社外ブレーキパッドといえば赤パッド
1万キロを超えると、そろそろパッド交換したくなるのよね。
で、せっかくだからデイトナの赤パッド。1984年登場という、非常に歴史のあるブランドなのよ。昔から交換パッドの定番。
特長はコントロール性能と制動力、そしてディスク攻撃性の低さ。
なんだけど、個人的には見た目が赤いのが決め手。キャリパーもだけど、なんか赤いとカッコイイの気がするのよね。あと、ディスク攻撃性が低いってのもすごく嬉しい。これは、ディスクローターが消耗しにくいってことね。
ディスクローターが長持ちするということは、経済的でSDGs。
単純に制動力でいえば、ハイパーシンタードパッドの方が有利なんだけど、効きがコントロールしづらいと、効きすぎてタイヤがロックしたりする可能性もあるわけで。
なので、コントロール性が高い赤パッドは、ブレーキ操作のストレスが少ない、扱いやすいパッドっていうわけ。
ちなみにディスク攻撃性だけど、赤パッドはなんと一般的な純正シンタードパッドはもちろん、純正セミメタルパッドより攻撃性が低いのよ。
CT125ハンターカブ(JA55、JA65)適合の赤パッド
というわけでCT125用の赤パッドはこちら。JA55でもJA65でも同じだよ。
これはフロント用。
フロント用ならメタル系のゴールデンパッドXという選択肢もあるよ。これは赤パッドより制動力に優れた高性能パッド。リニアな制動特性とライフの長さも魅力。
こっちはリア用。リアは赤パッドのみ。
フロントのパッド交換
さて、実際にパッド交換をしてみるよ。
色々調べてみるとキャリパーを外しての交換をする人が多いけど、自分はだだくさなのでキャリパーは外さずにハンガーピンを抜いてパッドを差し替える簡単な方法でやるよ。
サービスマニュアルみてみると、ハンガーピンを抜くだけで交換できるように設計されてる気がする。
もちろんキャリパーを外すことで丁寧に掃除もできるので、出来る人ならキャリパー外す方がより高いレベルのメンテナンスを行うことができるはず。ただ、キャリパーボルトは再利用不可だし、リアキャリパーは外すのも戻すのも大変なのでちょっとハードルが高いかも。
なので今回は簡単なパッド交換ね。
とはいえ、ブレーキは最重要部品なので、不安な人はディーラーやバイクショップにお願いしてね。
フロントのパッド簡単交換に必要なものはこんな感じ。
ハンガーピンを脱着するための8mmソケット&ラチェットハンドル、そしてトルクレンチ。
あとはシリコングリスとパッドグリス。最後にマイナスドライバー的なものがあれば万全。
マイナスドライバー的なものはキャリパーのピストンを押し戻すのに使うよ。
ブレーキキャリパーの中にあるピストンがパッドを押してるんだけど、それをキャリパー側に押し戻してあげることでパッド交換が楽になるんですよ。
減ったパッドに合わせてピストンが出ているので、そのままだと新しい=分厚いパッドが入らないのよね。
やり方としては、マイナスドライバーなどを左側のパッドとキャリパーの爪部分に入れて、右に押すだけ。左のパッドを左から右に押す、ね。
感覚的に違和感あるんだけど、片押し式キャリパーの特性として、キャリパーそのものが左右に動くのよ。これはセンターを出すための構造らしい。
で、左パッドを右に押すとキャリパー全体が左に動く。そして右パッドがディスクローターに押されてピストンがキャリパーに戻るってワケ。
やってみるとうにゃーってピストンが縮んでいくので面白いよ。
注意点としては、絶対にローターを傷つけないようにすること。
ピストンを戻すタイミングは作業の最初で大丈夫。
ピストンを戻したら、キャリパーの下側にあるハンガーピンを8mmソケットで外すよ。
ピストンが戻っていれば、ハンガーピンを抜いた時点でパッドがポロリと落ちてくるよ。
外したハンガーピン。
外したパッドの厚みを測ったら約5.6mmだった。新品の赤パッドは約7.2mm。こうしてみると結構減ってたのね。
ピストンが当たるであろう位置に薄くパッドグリスを塗っておくよ。塗りすぎてあふれてディスクにつくと大変なので、塗りすぎないようにね。
