キャンプツーリングは疲れる……と思う人も多いでしょう。私もそうです。しかし疲れずに楽しむためには、「逆に旅を長くすればいいのでは?」とあるとき気づきました。ホンダ・NX400でゆく長野県阿智村キャンプツーリング、2日目はダラダラ行くぜっ!
文・写真:西野鉄兵
画像: Honda NX400 2024年モデル 総排気量:399cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:800mm 車両重量:196kg 発売日:2024年4月18日 税込価格:89万1000円 ※シートバッグは私物。ヘンリービギンズ「HB DH-760 キャンプシートバッグPROII/LL」

Honda NX400
2024年モデル

総排気量:399cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:800mm
車両重量:196kg

発売日:2024年4月18日
税込価格:89万1000円

※シートバッグは私物。ヘンリービギンズ「HB DH-760 キャンプシートバッグPROII/LL」

ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

理想のお住い「マエヒロドーム」

画像1: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

アラームをかけずに起きたのは久しぶりだ。テントの中からでも分かるぞ……すっかり明るくなってる。腕時計を見れば時刻は8時40分。ギリセーフか。何時がセーフで、何時がアウトなのかも分からないが。

昨夜は22時過ぎから雨が降り出し、23時過ぎにだいぶ雨脚が強まった。朝から走って、体力はそれなりに使ったはずなのに眠くならず、結局24時過ぎまで起きていた。

何をしていたかといえば、テント「マエヒロドーム」の中で鍋をつついたり、ラジオを聴いてダラダラしていただけだ。

画像2: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

マエヒロドームの前室の広さは、まさにその名の通りだった。これまでコンパクトなテントを愛用してきて、普段は物に埋め尽くされたアパートの6畳間で過ごしている私には、そわそわするほどだ。

雨が降りしきるなか、のんびりできるのはありがたい。文庫本を忘れたことだけが悔やまれた。

画像3: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

「マエヒロドーム」は、バイク用品メーカーのデイトナが作り出したオリジナルテント第2弾として、2023年5月に発売された。クラファンを利用した先行販売時から大ヒットし、一躍ライダーの定番テントのひとつとなった。

さらに2024年9月には進化版「マエヒロドームPLUS」が販売開始された。こちらは通気性・耐雨性がアップし、より快適になったという。

「マエヒロドーム」をはじめて見たとき、収納時のサイズがこれまで使っていたものより、ひとまわり大きく、パッキングに難儀しそうだと思った。

しかしいざ前から使っていた容量55Lのシートバッグに詰め込むと、キャンプ道具一式とともに普通に入った。ならば問題なし。

画像4: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

立ててみれば、収納時のサイズが恐ろしく小さく感じるほど、立派な家構えだ。ハイシーズンに人気のキャンプ場でファミリーキャンパーに囲まれても、これなら堂々と胸を張れる。「いくら幸せそうにわいわいバーベキューしようと、ひとりあたりのスペースは俺の方が圧倒的に広いんだからねっ!」

しかも組み立てが簡単。説明書を一読し構造を理解すれば、すぐに立てられる。ざっくり手順を説明すると、インナーを広げる→ポールを組み立てる→ポールを6カ所差し込む→インナーをフックに吊るす→フライシートをかける。

自立式だから、ペグが打てないような場所でも立てられる。とはいえ打てる場所では打つ。最低ペグ本数は6本だろう。風は吹いていなかったが、はじめて立てるので、せっかくだからと張り綱もすべて使ってみた。すると計16本だった。もっと本気を出すならさらに5カ所に打てる。なので付属のペグは21本備わっている。

画像5: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

ペグは愛用しているものがあるので、付属のものは置いてきた。鍛造鉄ペグ8本、細い鉄ペグ2本、プラペグ2本、そしてアルミ鍛造ペグ6本。

このアルミ鍛造ペグもデイトナ製。少し前まで鉄の鍛造ペグが最強だと思って気に入っていたが、アルミ鍛造ペグの登場に衝撃を受けた。その特長をシンプルにいえば、強いのに軽い。鉄ペグは強度が最大の魅力だが、重さがネック。これからはアルミ鍛造ペグの時代かも。というか、すでにその時代は来ているのかも。

ペグダウンが必要なワンポールテントも持っているけれど、ツーリングライダーには自立式がおすすめだと思う。とくに行き当たりばったりの旅を好む人には、自立式がいい。災害時の備えとしても、自立式テントは心強く思える。

そんな広々としたマエヒロドームで、やや寝坊したと思いながらもダラダラ過ごす。晴れていれば開放もできて、爽やか~。雨が降れば、中で引きこもり~。と、出入り口を開けたり閉めたりして、いろいろなスタイルを試して遊んだ。

お風呂までの道すがら

昨日つくった鍋はまだまだ残っていたので、それを朝食に。顔を洗って歯を磨いて、トイレを済ませて、NX400を拭いたりしてたら……もう昼前じゃんよ!

画像6: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

少し慌てて貴重品をシートバッグに詰め込む。テントはそのまま。最近はテントが盗まれるなんて話も聞くからおすすめはできないけれど、私はこのスタイルが好きだ。せっかく設営したのに、一日で片づけるのはもったいなく感じてしまう。

一度の設営で2泊すれば、中日は身軽にツーリングを楽しめる。10代・20代の頃はなるべく遠くへ行きたいという思いから「連泊なんてありえない」と考えていたものだ。いまは知らない土地をじっくり楽しみ、休日明けに疲れを残さないためにも「連泊しないとダルい」という思いが強い。

とりあえず近くの温泉へ。このキャンプ場・長野県阿智村「天魚(あまご)パークランド」には、入浴施設がないけれど、近くには月川温泉や昼神温泉がある。

最寄りの「野熊の庄 月川」という高級旅館の日帰り入浴は800円。キャンプ場で100円引きのクーポンをもらえたので、そこへ向かった。

画像7: ホンダ「NX400」でゆく2泊3日のキャンプツーリング|2日目

周辺は日本一の桃源郷ともいわれる「花桃の里」。4月はおおいに賑わうのだろうけど、いまは貸し切り状態。青々とした桃の木が連なる様子は、これはこれでいい。

温泉の宿泊客はお出かけしているようで、大浴場は貸し切りだった。露天風呂も堪能する。キャンプからの昼時の日帰り温泉は、一般の旅行者とは動きがずれているため、今回のように上手くいくことが多い。

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