ラスト2戦! チャンピオンの行方を気にしましょう

この週末は全日本ロードレース岡山大会が開催されます。つい先日まで「酷暑」だなんて言われていたのに、9月下旬になっていきなり涼しい日が増えましたね。無理もない、そろそろ10月、メジャーリーグもプロ野球も、もちろんMotoGPもWSBKも、いろんなスポーツが大詰めです。全日本ロードレースも、いよいよ岡山大会と、最終戦・MFJグランプリを残すだけになりました。
シリーズも終盤ということで、そろそろチャンピオンシップも行方も気になり始めました。岡山大会の事前情報は、このネタで行きましょう!

JSB1000クラス

画像: 水野、岡本に4連敗中の#1中須賀克行 ラスト2戦3レースの絶対王者の爆発力に期待!

水野、岡本に4連敗中の#1中須賀克行 ラスト2戦3レースの絶対王者の爆発力に期待!

JSB1000クラスはここまで“絶対王者”中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)が開幕4戦を制すものの、菅生大会のレース2で、チームメイトの岡本裕生(ヤマハファクトリーレーシング)に敗れると、続くもてぎ2&4で水野涼(DUCATIチームカガヤマ)に、さらに直近のオートポリス大会では、2レースとも岡本に敗れてしまっての岡山大会。

とはいえ、中須賀が衰えたとか、世代交代を話題にするには時期尚早。変わらず速い中須賀を、岡本、水野がネジ伏せた、といっていい展開でした。
9月18~20日に行なわれた岡山国際サーキットでの公式事前テストでは、2日間通して岡本、2番手に中須賀が1-2につけ、3番手は野左根航汰(AstemoホンダドリームSIR)、4番手に鈴鹿8耐での奮闘も記憶に新しい伊藤和輝(ホンダドリームRT桜井ホンダ)、5番手にオートポリス大会でついに3強を打ち崩して3位表彰台に登壇した高橋巧(日本郵便ホンダドリームTP)が入りました。2日間とも同じ顔ぶれ――シーズン終盤になってマシンの戦闘力、ライダーのノリが最高潮に近づいてきている証拠なのかもしれません。

4メーカーのトップチーム勢が参加しなかった3日目には、ドゥカティ・パニガーレV4Rを駆る水野がトップタイム、2番手に岩田悟(チームATJ)、3番手に星野知也(TONE RTシンクエッジ4413BMW)、4番手に中冨伸一(RSN)、5番手に杉山優輝(ホンダ鈴鹿レーシング)がつけています。

残り2戦3レース。最終戦はボーナスポイントで+3ポイントが加算されますから、3レース全勝すると81P。そしてここまでのランキングは
①中須賀克行 176P ②岡本裕生 163P ③水野涼 133P ④野左根航汰 98P ⑤高橋巧 85P ⑥津田拓也 77P
となり、計算上は野左根までがチャンピオンの可能性あり、ということになります。まずは岡山大会の1レースでこの順位とポイント差がどう変化するか、注目しています。

画像: 中須賀、岡本、水野の3人が表彰台を独占していたJSBクラス オートポリス大会のレース2でようやく高橋巧が「4人目の男」に

中須賀、岡本、水野の3人が表彰台を独占していたJSBクラス オートポリス大会のレース2でようやく高橋巧が「4人目の男」に

ST1000クラス

画像: オートポリスではレース1で羽田に敗れるも、レース2ではキッチリお返しした#10國井

オートポリスではレース1で羽田に敗れるも、レース2ではキッチリお返しした#10國井

開幕戦から2連勝、それも2位以下を引き離しての優勝と、ST1000クラスを圧倒しているのが國井勇輝(SDGチームハルクプロ)です。2位は開幕戦から作本輝介(AstemoホンダドリームSIR)、岩戸亮介(カワサキプラザレーシングチーム)とバラけたことで、こりゃランキングで國井が逃げるな、と思われていたクラスに意外な伏兵が登場しました。それが、AstemoホンダドリームSIRの、負傷欠場中の渡辺一馬の代役としてオートポリスに登場した羽田太河です。

羽田は2014年にアジア選手権でメジャーレースにデビューすると、20年にはスペイン選手権Moto2クラスに参戦を開始。22年に全日本ロードレースST600クラスに参戦を始めるものの、世界選手権Moto2クラスへの代役参戦のため、3戦に出場して優勝→2位→2位とランキングトップのまま全日本参戦を休止。22年は8戦に参戦し、23年もシーズン途中から13戦、Moto2クラスに代役参戦の形でシートを獲得していました。

そして今シーズンは、22年に続いてAstemoホンダから鈴鹿8耐に参戦。その後、オートポリス大会に代役参戦したもので、組み上がったばかりのマシンで、連勝を狙う國井を撃破。レース2こそ國井の反撃にあったものの、ぶっつけ本番で出場したオートポリス大会と違って、事前テストから参加した岡山大会は、さらにポテンシャルを上げて参戦すると思われるのです。

