文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸/モデル:平嶋夏海
アルパインスターズ「SP-2 シューズ」テスト&レポート
圧倒的な保護性能とフィット感を両立
ライディングシューズの利点は保護性能の高さ。スニーカータイプの靴は転倒時に路面に引っ掛かると簡単に脱げてしまうし、表地のナイロンは耐摩耗性も耐熱性も弱い。擦れや衝撃によるダメージに対しては、アッパー素材に革やマイクロファイバーを使用し、くるぶしの上までカバーするデザインのライディングシューズを履くことが最も簡単で効果的だ。
ただしスニーカーに比べて履き心地が硬く、歩きにくい製品もある。保護性能と履き心地のバランスは作り手側の価値観によるから、購入時は必ず試着し、可能なら歩き回ってみることをお勧めする。
アルパインスターズはもともと登山用ブーツメーカーとして創業しただけに、歩きやすさに対する拘りが強い。このSP-2シューズは頑丈なマイクロファイバー製のアッパー、足首のプロテクター、つま先とカカト部分に内蔵したTPUプロテクターなど、レーシングブーツに匹敵する保護性能にも関わらず、履くと不思議なほど快適。これはアッパーとソールの硬さを部位に応じて変えていることと、フィット性の高さによるもの。
SP-2はボアシステムを採用し、ダイヤルを回すだけでフィット性を微調整できる。スポーツライディング用に特化しているのではなく、スポーツライディングにも対応する作りが特徴。履き脱ぎがスムーズで徒歩移動もストレスなしだから、ツーリングユースにも適している。
各種レース用からストリート用までのフットウエアを取り揃えているアルパインスターズが、持てるノウハウを凝縮して作り上げた「履けば納得」の一足だ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
パッド/プロテクター類のフル装備による安全性と、ペダル操作性、歩きやすさを含めた履き心地に不満なし。トゥスライダーは樹脂製だが、減りを考えるとステンレス製でもいいかも。日本の夏の暑さに対応できるメッシュ仕様も欲しい。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸/モデル:平嶋夏海