moto1、好スタートからディーガンを追撃
前戦では怪我からの復帰レースながら、moto1で3位を獲得し3-5で総合4位を獲得したTeam Honda HRCの下田丈。第2戦の舞台テキサスのコースはサンドパートがある難しいトラックですが、今回の下田は予選2位と好調で期待がかかります。
moto1ではポイントリーダーであるヘイデン・ディーガンの隣、イン寄りのグリッドからスタートした下田。スタートダッシュを決め、ディーガン、タイ・マスタープールに次いで3番手でファーストコーナーを抜けると、すぐにマスタープールをパスして2番手に上がります。
下田は序盤からディーガンを追いかけますが、少しずつ差が開いていきます。下田のペースはディーガンに次いで良く、後続も引き離していったため、20分+1周のレースのほぼ最初から最後まで単独走行で2位でゴールしました。
moto2では、タイトなファーストコーナーへの飛び込みでやや押され、下田は8番手でレースを開始することになります。レース前半は着実に1台ずつパスして5番手にまで順位をアップ。
ラスト12分のところで4番手を走るトム・ビアルに追いついた下田は、さらにその前3番手のRJハンプシャーと3台の集団を形成。ビアルと共にハンプシャーを追いかけますが、ハンプシャーはビアルとのバトルの中で転倒し後退、下田は4番手にポジションアップします。
下田はビアルを追い続け、2台はさらにその前の2番手を走っていたリーヴァイ・キッチンに襲い掛かります。まずはビアルがキッチンをパスし、その後下田もコーナーでキッチンの前に入り、3番手に浮上しました。
その後、前のビアルとは差が生まれたため、下田は単独走行に入り、そのまま3位でゴール。2-3で両ヒート表彰台を獲得し、総合3位でラウンドを終了しました。優勝はディーガンで総合も1-1で優勝、2位のビアルは3-2で総合2位でした。
ファイナルも見逃せない!
今回、予選から良いラップを刻めていた下田は、そのペースを武器に戦っていたように見えます。ディーガンのタイムが特段速かったものの、moto1での自己ベストラップは1分15秒312と、ディーガンの1分13秒981に次ぐ2番手。さらにmoto2では1分16秒419と全体のベストタイムを叩き出しています。
moto1ではそこに、スタートが決まったという要素が重なった結果の好成績でしょう。また、スタートでやや出遅れたmoto2でも、レース後半で荒れてきた路面でもタイムが落ちにくく安定して走ることができる下田の特性が活きて、ポジションを順調に上げることができていたのではないでしょうか。
現時点ではディーガンが圧倒的な速さを誇っていますが、下田もそれに近い位置には居るように見えます。今回のようにスタート、ペース、後半の強さなどの要素がうまく噛み合えば、ディーガンに仕掛けていくことができそうです。
なお、第2戦の今回はポイントが倍になるため、3位の下田には40ポイントが加算され、現在ランキングトップのディーガンと24ポイント差のランキング4番手。最終戦ではポイントが3倍になるため、ランキング争いもまだまだ見逃せません。