1987年に登場し、アドベンチャーツアラーとして一時代を築いた「トランザルプ」の名が令和の世に復活! 普段使いから世界一周までを叶える新世代ジャストサイズオールラウンダーをコンセプトとし、歴代トランザルプが継承してきた多用途性を最新技術で追求したモデルだ。海外モデルのCB750ホーネットとの同時開発により、購入しやすい価格を実現した点にも注目したい。
文:大屋雄一/写真:柴田直行

ホンダ「XL750 トランザルプ」スタイリング解説

画像: 大径薄肉パイプとモナカ構造のピボット部を組み合わせたスチール製ダイヤモンドフレームを採用。

大径薄肉パイプとモナカ構造のピボット部を組み合わせたスチール製ダイヤモンドフレームを採用。

画像: ホイール径はフロント21インチ、リア18インチで、ハンドル切れ角は左右各42度に設定。空力マネジメントを駆使して、優れた防風効果と軽快なハンドリングを高次元で両立している。

ホイール径はフロント21インチ、リア18インチで、ハンドル切れ角は左右各42度に設定。空力マネジメントを駆使して、優れた防風効果と軽快なハンドリングを高次元で両立している。

ホンダ「XL750 トランザルプ」各部装備・ディテール解説

画像: スクリーンは高さ調整機構こそ備えないが防風効果は上々だ。純正アクセサリーでハイスクリーンやディフレクターなどもラインナップする。灯火類はオールLEDで、ウインカーにはオートキャンセル機構やエマージェンシーストップシグナルを盛り込んだ。

スクリーンは高さ調整機構こそ備えないが防風効果は上々だ。純正アクセサリーでハイスクリーンやディフレクターなどもラインナップする。灯火類はオールLEDで、ウインカーにはオートキャンセル機構やエマージェンシーストップシグナルを盛り込んだ。

画像: 5.0インチTFTフルカラー液晶ディスプレイを採用するメーターまわり。4種類の画面表示と2種類の背景色が選択可能だ。ライディングモードはスポーツ/スタンダード/レイン/グラベル/ユーザーの5種類。スマホやヘッドセットとの連携機能も搭載する。

5.0インチTFTフルカラー液晶ディスプレイを採用するメーターまわり。4種類の画面表示と2種類の背景色が選択可能だ。ライディングモードはスポーツ/スタンダード/レイン/グラベル/ユーザーの5種類。スマホやヘッドセットとの連携機能も搭載する。

画像: 左側のハンドルスイッチは、上下左右に動かせるセレクトスイッチを中心に、ディスプレイの操作と設定に使用するファンクションスイッチ、ライディングモードを切り替えるモードスイッチなどで構成される。慣れてしまえば操作は簡単なものだ。

左側のハンドルスイッチは、上下左右に動かせるセレクトスイッチを中心に、ディスプレイの操作と設定に使用するファンクションスイッチ、ライディングモードを切り替えるモードスイッチなどで構成される。慣れてしまえば操作は簡単なものだ。

画像: 燃料タンク容量は16Lで、無鉛レギュラーが指定となっている。WMTCモードでの燃費は22.8km/Lなので、1回の給油でおよそ360km走れる計算になる。タンクから続くミドルカウルはレイヤー構造を採用し、カウル周囲の圧力バランスを制御している。

燃料タンク容量は16Lで、無鉛レギュラーが指定となっている。WMTCモードでの燃費は22.8km/Lなので、1回の給油でおよそ360km走れる計算になる。タンクから続くミドルカウルはレイヤー構造を採用し、カウル周囲の圧力バランスを制御している。

画像: 270度位相クランクやユニカムバルブトレイン、2軸1次バランサーなどを採用した754cc水冷並列2気筒エンジン。最高出力は91PSで、同排気量のNC750X(58PS)に対して57%もパワフルなスペックだ。純正アクセサリーに双方向クイックシフターもある。

