文:太田安治/写真:島村栄二/モデル:平嶋夏海
デイトナ「DR-001 ハイパフォーマンスレインウエア 上下セット」テスト&レポート
随所に実用性を盛り込んだヘビーデューティ仕様
「カッパ」という呼び方はポルトガル語の「CAPA」に由来する……という小ネタはさておき、ライダー必携のアイテムがレインスーツ。価格帯は3千円台から4万円近くまでと幅広いが、量販店での売れ筋は1万円台の製品。同価格帯の製品は多種多様なので、どれを選べばいいのか迷うのではないだろうか。
僕は1時間程度の雨に耐えられる「緊急用」と、雨の高速走行でも快適に走り続けられる「ツーリング用」の2種類を使い分けている。緊急用は薄手の生地でコンパクトに折り畳める安価な製品をシート下に常備。ツーリング用は長時間の雨中走行に耐えられる防水・透湿性能の高いタイプを選び、天気予報を見て持って行くかどうかを決める。
その区分で言えばデイトナの製品は1万円台前半の価格ながら後者の仕上がり。生地素材はポリエステル100%で、ジャケットには防水性能に加えて伸縮性と透湿性を備えたTPUコート、パンツに耐水圧2万mmのPVCコートを施し、長時間ライディングでの防水性と快適さを両立している。
感心したのはライディング用として考え抜かれた作り。前合わせを斜めにして走行風で雨を横に流す、サムホール付きの二重袖で手首からの浸水、ストームガードでジャケット裾からの浸水を防ぐなど、小雨のチョイ乗りからヘビーレインの高速走行まで、スタッフ達がハードなテストを行いながら妥協なく作り込んだことが随所に伺える。
頑丈な作りなので相応に嵩張るが、機能と価格のバランスは秀逸。迷わず指名買いして後悔しないはずだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
雨の高速道路を1時間走ってもレインウエアの弱点である前合わせと首周りからの浸水はなかった。止水ファスナーならより安心だが、着心地と開け閉めのスムーズさを考えればこのままで納得。パンツの裾がもっと大きく開けば文句なし。
文:太田安治/写真:島村栄二/モデル:平嶋夏海