テーパーハンドルとは(ハンドルバーの種類)
ハンドルバーの太さにはミリバー、インチバー、テーパーバーなどの種類があるのよ。
まずミリバーは、一番メジャーなやつ。太さ22.2mmで、ハンターカブの純正もこれ。
インチバーは、ハーレーとかに使用されるハンドル径で直径1インチから、1.25インチ、1.5インチなど各サイズあるみたい。正直あんまり詳しくない。
今回の主役はテーパーバー。テーパーハンドルともいわれるし、レンサルではファットバーという名称。ハンドルクランプ部分は28.6mmで、グリップ部分は22.2mm。中央部分だけ太くなったミリバーって感じ。
テーパーバーの中央部分に向かって太くなるシルエットが、めっちゃカッコ良いのよ。
特に、小型車に装着するとインパクトも抜群。なので、CT125にも絶対に合うはずと思うんですよ。
ハンターカブをテーパーハンドル化してみたい
ハンドル選びが大変でした
ただ、モトクロス用のハンドルが主流なので、なかなかCT125に合うような背の高いハンドルがみつからないんですよ。実はCT125を購入する数年前に目を付けていた社外ハンドルがあったんだけど、廃番になってしまってて現在は入手困難。あらかじめ買っておけばよかったけど後の祭り。
そんなわけでハンター購入してからずっと背の高いテーパーバーを探し続けてたんですよ。
なんなら、試しに注文してみて、低すぎて断念したりなんてことも。
amazonを定期巡回してて、フト見つけたのがXSR700の純正ハンドル。
他のテーパーバーに比べて、かなり背が高い。しかもヤマハ純正だから品質も素晴らしいはず。
ちょうどアップガレージライダースで中古のXSR700純正ハンドルバーがあったので、急いで店舗に行って購入。
ちなみにXSR700用純正ハンドルの品番はB34-F6111-00ね。
自分の場合は中古をうまいこと見つけることが出来たけど、新品だと結構お高いかも。たぶん2万円ぐらいするんじゃないかな。
もし中古がなければEFFEXのXSR700用イージーフィットテーパーバーPlusが良いかも。
色もゴールド、シルバー、ブラックの選択肢があるし、純正より安い。ただ、純正より少し背が高いのでワイヤーの取り回しが届くかは未検証。
さて。ハンドルさえ手に入れば後は簡単。
ZETAのバーライズキットを使ってさくっと装着してみるよ。
バーライズキットで簡単装着
CT125の純正ハンドルクランプは22.2mm用なので、28.6mmに変換しないといけない。
そこで便利なのがZETAのバーライズキット。オフセット量もあるので、ハンドルセッティングの自由度も上がるよ。
ハンドルアッパーホルダーを外して、バーライズキットに置き換えればテーパーバーの装着完了。めんどくさいのはグリップの付け外しぐらいかな。
ハンドル自体はこれで装着できるけど、あともうちょっと面倒な作業があるよ。それはハンドルスイッチ用の穴あけ加工と、ウィンカーの移設。
ハンドルの穴あけ加工
ハンドルの装着は、バーライズキットを使えば簡単だけど、このままだとスイッチボックスがうまくつかないのよ。
というのも、ハンドルスイッチには空転防止のために爪というか突起が出てる。なので突起がおさまる穴をハンドルに開けないといけない。
この作業をしないと、突起がおさまらなくてスイッチが開いちゃうのよ。
もちろんスロットルホルダー側も突起があるので、穴を2個開ける必要アリ。逆転の発想で突起を削ったり潰すという方法もあるけど、空転したら怖いのでできるだけ穴あけ加工をしておきたい。
そこで便利なのが、DRCのハンドルソーガイド。
ハンドルの穴あけガイドにもなるし、その名の通りハンドルをカットする際のガイドにもなるのよ。これ一個買っておけばハンドルカットや穴あけには一生困らないはず。
穴あけ加工する前に、ハンドルにマステとかを貼っておいて、穴の位置を決めよう。
この銀色のパーツはハンドルカット用だから今は外しておくよ。
マステにマーキングした下穴位置に合わせて、ハンドルにソーガイドを取り付けるよ。