270度位相クランクやユニカムバルブトレイン、2軸1次バランサーなどを採用した754cc水冷並列2気筒エンジン。最高出力は91PSで、同排気量のNC750X(58PS)に対して57%もパワフルなスペックだ。純正アクセサリーに双方向クイックシフターもある。

画像: マフラーはステンレス製。サイレンサーは上下に排気口が並ぶタイプで内部は2室構造を採る。リアブレーキはΦ256mmディスクとシングルピストンキャリパーの組み合わせで、選択式ABSモードによりリアのABSをキャンセルすることも可能となっている。

マフラーはステンレス製。サイレンサーは上下に排気口が並ぶタイプで内部は2室構造を採る。リアブレーキはΦ256mmディスクとシングルピストンキャリパーの組み合わせで、選択式ABSモードによりリアのABSをキャンセルすることも可能となっている。

画像: ショーワ製Φ43mm倒立式フロントフォークは、カートリッジタイプのSFF-CAを採用する。ストローク量は200mmで、プリロードのみ調整可能となっている。フロントブレーキはΦ310mmフローティングディスクと異径2ピストンキャリパーをダブルで装着。

ショーワ製Φ43mm倒立式フロントフォークは、カートリッジタイプのSFF-CAを採用する。ストローク量は200mmで、プリロードのみ調整可能となっている。フロントブレーキはΦ310mmフローティングディスクと異径2ピストンキャリパーをダブルで装着。

画像: アルミ製スイングアームは、押出材をスウェージング加工した左右のアームをCRF1100Lから流用したものだ。リアサスはプロリンク式で、ホイールトラベル量は190mmに設定。分離加圧式リアショックには7段階のプリロードアジャスターが設けられる。

アルミ製スイングアームは、押出材をスウェージング加工した左右のアームをCRF1100Lから流用したものだ。リアサスはプロリンク式で、ホイールトラベル量は190mmに設定。分離加圧式リアショックには7段階のプリロードアジャスターが設けられる。

画像: 初代トランザルプのXL600Vをオマージュしたブルーのシート表皮。純正アクセサリーで座面が約30mm低くなるローシートも別にラインアップするが、そちらは表皮がブラックとなる。グラブバーを兼ねた、機能的デザインリアキャリアの積載荷重は8.0kg。

初代トランザルプのXL600Vをオマージュしたブルーのシート表皮。純正アクセサリーで座面が約30mm低くなるローシートも別にラインアップするが、そちらは表皮がブラックとなる。グラブバーを兼ねた、機能的デザインリアキャリアの積載荷重は8.0kg。

画像: シート下にETC2.0車載器が標準装備されている。USBタイプCソケットはシート下の後方にあり、定格15W(5V、3.0A)まで使用可能だ。ヘルメットホルダーは車載工具内のワイヤーと組み合わせる方式で、シートレールの左右にフックあり。

シート下にETC2.0車載器が標準装備されている。USBタイプCソケットはシート下の後方にあり、定格15W(5V、3.0A)まで使用可能だ。ヘルメットホルダーは車載工具内のワイヤーと組み合わせる方式で、シートレールの左右にフックあり。

ホンダ「XL750 トランザルプ」主なスペック・燃費・製造国・価格

全長×全幅×全高2325×840×1450mm
ホイールベース1560mm
最低地上高210mm
シート高850mm
車両重量208kg
エンジン形式水冷4ストロークSOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒
総排気量754cc
ボア×ストローク87.0×63.5mm
圧縮比11.0
最高出力67kW(91PS)/9500rpm
最大トルク75N・m(7.6kgf・m)/7250rpm
燃料タンク容量16L
変速機形式6速リターン
キャスター角27゜00′
トレール量111mm
タイヤサイズ(前・後)90/90-21M/C 54H・150/70R18M/C 70H
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
乗車定員2人
燃料消費率 WMTCモード値22.8km/L(クラス3-2)1名乗車時
製造国日本
メーカー希望小売価格126万5000円(消費税10%込)

文:大屋雄一/写真:柴田直行

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