文:太田安治/写真:赤松 孝、島村栄二/モデル:平嶋夏海
BMW「コネクテッドライド スマートグラス」テスト&レポート
レンズ内側にナビや速度情報を表示
ナビアプリを使う際には、ハンドル周りにスマートフォンまたはスマートモニターを取り付けることがほとんど。しかし車種によっては取り付け場所や電源の確保が難しかったり、落下や盗難、熱暴走や振動によるトラブルもあり得る。なにより画面を見ている時間は周囲からの視覚情報が激減し、転倒や事故に繋がるリスクが生じてしまう。
そこで注目されはじめたのが視界の中に画像情報を重ねる拡張現実の利用。BMW純正のスマートグラスは、いわゆるARグラスの機能をライダー用に活かした製品で、一見するとスポーツ用サングラス。しかしテンプル部にバッテリーとBT(ブルートゥース)通信ユニット、リム(右目側)上部に光学式プロジェクターを内蔵している。
初期設定はやや面倒。スマホに『BMWモトラッドアプリ』をインストールしてから6.5インチまたは10.25インチのメーターパネルを備えたBMW車とBT接続。これでメーターパネルにナビゲーション機能が表示される。さらにスマホとスマートグラスをBT接続すると、スマートグラスに案内ポイントまでの距離や進行方向、速度、ギア段数が表示できる。一度設定すれば、以降はアプリを立ち上げて接続ボタンを押すだけで連携する。
実際の視界にアプリの表示が重なるので最初は戸惑ったが、右目の焦点を変えるコツを掴むと違和感は消え、瞬時に表示が読み取れる。メーターパネルへ視線を移動しないで済むのは想像以上に便利だし、安全性も高まる。ライダー用ナビの利用法を拡張するガジェットだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
BMWモトラッドアプリが必須で、対応車種が限定されるのが悔しいところ。表示内容は状況や好みに応じて取捨選択できると便利だから、今後のアプリとファームウエアの更新に期待。円安ということもあり、気軽には買えない価格も……。
文:太田安治/写真:赤松 孝、島村栄二/モデル:平嶋夏海