ラズガットリオグルが完勝で連勝記録は8に
スーパーポールでポールポジションを獲得したのは定位置となりつつあるラズガットリオグル。2番グリッドは久々の上位からスタートとなるアンドレア・イアンノーネ(Team GoEleven)、3番グリッドには安定した成績を残しているアレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)がつけた。
ランキング3位につけているアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)はスーパーポールで7番グリッドを獲得したが、セッション中にダニーロ・ペトルッチ(Barni Spark Racing Team)の走行を妨害したとして3グリッド降格ペナルティが科され、10番グリッドからのスタートとなってしまった。
気温29度、路面温度43度のドライコンディションの中、22周のレース1がスタート。ラズガットリオグルがホールショットを奪う中、2番手のイアンノーネにニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)が襲いかかる。
タイトなターン1から2にかけてブレガがイアンノーネに仕掛けるも順位変わらず。その後ろにはペトルッチ、バウティスタがつけ、3番グリッドスタートのロウズは順位を下げ、11番手まで後退してしまった。
トップのラズガットリオグルが早くも2位のイアンノーネに差をつけはじめる中、セカンドグループ、サードグループが序盤から激しいバトルを展開。毎周順位が入れ替わる接近戦がくり広げられた。
10番グリッドスタートのバウティスタはポジションを7位にあげると、レミー・ガードナー(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)やロウズとバトルを展開。その前方ではチームメイトのブレガがイアンノーネをパスして2番手に浮上した。
さらに、今週末好調なペトルッチもイアンノーネを攻略し3番手に浮上。ペトルッチはその後もペースをキープし、10周目にブレガを抜き2位に浮上し、ワークスの一角を崩してみせた。
ペトルッチの先行を許したブレガは一度抜いたイアンノーネの猛攻を受け、11周目に3位に後退。さらにガードナー、バウティスタも迫ってくる。
残り10周、ガードナーがブレガを攻略し4位に浮上。ペースが上がらないブレガはバウティスタにも抜かれ、4位争いはガードナーとバウティスタの一騎打ちとなった。
バトルが続く後続を尻目にラズガットリオグルが独走でトップチェッカー。2位に6秒差をつけての完勝だった。2位はイアンノーネの猛攻を防ぎ切ったペトルッチが獲得、イアンノーネはペトルッチを抜き切ることができなかったが久々の表彰台を獲得している。
4位は残り4周でガードナーを攻略したバウティスタ。10番グリッドスタートながら、ディフェンディングチャンピオンの意地をみせた。ガードナーが5位、ブレガは最終的に6位でフィニッシュしている。
2024 スーパーバイク世界選手権 第6戦 レース1 結果
ラズガットリオグルが3連続ハットトリックで10連勝達成
日曜日の午前中に行われたスーパーポール・レースでもラズガットリオグルが優勝。2位争いはブレガとバウティスタによるチームメイト同士のバトルとなったが、ファイナルラップのターン1でブレガをオーバーテイクしようとしたバウティスタが転倒。この結果、2位はブレガ、3位はアレックス・ロウズが獲得している。
スーパーポール・レースの結果を受け、最終レース2のポールポジションはラズガットリオグル、2番グリッドがブレガ、3番グリッドにロウズというフロントロウの並びに。バウティスタは再びレース1同様10番手からのスタートとなった。
気温32度、路面温度51度のドライコンディションの中、22周のレース2がスタート。
レース2ではいきなりアクシデントが発生。2番グリッドスタートのブレガがラズガットリオグルに並び、ターン1でトップに浮上。その後ろでは好スタートを切ったバウティスタが3位までポジションを一気にあげるもペトルッチと接触し転倒を喫してしまった。
スーパーポールから何かと因縁のある2人だが、バウティスタにとってはスーパーポール・レースに続く転倒でまたしてもノーポイント。タイトル争いにおいても痛すぎる結果に終わってしまった。
スタートでブレガの先行を許したラズガットリオグルだったが、すぐにペースを掴むと5周目にブレガを捕らえトップに浮上。さらに、ラズガットリオグルのチームメイトであるマイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)が3番手に浮上している。
トップに立ったラズガットリオグルはこれまで通り2位以下にギャップを築いていく。ブレガも単独での走行となる中、3位のファン・デル・マークの背後にガードナーとのバトルを制したアンドレア・ロカテッリ(Pata Prometeon Yamaha)が迫る。
3位をキープしていたファン・デル・マークだったが、14周目にロカテッリの先行を許し4位に後退。ロカテッリが表彰台圏内に入ってきた。
ラズガットリオグルは2位のブレガとの差を3秒に広げトップチェッカー。ここチェコでも3連勝を達成し、オランダのレース2から続く連勝記録を10とした。2位はブレガ、3位にはロカテッリが入っている。4位ガードナー。5位ファン・デル・マーク、ポジションを上げたジョナサン・レイ(Pata Prometeon Yamaha)が6位入賞を果たしている。
ポイントランキングは10連勝を飾ったラズガットリオグルが303ポイントでチャンピオンに向けて独走。2位ブレガ239ポイント、3位バウティスタ199ポイント、4位アレックス・ロウズ179ポイント、5位ロカテッリ145となっている。
レース、チャンピオンシップにおいてもラズガットリオグルの独壇場となっている今シーズンだが、今年はセカンドグループから最後尾まで常に激しいバトルが行われており、ここ数年でもっとも拮抗したシーズンと言えるのかもしれない。
一つ間違えば順位が大きく変わるだけに、シーズン後半も見逃せないレースが続くはずだ。次戦は8月9日から11日にかけて行われるポルトガルラウンド。ラズガットリオグルがバウティスタが持つ11連勝に並び、超えるのか、はたまたライバル勢の逆襲があるのか、アップダウンの激しいアルガルヴェでの戦いに注目が集まる。
2024 スーパーバイク世界選手権 第6戦 スーパーポール・レース 結果
2024 スーパーバイク世界選手権 第6戦 レース2 結果
レポート:河村大志