逆境を跳ね除けたピケラスがMoto3初優勝
土曜日に行われた予選ではアロンソがポールポジションを獲得。初日の午前中には転倒を喫するも、金曜日のフリー走行2では単独ながらオールラップレコードを更新するなど速さを見せていた。予選でも2位にコンマ4秒もの差をつけ今季6度目となるポールポジションを獲得となった。
2番グリッドには前戦アラゴンGPで自身初となる3位表彰台を獲得したルカ・ルネッタ(SIC58 Squadra Corse)が入った。予選では自己最高位であり、第9戦ドイツGP以来のフロントロー獲得。勢いを維持したまま母国GPに臨む。
ランキング3位のイヴァン・オルトラ(MT Helmets - MSI)が3番グリッドを獲得。今週末も上位に食い込んでおり、2戦ぶりとなるフロントロー獲得となっている。
以下、4番グリッドにルーキーのアンヘル・ピケラス(Leopard Racing)、ランキング2位のベイヤーが5番グリッド、ランキング4位のダニエル・オルガド(Red Bull GASGAS Tech3)は7番グリッド、前戦初優勝を挙げ、ランキング6位に上がったルエダは12番グリッドと低迷。決勝での巻き返しを狙う。
日本勢は古里太陽(Honda Team Asia)が3列目9番グリッドを獲得。山中琉聖(MT Helmets - MSI)は13番グリッド、鈴木竜生(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)は予選で振るわず決勝は23番グリッドからスタートとなった。
気温31度、路面温度33度のドライコンディションの中、20周の決勝レースがスタート。ホールショットを奪ったのはなんと4番グリッドのピケラス。ターン1から2にかけて上手いライン取りを見せ、一気にトップに立った。
その後方ではターン2でルエダ、リカルド・ロッシ(CIP Green Power)、ダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)が接触転倒し、マルチクラッシュが発生。前戦優勝のルエダは早くも姿を消すことになってしまった。
トップに立ったピケラスだったが、プラクティスで他者と接触し転倒させた責任を問われダブルロングラップペナルティが科されていた。 3周目にオルトラにパスされたピケラスはここで1回目をペナルティを消化し一旦後方に下がった。
また、3番手を走っていたルネッタにはジャンプスタートによるダブルロングラップペナルティを科されてしまい、こちらも先頭集団から離脱、優勝争いから脱落してしまった。
レース序盤はオルトラとオルガドのトップ2が抜け出し、3位までポジションを上げていた古里とは2秒近い差がついていた。
古里はアロンソとポジション争いを展開。6周目にアロンソが3位に浮上するとそこから徐々にトップ2との差を詰めていった。
やがて先頭集団は3位集団に吸収され、オルトラ、オルガド、アロンソ、古里、ジョエル・ケルソ(BOE Motorsports)の5台が先頭グループになる。
中盤から終盤にかけてトップ集団のバトルが激化。このバトルにより先頭集団のペースが下がり、セカンドグループが優勝争いに加わってきた。
その中にはダブルロングラップペナルティを受けたピケラスの姿が。ペナルティがあったものの、プラクティスからペースが良かったピケラスが決勝でも持ち味の速さを披露し、一気に優勝争いに絡んできたのだ。
混戦の中トップ集団はファイナルラップへ。オルガドが先頭を走る中、ピケラスが土壇場でトップに浮上。コース後半でのライバルの反撃を退けたピケラスがペナルティを跳ね除け優勝。大逆転でのMoto3クラス初優勝となった。
2位はオルガド、3位はオルトラ、古里は表彰台まであと一歩の4位でフィニッシュとなった。ランキングトップのアロンソはファイナルラップでのバトルでオルトラと接触したこともあり後退。今大会は7位でチェッカーを受けている。
タイトル争いではランキング上位勢全員がアロンソの前でフィニッシュ。レース前、2位以下に75ポイント差をつけていたアロンソだったが、今大会の結果を受けその差は70ポイントに。2位表彰台獲得となったオルガドがランキング2位に浮上している。
次戦は2週間後の9月20日から22日にかけて行われる第14戦。しかし、場所は変わらずここミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催される。
当初予定されていたインドGPとカザフスタンGPが中止になったことで2戦連続で同サーキットでの開催が決定。今回はサンマリノGPだったが、次戦はエミリア-ロマーニャGPとして開催される。
2024 Moto3 第13戦サンマリノGP 決勝結果
レポート:河村大志