ハンガーピンにはシリコングリスを塗っておくよ。ちょっと塗りすぎたのでこのあと拭き取った。
先端のOリングが傷んでいたら新品に交換してね。品番は45111-MAJ-G41で名称はストッパーリング。
次に赤パッドを装着するんだけど、はめ込む位置が決まってるので気を付けてね。
間違った位置に装着してローターに傷つけるっていう事例は結構あるらしい。ほんと注意してね。
左側というか奥側はフロントキャリパーブラケットに棒状の突起があるので、そこに嵌める感じ。わかりやすい。
右側、つまり手前側はややわかりにくい。パッドスプリングのあたりにうまいこと嵌まる部分があるよ。
このあたりね。
慎重にパッドの位置を決めたら、ハンガーボルトを8mmソケットで締結。最後に17Nmで締めこもう。
ブレーキを握る前に、パッドがちゃんとディスクの適切な面にあたってるか、間違った位置についてないかを念入りに確認してね。
それにしてもパッドの赤が目立ってカッコ良い。
パッドの位置がバッチリなことを確認したら、ブレーキを何度か握っておくよ。
というのも、ピストンを戻してあるからね。最初はかなり深く握れちゃうから、結構びびる。
試運転前にブレーキを握って適切な位置に戻してあげよう。
一通り確認をしたら低いスピードから試運転してね。なんせブレーキだから慎重には慎重を重ねないとね。
一応動画でも流れを追っていくよ。
リアのパッド交換
お次はリア側。
リアは正直そんなに減ってないと思うけど、せっかくだから交換しちゃう。見た目も良くなるし。
リアのハンガーピンは二面幅5mmのキャップボルトなので、5mmのヘキサゴンソケットにラチェットハンドル、そしてトルクレンチになるよ。ラチェットハンドル撮り忘れた。
あとはハンガーピンのゴムキャップを外す道具。自分はシールピックツールを愛用してる。ハンターカブの整備ではなにかと便利なので、オススメ。
あとはシリコングリスとパッドグリスに、フロントと同様マイナスドライバー。マイナスドライバーも撮り忘れた。
リアもフロント同様に左パッドを左から右に押すことで、ピストンをキャリパーに戻しておこう。くるぐれもディスクローターに傷をつけないようにね。
ちなみにこの技、片押しキャリパーでないと使えないよ。対抗ピストンの場合はできないはず、たぶん。
ピストンを押し戻したら、ハンガーピンのカバーを外そう。一か所だけ平らになってる部分があるから、そこにシールピックツールとか使えば簡単に取れるよ。
そしたら5mmのヘキサゴンソケットでハンガーピンを緩めていくよ。
ピストンさえ戻ってれば、ハンガーピンを引っこ抜いた時点でパッドが落ちるか、落ちそうな状態になってるはず。
ハンガーピンを抜いたらパッドを外そう。その際にパッドスプリンが外れることがあるので、外れたらそっと元の位置に戻しておいてね。
フロント同様に、ピストンの当たる位置にパッドグリスを薄く塗っておこう。
ハンガーピンは軽く掃除してシリコングリス。こちらもOリング部分の品番は45111-MAJ-G41で名称はストッパーリング。フロントと同じなのね。
そしたら赤パッドをはめていくよ。奥側、つまり左側はブラケットの棒状突起に嵌まるように。
手前、つまり右側はブラケットについてるリテーナー(銀色のクリップみたいな部分)の上側あたりに嵌まる部分があるよ。
このあたりね。
パッドがちゃんとディスクの適切な位置に当たってるか、念入りに確認しておこう。
そしたらトルクレンチを使って17Nmで締結。
ハンガーピンのカバーを戻して完成。パッドの位置についてはくれぐれも念入りに確認してね。
パッドの位置に問題なければ、リアブレーキを何度か踏んでピストンを戻しておこう。
最後に試運転して問題なければ完了ー。
こちらも動画で流れを撮っておいたよ。ご参考になれば幸い。
まとめ
キャリパーを外さないでも簡単にパッド交換できるので、パッドが減ってたら粘らずに早めに交換してね。もちろんキャリパーを外してしっかりと清掃すればより良いんだけど、パッドが減ったままでいるのは危険なので、まずは交換。清掃は余裕のある時にでも。
ただ、ブレーキは非常に重要な部品なので、ショップやディーラーに任せるのも大事だよ。
レポート:若林浩志