、実に192周連続でトップを守ったことになりますね。

その#30 Team HRCと同一周回の2位でフィニッシュしたのが#1YART。公式予選から速さを見せ、TOP10トライアルではポールポジションを獲得し(その後に大転倒しちゃったけど)ズバ抜けたスピードを見せていた#1 YARTですが、決勝レースでは#30 Team HRCに力負けした感はありました。ノントラブル、ハイスピードを8時間ずっとキープしたにもかかわらず、HRCに届かなかった。
けれど、世界耐久選手権のポイント争いでは、ポールポジションを獲って、ポイント対象であるヨシムラに先着したため、シリーズポイントを逆転して最終戦ボルドール24時間へ向かいます。

画像: #30 Team HRCという最強チームを束ねた高橋巧 個人の6勝目は宇川徹さんを抜いての8耐新記録!

#30 Team HRCという最強チームを束ねた高橋巧 個人の6勝目は宇川徹さんを抜いての8耐新記録!

3位には、この鈴鹿まで世界選手権ポイントリーダーだった#12ヨシムラSERT。事前テストでスピードスターのグレッグ・ブラックが転倒して8耐に出場できず、急きょMoto2ライダーであるアルバート・アレナスを招集したものの、金曜朝の予選1回目が鈴鹿初走行というぶっつけ本番ぶりで、戦力低下が心配されたものの、その分を渥美 心とダン・リンフットがカバー。結局アレナスは1回だけ走り「その1回が大きかった」(加藤陽平監督)と、終盤に渥美が#2DUCATIチームカガヤマと大バトルを繰り広げ3位表彰台を獲得するのです。

以下、結果は以下のとおり。毎年記してありますが、このリザルトはあくまで「暫定」で、正式結果は早ければあす7/22(月曜)に出される運びになります。

金曜からの3日間で5万6000人のファンが来場してくれた2024「コカ・コーラ」鈴鹿8時間耐久ロードレースは、かくもクリーンでヒリヒリした戦いに終わりました。8耐は、また来年っ!
レースレポートの詳細については、8/1発売の月刊オートバイ9月号でたっぷり!

写真・文責/中村浩史

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