文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
ペロツールズ「新型フロントホイールロック パッドホールドシステム」テスト&レポート
ゴム製パッドと絞り込み機能で、旧車やオフ車の細いタイヤも確実にホールド!
スイングアームを下から持ち上げて車体後部をリフトアップするスタンドは、リアスタンド、レーシングスタンド、メンテナンススタンドと呼ばれている。車体を直立させたままリアホイールを浮かせられるので作業の幅と効率が上がるが、スタンドの掛け降ろし時にオートバイを倒してしまうこともあり、ひとりで使うには慣れが必要になる。
僕がオートバイのメンテナンス時に多用しているのは、フロントタイヤを両側から挟み込む構造のホイールクランプ。重量のあるオートバイでも一人で簡単に掛け降ろしでき、ホールド性も高い。自宅ではドーム型の簡易ガレージの中にホイールクランプを設置してオートバイを駐車しているが、基底面積(ホイールクランプ左右端とリアタイヤを結んだ三角形の面積)がサイドスタンド使用時よりも大きいため、地震の揺れにも強い。
ただ、既存のホイールクランプはフロントタイヤ幅を110mm〜120mmに設定してあるものがほとんど。現在の250ccクラス以上のロードスポーツモデルならちょうどいいが、タイヤが細い旧車やオフロードモデルではグラグラして使いものにならない。
この「パッドホールドシステム」を採用したホイールクランプは、タイヤを挟み込むプレート部分に着脱式のゴム製パッドを被せることで80mm幅のタイヤでもガッチリとホールドし、パッドを外せば120mm幅まで対応。
さらにクランプ部の下側に装着されたコイルスプリングの働きにより、オートバイをスタンドから引き出す動きも軽くてスムーズ。オフ車のカワサキKLX250と大型バイクのBMW R 1250 Rで使っているが、細かな部分までよく考えられた造りに満足している。特に旧車、オフ車のユーザーにお勧めの製品だ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
クランプホルダーの前後位置や幅を調整できたり、スプリングの力で車両の引き出しをスムースにするなど、感心するほどよく考えられているし、トランポ積載用の固定プレート、エクステンションバーまで用意されているのも親切。機能にも価格にも不満はありません。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海