分割できるのでグリップを付けた後でも作業できてラクチン。
そしたら5mmのドリルで穴を開けるだけ。
こっちは左グリップ側なんだけど、突起が結構長いのよね。自分は貫通するまで穴開けたけど、そこまで開けなくても良かったかも。。
で、取り付けたらこんな感じ。隙間も開かなくなってバッチリ。
次はスロットルホルダー側。つまり右グリップ側。こっちは突起が低いというか短いのよね。
なので、貫通させずにちょっと穴を開けるにとどめておいた。
5mmで穴開けたけど、微妙にがたつくので4.5mmとか4mmのが良いかも。
実際乗ってるとガタつきなんてわかんないし、どうしても気になったら穴に何か詰めよう。
ウィンカーの移設
ハンドル交換自体はそこまで難しくないけど、テーパーハンドル化すると純正ウィンカーが取り付けできなくなるんですよ。
ハンターカブのウィンカーはハンドルバーの斜め部分に装着されてるけど、そこがちょうどテーパー形状なので、ウィンカーのクランプで挟むことが出来なくなるのよね。
なので、ウィンカー移設は必須。
一番簡単なのはキジマのリロケーションステー。純正ウィンカーを簡単に移設できるよ。
自分はウィンカーを小さくしたかったので、前側側方反射板(黄色い奴)と置き換えるステーを作ることにしたよ。側方反射板は前後どっちかについてれば良いらしいので、JA55の場合は後ろの側方反射板を残しておけば良いはず。
ホームセンターで買ってきた鉄のステーをサンダーで切ってちょうど良い長さにするよ。
あと、穴径もウィンカーが入るサイズに拡大しておくのだ。
そしたら反射板&ステーと置き換えて、配線置き換えて完成。
ウィンカー交換には、キタコのハーネスがめっちゃ便利よ。
LEDウィンカーにキタコのハーネスを付けて、純正と置き換えるだけ。簡単。
反射板無くなるとちょっと寂しいので、キジマのリフレクターリロケーションステーでフェンダーのあたりに反射板を設置しようかな。またポチっておこう。
完成。簡単にテーパーバー化できたよ
というわけで無事完成。ウィンカーリロケーションステーを使ってたらもっと楽だったかも。
めんどくさいポイントといえば、穴あけにドリルが必要なくらいかな。バイク屋さんとかで穴あけ加工を依頼するのもアリよ。
さて。見るからに中央部分が太くなって超カッコ良い。あと、テーパー部分に見える太さの変化が最高に良い。
ワイヤーの取り回しについては、深く考えず装着してみたけど、結果的に問題になるような干渉はなかった。
念のため実測で高さを図ってみるよ。
カタログスペックによるとCT125の全高は1085mm。
で、テーパーバー化した状態での最高点を測ると実測で約1100mm。
約15mmアップなので、これくらいなら取り回しにも影響なさそう。
ただ、バーライズキットの前後オフセット位置やハンドル角度でも変わるのであくまでも参考程度でお願いします。
ワイヤーやホースの取り回しについては、くれぐれも実際にハンドルを切って念入りに確認を。
ハンドルポストごと交換してみる
これでハンターカブをテーパーバー化できたけど、ここからはもう少しこだわってみるよ。
ハンドルポスト自体は純正の22.2mm用なので、ポストの根っこ部分がハンドルに対して弱い気がするのよね。見た目的に。
あとハンドルが高くなったおかげで乗りやすいんだけど、見た目の好みとしてはちょっとだけ低くしたいんですよ。
なので、可能ならハンドルポスト自体を28.6mmのテーパーバー用に交換したい。
もちろん専用品はないので、試行錯誤してみたよ。
注意
メーカーの推奨する使用方法ではありません。
また、車両の個体差や仕様により、干渉などが起こる場合もあります。
操舵装置なので、パーツの干渉や不安定な取り付けなどは、非常に危険です。
参考にする場合は、くれぐれも干渉など安全面の確認を徹底し、自己責任にてお願いします。
ひたすら調べまくった上で、これなら何とかなりそうと思って購入したのが、ZETAのRX2クランプキット。
CRとかCRF、KXとかに使用するものらしいので、車格的にハンターカブに装着できるかはギャンブル。でもやってみなきゃわかんないので、とりあえず購入。