ST1000クラスは残り2戦2レースで、最大獲得ポイントは53P。ここまでのランキングは
①國井勇輝 88P ②岩戸亮介 65P ③國峰啄磨 49P ④羽田太河 45P ⑤作本輝介 38P ⑥荒川晃大 36P
ST1000クラスは、計算上では荒川までがチャンピオン獲得の可能性があります。

画像: V3チャンピオン渡辺一馬の代役でいきなり優勝を飾った羽田 AstemoホンダドリームSIRはSIR=シンイチ・イトウ・レーシングの略です

V3チャンピオン渡辺一馬の代役でいきなり優勝を飾った羽田 AstemoホンダドリームSIRはSIR=シンイチ・イトウ・レーシングの略です

ST600クラス

画像: ここまで全勝を決めている#1阿部恵斗 しかもチャンピオンらしい強い勝ち方!

ここまで全勝を決めている#1阿部恵斗 しかもチャンピオンらしい強い勝ち方!

ST600クラスは、ゼッケン1、つまり昨年のチャンピオン阿部恵斗(スクアドラティグレ タイラプロモート)が4戦全勝中。オートポリスでは、スタート時の事故のため、決勝レースが行なわれませんでしたが、ポールポジションの阿部がトップポイントを獲得。2番手には開幕3戦連続で長尾健吾(Team KENKEN Ytch)がつけ、3番手にはホンダ勢トップの鈴木光来(モトバムホンダ)。このあたりが毎戦のトップ争いで、この後方に伊達悠太(アケノスピード・マーヴェリック)、藤田哲弥(TN45 with MotoUPレーシング)がつけ、岡山大会への事前テストでも阿部→伊達→長尾が2日間とも同じ順位でトップ3となっています。

ST600も残り2戦で最大獲得ポイントは53P。ここまでのランキングは
①阿部恵斗 87.5P ②長尾健吾 68P ③鈴木光来 50P ④伊達悠太 50P ⑤藤田哲弥 36P ⑥菅原陸 31P
計算上では藤田まで、チャンピオン獲得の可能性が残されています。

画像: チャンピオンらしい強いレースで勝ち続ける阿部 ST600クラスの常勝チャンピオンだ

チャンピオンらしい強いレースで勝ち続ける阿部 ST600クラスの常勝チャンピオンだ

J-GP3クラス

画像: オートポリス大会でも強さを見せた#1尾野 2番手以降は写真のようにはるか後方へ

オートポリス大会でも強さを見せた#1尾野 2番手以降は写真のようにはるか後方へ

V3チャンピオン尾野弘樹(P.MU 7C ゲイルスピード)の思わぬ開幕戦の躓きでスタートしたJ-GP3クラスですが、その尾野も調子を取り戻し、第2戦から4戦を3連勝。いつも通りの最強王者の走りがよみがえって来ての岡山大会です。
事前テストでは、初日に高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)がトップタイムをマークし、初日2番手の尾野が2日目にはトップタイムをマーク。このふたりに割って入ったのが、初日3番手、2日目2番手の若松怜(日本郵便docomoビジネスTP)。岡山大会もこの3人を軸にレースが進んでいきそうです。

昨年の岡山大会は、尾野がトップ独走の後にマシントラブルが起こってリタイヤ、若松がうれしい全日本初優勝を飾りましたね。偶発的なマシントラブルがなければ、やはり尾野のマシン完成度が高く、若松には苦しい戦いとなりそうです。高杉の武器は、マシンが唯一のKTMであること。セッティングが決まると図抜けたトップスピードをマークしますから、岡山国際にある2本のロングストレートが勝負のカギになるかもしれませんね。

残り2戦、最大獲得ポイントは53Pで、ここまでのランキングは
①尾野弘樹 88P ②若松怜 81P ③木内尚汰 62P ④岡崎静夏 34P ⑤徳留真紀 30P ⑥高杉奈緒子 30P
J-GP3クラスは、ランキング3位の木内までに、チャンピオン獲得の可能性が残されています。

画像: 尾野→木内→若松の順で表彰台に上がったオートポリス大会 岡山で「4人目」が出現するか

尾野→木内→若松の順で表彰台に上がったオートポリス大会 岡山で「4人目」が出現するか

タイムスケジュールは9/28(土曜)にJP250クラスの決勝レースがあり、9/30(日曜)にはJ-GP3、ST1000、JSB1000、ST600の順で決勝レースが行なわれます。
この週末の天気は、悪くなさそうです。先週、ひょいと発生した台風がガツンと方向を変えて日本列島に向かってきそうな雲行きになったときはちょっと心配しましたけどね。岡山は、そうやって荒天に翻弄されたことが何度かありましたからね。

写真・文責/中村浩史

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