まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2024年8月号に掲載したものを一部編集して公開しています。
亘 健太郎×佐々木優太 開運ツーリングトーク
深いことは全然言えないけどバイクに乗ってると楽しい
佐々木優太(以下、佐々木) 今日は亘さんを子檀嶺神社にご案内した複数の理由のうちのひとつを、参拝後まで説明し忘れていて大変失礼いたしました~‼
亘 健太郎(以下、亘) ほんとですよ、なんだかメインが終わった後にワイン出されたような気分でしたよ!(笑)
佐々木 すみません! 子檀嶺神社は商売繁盛の〝お稲荷さん〟の神様をお祀りしていること。本殿と授与所をつなぐ渡殿(わたりでん)がある社殿の配置から、配線で電気をつなぐ電気工事士がイメージできたこと。あと「どこまででも走れます」と言っていただいたので道中も楽しめる神社、という3つの理由はご説明したのに、肝心の御祭神タケミナカタノミコトのあやかりを後から思い出しまして(笑)。
亘 「『思い出しました』じゃないのよ、遅いのよ~。仕事として! 」
佐々木 神社ソムリエなのに誠にすみません! 諏訪大社の神様であるタケミナカタは、出雲大社の神様オオクニヌシの息子なんです。そして出雲(島根)から長野に引っ越ししてきて、ゼロから成功した神様なんですね。亘さんは芸人でありながら、電気工事士の資格をお取りになったり、有事の際に招集を受ける予備自衛官をされていたりするので、違うフィールドでも活躍された神様の逸話にあやかって、さらにご活躍いただればと考えたんです。
亘 それ、いちばん大事な理由じゃん!! それ説明し忘れるって、バット持たずに打席立ってるようなもんでしょ!(笑)
佐々木 しかも稲荷神社と諏訪大社の神様が一緒にお祀りされてる神社って、ものすごい珍しいんですよ(笑)。
亘 も~! そこまで聞いて「あぁ、ありがたい神様だな」「来させていただいてありがとうございます」とか思いながら参拝できたはずが、聞けたのは参拝後って!
佐々木 僕、それを説明したいがために、長野まで200km走ってきたのに。
亘 俺だってびっちゃびちゃに濡れて走ってきたのに、何してるんすか(笑)。いや実際はね、ソムリエしていただいてすごく良かったんですよ。ツーリングとしても楽しかったし、子檀嶺神社の雰囲気もすごく良かったです。なんか神社ってもっと朱色とか、きらびやかなイメージを持ってたから、今日みたいな渋くて落ち着いてて、でもすごく心地よい神社があるんだって初めて知って、勉強になりました。
佐々木 ありがとうございます! 僕、亘さんがアメカジとハーレーがお好きだったり、SNSとかでお子さんの話題もちらほら出していらっしゃったんで、勝手に自分と共通項を感じてたんです。で、実際にお話したら、本当に優しい方だったのも嬉しいなと思ってて。ヘンな話ですけど、僕、これだけたくさんのゲストの方と一緒に走ってきておいて、信号待ちの時にしゃべりかけるかどうかでめちゃくちゃ迷うタイプなんですよ(笑)。でも今日は亘さんの方から話しかけてくださったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。お会いしてすぐに「ファッションでハーレーに乗ってる」と言い切ってくださったのも、僕もメンテとか自分でできないタイプなので、すごく嬉しかったですし。
亘 いや、逆にそれは〝結界〟で言ってるとこもあるんですよ。本当にバイクが大好きな方からすごい深い話とかされた時に、「そうなんすか」みたいにテキトーに合わせるのがあんまりできないタイプだから。
佐々木 その、自分を大きく見せようとしないところがかっこいいですよね。
亘 俺、全部において失敗した時の自分を想像しちゃうんです。だからすぐ「もっとすごい人はいるな」って思っちゃうし、正直に表に出しちゃう。謙虚っつうか、本当はもっとデッかくアピールした方がタレントとしては良いんでしょうけどね。でもバイクに関しては「何速からの伸びが~」とか、走りの能書きは全然わかんないから。乗ってきたバイクも、先輩からいただいたボロボロのスペイシーに始まって、そこからフォルツァ、その後ハーレーなんです。CBとかSRとか、国産王道バイクを全然経験してないし、旧車も格好いいとは思うけど結局全部フォルムで見ちゃう。
佐々木 ハーレーに乗るために大型免許を取った感じだったんですか?
亘 ずっとフォルツァを足代わりに乗ってたんですけど、LLRの伊藤(智博)さんて3期上の先輩がハーレーを買ったんですよ。で、「亘はいつハーレー買うの? 」みたいに言ってくるから、「いやいや買えないっすよ」みたいな話をしてて。でも2017年にたまたま、伊藤さんがお世話になってるハーレーディーラーのスタッフさんとご一緒することがあって、2018年からソフテイルはフルモデルチェンジだから、ツインカムソフテイルを買うなら今が最後のチャンスと言われて、心がちょっと動いたんです。そしたらいいタイミングで〝ローン150回、金利0.9%キャンペーン〟みたいなのをやってたのもあって「買おうかな」って。そっから大型を取り行って、女房にも事後報告で買いました。
佐々木 えっ、大丈夫だったんですか?
亘 大丈夫…ではなかったですね(笑)。でもせがれが味方についてくれて「バイクに一緒に乗れるから嬉しい」って喜んでくれたから、それが救いになりましたね。
佐々木 そういえば、コンビの相方(村上健志)さんはバイクに興味は?
亘 乗り物系は全然興味ないですね。クルマの免許は持ってるけどペーパーだし。
佐々木 アメカジを好きになったのは、何かきっかけがあったんですか?
亘 そこはほんと世代っすね。今年44歳なんですけど、俺等の世代は中学くらいの頃に、木村拓哉さんとか浜田雅功さんとかがファッション誌の表紙飾ったりしたアメカジブームだったんです。それこそMA-1とか、レッドウィングのアイリッシュセッターとかめちゃくちゃ流行ってた時代です。その後どんどんアメリカ本国のヴィンテージがめちゃくちゃ値上がって手が届かなくなって、そのヴィンテージを追求したジャパンアメカジみたなブランドが流行りだして。僕はどっちかというとそっち派で、当時はウエアハウスのドゥニーム、エヴィスのジーンズとか人気でした。
佐々木 ああ~、わかります。
亘 でもそん時は「これ欲しい」つってもなかなか買えなかったんですよ。その頃に買えなかったものを、社会人になってお金を持って自分で買えるようになったから、そのままずっと好きなんですね。
佐々木 そう考えるとバイクにしろ、ファッションにしろ、スタンスがすごく一貫してますね。周囲に対してすごく優しくて柔らかいけど、ご自分の好きなものはハッキリしてらっしゃる。僕、すごい偉そうな言い方ですけど、亘さんとはバイク以外のこともいろいろお話させてもらえるんじゃないかと勝手に親近感を抱いてしまいました。ほんと社交辞令じゃなく、またぜひツーリングとかもご一緒したいなって。
亘 ぜひ行きましょ、行きましょ! 僕じつは箱根とかバイク好きのツーリングスポットに全然行ったことないんです。なので道とかいろいろ教えてください。
佐々木 もちろんです! それにツーリング先で行きたい神社があれば、またしっかりソムリエさせていただきます!
まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2024年8月号に掲載したものを一部編集して公開しています。