まずは純正と比較してみよう。
ハンドルクランプ部分の高さはハンターカブ純正のが高い。
一番問題になりそうなのは下部の締結ボルト。
ハンターカブのハンドルポスト取付ボルトはM8だと思うんだけど、ステムを通す部分は直径約12mmなのよ。
ZETAのRX2クランプキットの取付ボルトは、直径約12mmの部分の先にM10と思しきボルトが切ってある。なので、ステム部分は問題なく装着できるはず。
ただ、長い。
この長さによる干渉が起きないかどうかが焦点になりそう。
カラーとワッシャー追加で簡単装着
純正だとゴムダンパー部分に合わせた形状になってるけど、RX2クランプキットだと形状が微妙にあわないので、M12のワッシャーを追加するよ。厚みが2mmなので、クランプ位置も2mm上がる。つまり下に出てるボルト長さが短くなるはず。
ワッシャーは外径32mmをチョイス。実測した感じ、これでカバーできそうな気配。
ワッシャーを入れてゴムダンパーをはめ込んでみる。良い感じ。
次はボルトの長さ。RX2クランプキットの方がボルトが長いので、カラーを追加しないとネジが効かない。
RX2クランプキットの取付ボルトを旋盤で加工してもらえば、何も考えず装着できそうだけど、それはそれで敷居が高いのでカラー追加で何とかしたい。
散々調べて、ポッシュのユニバーサルカラーをポチってみた。外径がかなり大きいので干渉が気になるけど、これ以上に良い長さのが見つからなかったのよ。
案ずるよりなんとやら。実際に装着して干渉を見てみよう。
ステム上部にはM12ワッシャーと上部ゴムダンパーを入れてあるよ。
RX2クランプキットをステムに差し込んで、下側ゴムダンパーを入れたらM12ワッシャー。
そしてポッシュのユニバーサルカラー。でっかいね。
RX2クランプキット付属のナットで締結するとこんな感じ。
ハンドルロックと思しきでっぱりがあるけど、幸い1-2mmのクリアランスがあった。
個体差によって干渉するかもなので、その場合はカラーを短く削って、径の小さいワッシャーとかカラーで調整すればなんとかなりそう。
右側は全然余裕だった。
装着時には、くれぐれも干渉がないか入念にチェックしてね。
ハンドルが低くなってるはずなので、実測してみたところ約1069mm。カタログ値の1085mmから約17mmくらい低くなってるっぽい。
ホースの取り回しについては、特に問題なし。ただ、念のためスロットルワイヤーに関しては根元を緩めて、より無理のない曲がりになるように調整したよ。
RX2クランプキットは前後の位置調整も可能だよ
ちなみにこのRX2クランプキット。実は前後のオフセット量を三段階に調整可能なのよ。
締結ボルトがT型のボルトになってて、クランプの向きと締結ボルトの差込位置で前後にオフセット出来るのね。
こんな感じ。
微妙な違いに見えるけど、オフセット量をセッティングできるのは凄く便利なのよ。
テーパーバー用クランプでのテーパーバー装着完成
というわけで念願のテーパーバー化。しかもテーパーバー専用クランプでの装着が出来たよ。
見てくださいよこの太さと、テーパー部分の造形。最高。
太いハンドルがすぼまっていく感じの造形が最高に好き。
乗ってても常に視界に入るところだけに、満足感半端ないッス。
テーパーバーにすることで振動抑制効果もあるかもしれない。
ただ、見た目だけでもう完璧に満足してるので、あんまりその辺は考えてないけど。
まとめ
テーパーバーはその名の通りテーパー形状なので、ハンドルに何かを装着するにはかなり自由度が下がるのがデメリット。
ただ、個人的にはそのデメリットを補って余りある見た目の良さに大満足。見た目については好みもあるけど、テーパーバーに慣れると、ミリバーが細っこく見えちゃうくらい。
個体差もあるからなんともいえないけど、自分の場合はワイヤー交換も必要なかったので、めちゃめちゃ気に入ってる。ただ、ポストごと交換する場合はマジでくれぐれも干渉のチェックだけは念入りにね。
レポート:若林浩志