フリー走行2で転倒したラズガットリオグルが今大会欠場
ラズガットリオグルはフランスに入っても好調で初日のフリープラクティス1と2でトップタイムをマーク。しかし、フリープラクティス2で周回中、ターン14でスリップダウンし転倒。高速で投げ出されたラズガットリオグルの先にはバリアがあり、激しく激突。
このアクシデントによりラズガットリオグルはすぐにメディカルセンターに搬送されることに。その後病院に移り検査を行った結果、背中の打撲傷のみならず、軽度の外傷性気胸と診断された。
軽度とはいえ肺に穴が空いている可能性もあるため、ラズガットリオグルにはドクターストップがかかり、今大会は欠場することが決まった。
恐ろしいアクシデントであったため、フランスのみならず今後のレースにも気がかりな怪我を負ってしまったラズガットリオグル。軽症であったことが何よりもの救いだが、ランオフエリアの先にコンクリートの壁があるのはあってはならないこと。安全性面からもマニクール・サーキットは対応に追われることになるだろう。
マイケル・ファン・デル・マークが雨中のレース1で優勝しBMWは14連勝達成!
思わぬ形でポイントリーダー不在となったフランスラウンド。初日はドライだったが、レース1は雨に見舞われウェットコンデイションの中行われた。
ポールポジションのアレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)が獲得。2番グリッドにランキング2位のニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)、3番グリッドにここまで苦戦していたスコット・レディング(Bonovo Action BMW)がつけた。
21周のレース1はポールスタートのロウズがホールショットを奪う中、ターン17でランキング2位のニッコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)とジョナサン・レイ(Pata Prometeon Yamaha)と転倒。
2人揃っての転倒だったが、接触ではなく単独で続けての転倒のようだ。ラズガットリオグルの欠場もあり、ランキング2位のブレガにすれば大きなチャンスだったが、ポイント差を縮められないまま無念のノーポイントとなってしまった。
3周目には雨足が強まっていき各車急激にペースダウン。転倒者も出る中、後方からのスタートとなったアルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)だった。この判断が功を奏しバウティスタは一気に3位にポジションアップを果たした。
トップ争いを繰り広げていたロウズとマイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)が同時にピットイン。ピットでファン・デル・マークがトップに立ち、コース復帰後はロウズと熾烈な優勝争いを演じた。
大雨の中、順位を入れ替えながらレースを引っ張っていく2台。雨中の中行われた激しいバトルに注目が集まるも、10周目のターン13でロウズが痛恨のクラッシュを喫してしまった。ロウズはその後コースに復帰するもトラブルでリタイアとなっている。
これでファン・デル・マークは単独首位に。ピットストップで大幅に順位を上げたバウティスタが2位となるも両者の差は8秒もの大差がついていた。
ファン・デル・マークはこのマージンを守り切り今季初優勝。ラズガットリオグル不在の中、BMWの連勝記録を14に伸ばしてみせた。
2位にバウティスタ、3位は雨が得意のダニロ・ペトルッチ(Barni Spark Racing Team)が入っている。
2024 スーパーバイク世界選手権 第8戦 レース1 結果
ブレガがSBKで初のダブルウィン達成!
土曜日と打って変わって日曜日は天候に恵まれたマニクール。午前中に行われた10周のスーパーポール・レースは、ロウズとのバトルを制したブレガが優勝した。2位にロウズ、3位には昨日に続きペトルッチが表彰台を獲得している。
また、スーパーポール・レースでバウティスタがクラッシュを喫し、肋骨を骨折。決勝レース2は欠場となった。
レース1で転倒したレイも転倒の際に左親指を負傷。骨折ではなかったものの、手術を行いこちらもレース2を欠場している。レース2はラズガットリオグルも含め、チャンピオン経験者3名が欠場という異例のレースとなった。
レース2のポールポジションはスーパーポール・レースを制したブレガ。2番グリッドにロウズ、3番グリッドにペトルッチがつけている。
気温21度、路面温度28度のドライコンディションの中、最終レース2がスタート。ポールからスタートを決めたブレガがオープニングラップから逃げにかかる。
2位のロウズはブレガに喰らいついていくもオープニングラップのターン8でオーバーラン。トラブルのようにも見受けられたがロウズはコースに復帰し、後方から巻き返しを図っていく。
ロウズに代わってペトルッチが2位に浮上。ペトルッチもトップを狙うも、先頭にでたブレガのスピードに対抗することができず、徐々に差が開いていく。
後方では最後尾まで下がったロウズが鬼神のごとき追い上げを見せていた。8周目には早くもシングルポジションまで回復すると、残り3周でなんと4位に浮上。3位ガーロフとの差も徐々に詰めていく。
一方、首位ブレガは一度もトップの座を譲ることなくファイナルラップへ。最終コーナー手前では観客を煽る余裕を見せながらトップチェッカー。自身初のダブルウィンを達成した。
2位にはペトルッチ、3位にはロウズの追撃を振り切ったガーロフが入っている。
ブレガは日曜日を完全制圧し、ポイントリーダーのラズガットリオグルとの差を55ポイントにまで詰めた。ラズガットリオグルの体調次第だが、もし次戦欠場するようなことがあればほぼ決まりかけていたタイトル争いが行方がわからなくなる。
次戦は2週間後、9月20日から22日にかけてイタリアのクレモナ・サーキットで第9戦が行われる。SBKでは初開催となるサーキットなだけにさらなる波乱が待っている可能性もある。タイトル争いのことはさておき、ラズガットリオグル、バウティスタ、そしてレイの早期の回復を願い、再びサーキットに姿を見せてくれることを期待したい。
2024 スーパーバイク世界選手権 第8戦 スーパーポール・レース 結果
2024 スーパーバイク世界選手権 第8戦 レース2 結果
レポート:河村大志