大型バイク初心者向けとまで言われる扱いやすさと、奥の深いスポーツ性。だけどその前に! 個人的なSV650の『好き』を前置きさせて頂きます。

Vツインエンジンには何だか『ロマン』があると思ってる

先の【前編】において、SV650というバイクの基本的なキャラクター、あるいには二面性についてお話をさせて頂きましたが、それ以前の部分で追加をひとつ。

私(北岡)は個人的な趣味嗜好なのですが『V型2気筒エンジン』がすごく好きなんです。世の中にはいろんな形式のエンジンがありますが『Vツイン』がいちばん好き。

このあたりは個人的なものなので、4気筒が好きな人もいれば単気筒が好きな人もいると思います。

私の場合はVツインが好きっていうだけ。なにがってまず……

画像1: Vツインエンジンには何だか『ロマン』があると思ってる

エンジンの見た目(笑)

メカっぽいというか、機械感が強いというか。見ているだけでワクワクできる。

そして『音』と『鼓動感』です。

画像2: Vツインエンジンには何だか『ロマン』があると思ってる

エンジンを単純に機械としてみるならば、直列(並列)2気筒でも同じ点火タイミングやサウンドは生み出せます。バランサーうんぬんで鼓動感だってコントロールできる。

でも、そういうことじゃないんです(笑)

私はバイクというのは全般的に『好き!の気持ちで乗る』ものだと思ってるのですが、SV650はその『好き!』をいい感じに刺激してきます。

画像3: Vツインエンジンには何だか『ロマン』があると思ってる

それはツーリングシーンで、低回転でのんびり走るときに強く感じられるもので。

スズキのエンジンは全般的にスムーズな特性に躾けられている場合が多いのですが、SV650はきちんとV型らしい存在感を主張してきます。でも「排気」のサウンドはツーリングペースでは静か。

なので『浸れる』んです。

画像4: Vツインエンジンには何だか『ロマン』があると思ってる

ネイキッドらしく全身で、季節ごとの風を感じつつ。

雄大な自然の中にある静けさを乱すこともなく、だけど股の下にはエンジンを感じることができて『バイクって楽しいナァ~』を満喫することができるんです。

普通にのんびり走ることを楽しめる。それはとても重要なことだと思います。

SV650は高回転でワイルドに豹変する

ところでSV650、私は今回のタイトルに『音』と『鼓動』が楽しい! と書きました。

その『音』というのは主に『吸気音』のことを指します。

画像1: SV650は高回転でワイルドに豹変する

燃料タンクの裏側で見えない部分。エアクリーナーボックスからスロットルボディへ空気が吸い込まれていく音。

ツーリングペースでは大人しい印象のSV650ですが、ガバッとアクセルを開けてレッドゾーン付近の高回転までエンジン回転数を上げていく過程ではヴァァァァァーーーッ!といった具合に、えらい勇ましい音がします。

まさに豹変。SV650に初めて乗る人の場合「オマエ誰やねん」もしくは「さっきまで猫かぶってたんかっ!?」ってツッコミたくなるのは間違いないでしょう。

画像2: SV650は高回転でワイルドに豹変する

でもねぇ、これがいいのよ。気分がバリバリ盛り上がります。

だからってものすごい勢いでコーナリングする必要はありません。コーナーからの脱出で目の前にストレートが広がったら、アクセルを大きめに開けてみるだけいい。誰もがその興奮を味わえます。

それができるのが650ccの魅力!

画像3: SV650は高回転でワイルドに豹変する

  

仮に、その2倍の排気量を擁する『隼』で同じようなことをした日には……音と楽しむどころではありません。あっという間に次のコーナーへ到達。しかも高回転域まで回らないうちに(笑)

アクセルを開けていくことの喜びを、SV650は存分に味わうことができるんです。

画像4: SV650は高回転でワイルドに豹変する

SV650はシンプルなネイキッドなので、純粋なツアラーのようにウインドプロテクションや荷物の積載性に優れている訳じゃないです。

でも、全国のSVオーナーたちは絶対に『ツーリングも楽しいバイクだよ』って言うと思う。SVは性能じゃなくて、気持ちの面で走ることそのものを楽しませてくれるから。

(下に続きます)

さっきも似たようなことを言ったけど『普通に走って普通に楽しい』というのは、長く付き合うバイクとして本当に大事なことです。だって、私を含む多くの人は年がら年中スポーツ全開!で走ってる訳じゃないでしょう?

なので、そこで言うSV650は『素晴らしい幸せバイク』だと言い切れます。

ただし……ファンのみなさまはご存じでしょうけれど『それだけで終わらない』のが、やっぱりスズキ車なんですよね!?

【文/北岡博樹(モーターマガジン社)】

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